駆けっ句365日生き急ぎ
卯月

十八尊佛図(薬師如来)
卯月某日 ・四月馬鹿入り船出船こもごもに
・突然の走りながらへ春の雪
・それがしの武漢呑み込む春の朝
・したたかに続く山河や春霞
・山おぼろ悠久工程人語無く
・新年度吾ガ事にあり異動あり
・エープリルフール乞われて動く若き駒
・南洲へ行くつく先はさくら咲く
・四月馬鹿あつかましき年長っ児
・球春や熱気あおられ入りもせず
・久方に人のたよりの卯月かな
・一夜置き乗り出す船や萬愚節
・四月や遅咲きさくらぽっと咲く
・花曇りことばなくしてたたずみぬ
・夜半の嵐けふの花見へ気もそぞろ
・遅霜や千女房桜も一分咲き
・春雨やしっぽりたわむぼけの花
卯月某日 ・地震未だ蕾は固し三ノ宮
・たじろがず春泥かぶりて立ち往生
・屈原の沈む思いやシ帰の春
・長江かすみ白帝城に猿声無く
・花冷えやSE生活けじめ付け
・つばくらめ明日の別れに低く翔ぶ
・花くもり国を思ひて獅子しびれ
・行く末や雇入社員永き日
・君子蘭一気夏日で花さかり
・花冷えや阿弥陀経永くなり
・花冷えや帰りの車中阿児眠る
・春愁ひデータ退避持ち直す
・散るまいと雨に打たれし夕桜
・花曇り空手合宿送り出し
・花人になれぬまんまに花を訪ふ
・れんぎゃうやくぬぎ林は刈りとられ
・雨上がり森の泥土の匂ひ立つ
卯月某日 ・花冷えや地震の爪痕傷の心
・術前の体調戻る朧月
・春の潮三峡景色飽きもせず
・長江の春たゆたう時に身を委ね
・突っ込みの今一つボケの花
・花疲れ悔ゆる人生棚卸し
・おとこまさりいま連翹の存在感
・堰を切り見はるまに緑湧く
・先人の秘すれば智慧の黄砂降る
・子ら駆けるけやき新芽の燃ゆるごと
・つばめ来るピアノ弾き手の許へ去る
・春眠や目覚め気になるマシンの灯
・便りあり亀なく声や水の中
・花いかだ濠の片角もやひけり
・春の夕100年民家の窯工房
・春