駆けっ句365日生き急ぎ

水無月


十八尊佛図(不動明王)    

水無月某日・時空越えはずむ会話に夏料理 ・涼暮月バギーのベンツで孫と駆る ・水無月や合図の花火で月が明け ・乾杯やエンジン8分目季夏に入る ・水無月や怖い行方の臓器ビジネス ・六月や出処進退吾レで決む ・目線まで下りて火中栗六月 ・のどかさや御輿の歩み初夏の暮れ ・六月や列島クリーン缶拾ふ ・衣下鎧を脱がす衣替え ・六月や構へおさおさ策はなし ・水無月や雲か嵐か備へあり ・お上りや天空から見る夏の雲   ・雨上がり五月の木肌は瑞々し ・セグウエイーや一人立ち乗り六月の風 水無月某日・梅雨空の明石の屋根に青覆い ・デファクトへ慣れた文化を衣替え ・六月やサボテンの花萎れおり ・山陽路けふの入梅後で知り ・有田焼き転写屋辺りで雨になり ・便り着くアガパンサスのつぼみ付く ・喉潤しがてら入れば桟敷中 ・草いきれ短き歴史物語る ・ほたる火や良識残すあつまりかな ・馬齢重ね歯はヨレヨレの虫歯予防デイ ・粛々とはためく風や五月丸 ・みなで喰ふそうめんなつかしこんにちは ・搭乗前足湯にひたる夏空港 ・春暮るるけふは何の日角を打つ ・一身にひかり浴びたる梅雨入り前       水無月某日・滄浪の水や涸れるな水無月 ・梅雨の入り思いたったが導入期 ・電波の日入れ違いに便りあり ・思いきり過去を捨て去り衣更え ・気がつけば梅雨入り宣言正念場 ・しおるるや月花美人昼見どき ・屋根の下家族でそそる初ソーメン ・笛太鼓行きつ戻りつ夏の潮 ・未央柳いのち引き継ぐに満を持す ・十六夜や月の青さに遠回り ・赫々たる事績を顕す泰山木 ・不ぞろいの段取り付けて夏を待つ ・後智恵の美く収めらる夏の宵 ・あげは谷はんかい草なく草いきれ ・頂は心眼で見る視界ゼロ       水無月某日・白鷺は様式機能の攻めぎあい ・点滴のしたたるエキスや玉の汗 ・ソーメンの初めはセキ亭昼を食う ・セミナー終え喉キュン来たる薄暑かな ・アイコンタクト言わず語らず暑気ばらい ・あじさいや恥ずかしそうに色をつけ ・ルサンチマン千々に乱れて梅雨に入る ・よどみなく歩くアシモに汗はなし ・息をつく額あじさいや色を変へ ・六月や死後の結末相頼む ・万緑やがんと麻酔に酔いここち ・一世代前を道草やまぼうし咲く ・時持ちや寸暇を集めて新茶飲む ・生き馬の眼を抜くことあらず日永かな ・だご汁は山霧の中天幕の内 水無月某日・暮れなずむ大阪梅雨入り生き急ぐ ・食あたりエンドユーザいらち知る ・夏の宵内なる文化気づかれる ・短夜や幼子ババより母恋し ・夏祓い装飾古墳の主より ・梅雨入るころ手足口病一休み ・空振りやそうめん未だメニュなし ・梅雨まぢか小さき旅今朝また ・目処が見えあたりに漂ふ草いきれ ・悠々と急ぐ段取りはや芒種かな ・雛孵るならし運転親ごころ ・菖蒲まつり路は母校へいざなひし ・つまずけば一夜寝かせて夏の朝 ・樹霊するあやしき言霊夏の森 ・失せ物が戻りて安しジャスミンの香 水無月某日・稟議終え一人で決めた閑日月 ・淀川のたゆたう流れ夏は来ぬ ・生き急ぐ夏は年貢の納めとき ・フラクタル夏めく世界に身を任せ ・梅雨闇に美容柳の黄色かな ・香炉灰ひっくり返し梅雨に入る ・また一年健診ころ芒種かな ・紫陽花や武士道の父蘇る ・暗黙知の連鎖知る芒種かな ・NPO立ち上げ水遣る芒種かな ・遠蛙駅のホ−ムですまし聞く ・腐葉土へ都会の芒種ついり前 ・人育ついまを楽しむ芒種かな ・プリンタの足をもがるる芒種かな ・さかしらなもののあはれにたじろかず ・梅雨入り前これから盛りの山ぼうし 水無月某日・山陽道水張る田に映ゆ赤瓦 ・臥せた人義理人情を夏に欠き ・クーラ効きボランティアの指南受く ・言祝ぎや先祖へ報らせる大安の朝 ・梅雨の間や乗り換え駅で杯交わす ・梅雨語る地域へ捧ぐ次ぎの次ぎ ・しらじらし秘すれば花アガパンサス ・御神面天下一瞥夏まつり ・メロン初ブロードバンドさくさくと ・機械化しねこの額の田植えかな ・六月の咳ままならず留守居す ・峠より下界見下し夏風邪ひく ・山を越へ勝ち組ならず短夜かな ・彷彿と民声上がらず暮れの春 ・早咲きのはんかいそうや涼しけれ 水無月某日・この道を悠々として急ぐ夏光る ・夏の朝鎮座まします狭き机上 ・入梅や動物園へ傘さして ・山笠やそろそろ入れ込む小屋準備 ・ピラニアに半身食われてなお金魚 ・近江の湖法事にかこつ梅雨のころ ・震える感動PDAはじめ梧い桐 ・百花園風のそよぎに囃子のり ・肩二つ菖蒲池ながめ団子かな ・隆々と細工施す梅雨曇り ・時惜しみ議して決す夏の宵 ・夏風邪やクールビズでなほこじれ ・受けて立つ一会にすがる明け易し ・ふつふつと民の声湧く夏の宵 ・御衣黄や葉桜といふ景となり 水無月某日・軍艦の白い航跡夏の潮 ・駆けっ句を新システムで夏の宵 ・梅雨入りの移動時間を歴史観 ・パス忘れ再び戻る五月雨の中 ・涼暮月亡きともがらとの肥後話し ・遠回り濃いや薄いのあじさい苑 ・びわたわわおしつけがまし恵存本 ・桜餅ほふばる一口長命寺 ・嬰の目のすがすがしさや涙する ・梅雨やすみそして誰もいなくなった ・共感やじわり染み込む明けやすし ・梅雨入りや申し合わせて風邪に入る ・変化待つ額あじさいは梅雨入り前 ・楽しみや一族三代うち喰らふ時 ・芍薬や雨に花弁を落としけり 水無月某日・梅雨入りのコバルトラインさんざめく ・生き急ぎ時の記念日早く着く ・梅雨空に徘徊せし街彷徨し ・満月や夜目にビワの実黄ばむ ・紫陽花や新宿西口昼迷う ・ツバクラメ微熱ありと届けあり ・梅雨晴れ間思いたったら展墓行 ・義士館出れば浴びたる夏ひかり ・水遣りや爽か身近に夏の朝 ・とききざむひといろいろ七変化 ・壁紙や清流に衣替へ時記念日 ・境内の芝生輝く梅雨晴れ間 ・早々と見切りをつける時記念日 ・梅雨入り前菖蒲田に水みなぎる ・あげは谷はんかい草の揃ひ咲く 水無月某日・夏巡礼行きつくところ生月島 ・入梅やサボテン最後の花をつけ ・時記念出張先で邪魔をせず ・試しにや腐草蛍へキックオフ ・ユリの香や定年あとのあるがまま ・水残る講堂梅雨寒運動会 ・たまさかの親子集う運動会 ・時の日や離塁感覚とぎすます ・入梅や身体続かず一服入る ・宴半ばそれもよからう梅雨に入る ・天仰ぐアガパンサスへくすり降る ・森林浴足をいじめつ峠越ゆ ・楽しみはあの手この手の青山河 ・空気読み雨は無くとも梅雨入りする ・しばらくははんかい草やついりまえ 水無月某日・堀川や五平太船にごんぞうの往時偲ばる草いきれ ・城跡は石積み粗し風光る ・梅雨曇り江戸の土産は濡れ納豆 ・馴染むかやEC文化長い夏 ・梅雨晴れや遠回りして祐三展 ・夏つばめ製本しつつがん語る ・つばくらめ自費出版を節目年 ・入梅や出入り激しき予報かな ・黒南風や尊重されえぬなせるかな ・泰山木ご縁を結ぶご縁あり ・野の草や正体みたりひとり静か ・見に行かばほたる草葉に梅雨に入る ・木もれ陽や森の息吹と同期とる ・目がかすむメメント・モーリ新茶かな ・梅雨入り宣言言霊のままに乗り移る ・木道や想を練りつつ夏の森 水無月某日・鷹山のゆかり求めて秋月行はるかな里は霞たなびき ・四季バラのひと鉢一本咲きこぼる ・紫陽花の塀を乗り越えこぼれ咲く ・寛解や祈念に涼暮カラオケを ・雨中やアガパンサスの揃い踏み ・運動会勇気りんりん愛しぐさ ・麦秋やおいしいところ人やらず ・意識していやみ一言梅雨始まる ・入梅や帰れコールのやれメッセージ ・アガパンサスや止むに止まれぬ熱気あり ・水を待つアガパンサスは一人ぽっち ・急げども静かに動く梅雨晴れ間 ・転移してハコネウツギの紅変はる ・アガパンサスのどから手が出て梅雨入りする ・三代で童に返るほたる狩り ・清流に孤人竿挿しあゆ解禁 水無月某日・冷や酒やアンカーポイント生き急ぐ ・吾レよりも姿勢は高し立ち葵 ・空梅雨や遺跡巡りにこと欠かず ・力抜き策を捧げる青い梅雨 ・声かかり二つ返事の暑気払い ・梅の葉や雲霞のごとく虫のつく ・紫陽花や薄きご縁の濃き紫 ・青きうねりアガパンサスの大に見え ・梅雨闇や時の流れの狂気見る ・蜘蛛の巣やネットウイルスに迷惑す ・短夜や秘すれば花の経を読む ・梅雨休みはにかむ児らの声まぶし ・風かおる軽味で逃げる冗句かな ・ほたる狩暮れなずむ前に森へ入る ・ふもとよりみやまきりしまきりのなか 水無月某日・夏急ぐライフスタイル変えめやも ・好きやすの飽きやす一人梅雨へ入り ・名に恥じず妍を競うか花菖蒲 ・お初着る早めの父の日プレゼント ・臓盗られ梅の実黄ばむ夢の中 ・梅雨晴れ間嵐のように児童過ぐ ・里山や緑は昏し田光る ・ゆるゆると口なしの花口籠もる ・潮引きあじさい祭り賑わひし ・たっぷりと苗の植へ替ふ梅雨晴れ間 ・在宥やあるべきやうは空の梅雨 ・やまぼうし歩くは人のためならず ・菖蒲田や松本邸を借景す ・二の谷やはんかい草の色をつけ ・露天よりみやまきりしまうましかりけり 水無月某日・アジサイの青の季節を額が追い ・梅雨晴れ間原チャリで駆る菖蒲園 ・風呂上がり後れ毛の君のオムツ替え ・肩を振り駆ける幼子あやめぐさ ・いまに越ゆ地域力に蒸し暑さ ・月満つ日日章半旗くろぐろと ・せせらぎや跣ためらう緑地かな ・名を惜しむ月花美人朝に萎へ ・でいご咲く花の行方のややこしや ・青嵐あるべきようはに任せけり ・水遣りて一人青梅雨息をつく ・目くじらを立てて子育て明けやすし ・花あやめ一句手向けて生きのびる ・厳かにベース奏でる牛がえる ・きりしまを見納め靴の泥洗ふ 水無月某日・はんなりと暮れなずむ街立ち葵 ・青梅や時代を超えて新機種に ・揺らぎして一日生きて夏枯草 ・MOF謀る市場介入梅雨晴れ間 ・あぶら汗衰ふ器官日まし増え ・壷型の古墳へ梅雨降り止まず ・サクサクとナシ食むごとしPDA ・はやばやとむくげ花さく今朝の夏 ・梅雨もやひ馬齢重ねる顔さらす ・ありがたし船頭多くやまぼうし咲く ・短夜の狭きスペース組み立てる ・冷酒の日けふの仕上げはきこしめし ・濃ひ薄し花の菖蒲の恵み待つ ・コジュケイや耳を至福に森を出ず ・うたせ湯に打たせてしばし桃源郷 水無月某日・アガパンサス首をかしげて雨を待つ ・ライトアップお掘りの睡蓮蕾つく ・クマゲラの巣立ち確かな便り聞く ・雨上がり滴る緑葉くちなしの花 ・夏の雨新世紀から博物館 ・父の日や文化はビジネス牽引す ・ふか曇り入り船出船雨こもごも ・梅雨休み奔る島津やチェスト行け ・住所録内なる整理雨台風 ・次臨む一山越へたとんぼかな ・梅雨休み消防訓練ひとまばら ・人いきれあじさい祭り雨を待つ ・光るたび児ら姦しきほたる狩り ・荒梅雨やひねもすメールの棚卸す ・三股山を借りて天下の景となる  水無月某日・新島知るや和白干潟のサギの群れヘドロ臭けど今が都か ・何できる聞かんといてくれ梅雨晴れ間 ・梅雨けしやアガパンサスのそろい踏み ・蓮開く混沌のけふ立ち初める ・荒南風や試行錯誤の速さ果て ・青田風長江はるか稲の道 ・頼まれしたっての相談桜桃忌 ・草いきれ鋭気養う朝の路 ・とつおいつ旅の仕上げや冷やさうめん ・はまゆうや時経り待つをほおかむり ・拙速やスピード台風追いつけず ・子らたちにかこつけられぬ日やいつか ・軒つばめ誰のしかけや命布 ・青嵐風力発電受けて立つ ・あぢさいや定番から賞でる一献 ・つゆぐもりただ湿原の緑濃し 水無月某日・通学児顔より大きなアジサイ持てり ・記念日の上がりは早めの冷奴 ・梅の実や緑まぶしき国分寺跡 ・時差の夏夜世界標準の壁厚し ・あといくついくつ誂ふ夏スーツ ・額あじさい知的興奮ひきもきらず ・後ろ髪どこへ行くやら新茶着 ・道楽やそれもよからう桜桃忌 ・台風前ソフトボール度々中断す ・父の日や下駄履き初めす子らからの ・枯れ尾花またぞろ顕る大本営 ・発掘の屋敷地跡に風かほる ・回り道シャッター通りの薄暑かな ・老鶯を聞きつ木道一巡る 水無月某日・トラブルに巻き込まれて目にする枇杷の実 ・夏至の日や寝返り打てた孫の顔 ・玄室の壁ひんやりと外は夏至 ・雨降りや午睡で暮れる夏至 ・パジャマ着て笑う個所をば読まされる ・夏至の日や今朝の刷り込みナッシング ・GIS立て上げ銀河系HA夏至の日 ・幾年や総決算の夏至日かな ・ひまわりや孤立無援の台風一過 ・まっしぐら東へそれる夏至台風 ・夏至の日や児らと戯るるご縁かな ・いさかひはねばならぬほどなし夏至 ・飄々と押さるば下がる夏の潮 ・満ちたりしなんじゃもんじゃに花はなし ・比島よりはるかつばくらめ軒休む 水無月某日・夏至の雨思いだしたり杵の柄 ・紫陽花を尋ねて後は水入らず ・シビ光る喉潤しつつ館の屋根 ・三日月や泰山木の花に滲む ・昼長しかるかん土産に験持たせ ・梅雨曇りもっとキュートな微笑みを ・ペットボトルうんちく傾く相手おり ・つゆくもり身近に住まふこの日ため ・展望や開けどけぶる夏至の雨 ・トライアルすれどエラーの梅雨曇り ・オレンジ帯静かに型とるけふ水不足 ・段取りをとらずひたすら梅雨の中 ・とつおいつメメント・モーリ梅雨晴れ間 ・夏山や森の小徑はほの昏し ・せせらぎの音をつまみにだご汁喰ふ       水無月某日・windows付いて離れるくちなしの花 ・梅雨晴れやそぞろ歩きて妻と訪ふ ・リクエスト冷やしそうめん休日の夕 ・梅雨の月、車乗り込み汗が引く ・梅雨の空NPOで途中下車 ・月光の東にゆめを梅雨の空 ・ひねもす雨途切れしころ金魚買い ・きみちゃんや麻布十番慰霊の日 ・悠々と波風立てて夏急ぐ ・次なるの余力養ふ夏台風 ・空梅雨やB棟終へて水入るる ・雨やまず社会見学うるおひし ・野放図や一人濡れて行く夏至の雨 ・緑陰やのどを潤し想を練る ・短夜や仕上げは京風とうふづくし 水無月某日・草いきれ螳螂ソフトへかぶりつく ・薄暑の候windowsを魂入す ・夏の夕褌君にせがまれ散歩二度 ・朋帰る誰いふことなく暑気払い ・荒梅雨や今よ盛りよアガパンサス ・例会や皆集ふころ抜ける雨 ・慰霊の日孫らに伝ふ再上梓 ・梅雨寒やふとんあわてて重ね着る ・分身やBB纏ひ衣替へ ・平時には戦史ひもとき梅雨降れり ・夏の山静かに動くほくそえむ ・教会や永久の別れに田植え歌 ・青すすきそれもよからう一人NPO ・やまぼうし雪のごとくに積もりけり ・空梅雨に猪のぬたばは水を張り 水無月某日・パソコンで勤しむ仕事梅雨曇り ・汗疹して親子二代のかかりつけ ・冷奴ほろ酔う前に地震(ない)で揺れ ・夏の夕利害離れて結いを編む ・梅雨曇腹をくくりて音入るる ・手をつなぎアガパンサスを教えけり ・半夏生夢かたちに入れ込む ・力抜き傾く薀蓄梅雨の冷え ・夾竹桃マシン乗り換へつかえ降る ・荒梅雨や朝刊買ひ出孤立する ・水待つや雨の予報の当たり待つ ・梅雨ぐもり亡き人訪づる歩みかな ・吾レのためわがまま通す梅雨曇り ・あぢさいやふきこぼるる山の道 ・慰霊の日島記まとまる鎮魂歌 水無月某日・夏ごころあくせくわくわく信州へ ・異動期や足繁く通う桜蘭 ・水無月やにわか雨にわざと濡れ ・五月闇株主総会光射し ・長雨やがまん限界傘さして ・薄目開け木下闇の世を覗く ・外目より悩みはふかし梅雨 ・土地勘の余力残して夏に入る ・半夏生駅の雑踏なつかしむ ・利己的な混沌止揚むくげ咲く ・夏の潮曇天の空に消え行く ・燃へつきてはまなす遺言なにもなし ・くらやみをすくひて蛍児にわたす ・朝早し動物の森公園のにぎにぎし ・入梅や梅の実あまた落ちにけり 水無月某日・夏未だ峠横川釜の飯 ・梅雨晴れ間保てうるものと不遜考 ・式部花浅黄帷子涼誘い ・短夜や杯交わす相手(ひと)見当たらず ・あと一日ツメあやまたず菖蒲咲く ・三宅島灼くるサイクルリサイクル ・有り難や気象情報大外れ ・六月や我レ美しく戻りなむ ・喜雨の中蟹は甲羅に似せて掘る ・夏はらいニューヨーク店は夢で閉ず ・水乞ひの珍か水遣り初スイカ ・荒梅雨や転移再発偏正回互 ・雨上がり群れて魂げる火垂かな ・あぢさいの露天に雨のあぢさい湯 ・空梅雨や雨読の本のまくらあり 水無月某日・初夏中込遠くはるばる来たもんだ ・水無月や旧友の音ずれダウンの報 ・アガパンサス風来し方へ顔を上げ ・雨予報当たりどこかで扇子失せ ・梅天やあたらずとも遠からず ・久方の雨蓄えし朋に髭 ・遠回り海上公園梅雨の朝 ・三世代傘をかざして宮参り ・つゆ晴れ間ちがう世界のひかりあり ・夏休み微熱のわけを検査せむ ・あぢさゐやはなびらは散れど花相散らず ・足腰の達者見届く夏の雲 ・水を得てあぢさい嬉々と勇み咲く ・水不足ゆめにて雨足ひどくなり 水無月某日・駅弁としみじみすする新茶かな ・草いきれ神籠石に危機なぞる ・激変を静かに看とれぬ熱帯夜 ・梅雨晴れや二日ハシゴの動物園 ・大水やウィルス感染立ち往生 ・戦禍なく水田の青美し国 ・梅雨ふかし気滅入る若き告別 ・ひやかして御徒町の梅雨晴れ間 ・つゆ晴れ間花に名前のラベルつけ ・砲発し猿のうわさや水無月尽 ・つかの間のとおり雨やいとほしひ ・月みえず八回表席を立つ ・初めてのめがねあがなふ梅雨晴れ間 ・歓声を場外で聞く梅雨晴れ間 ・亡き父の語り草しのぶ父の日 水無月某日・検診の胃カメラ覗く夏は来ぬ ・猿叫ぶくちなしの花側白し ・真夜中にサボテン花咲く六月尽 ・新システムや文を認む六月尽 ・亡きケ氏香港回帰六月尽 ・六月尽節目を飾る異動かな ・短夜や臨死一生物語る ・押さば引く引かば押すごと夏の潮 ・打ち上げは黙とうしばし合歓の花 ・浜離宮おもしろ半分物語り ・カンナ咲く仕込み立ち上ぐひととせ尽 ・湖畔より青田風吹き抜く天主址 ・石仏や夏草埋む大手道 ・幾星霜したたる汗の夢の跡 ・草いきれあのう石積み無造作に ・がんで逝く連なる訃報や六月尽 ・暮れなずむナイトゲームやおぼつかなし ・酔ふそろり攻めに転じる六月尽 ・樹の精気森の家まで匂ひたつ ・夜来雨や一息つく水無月尽


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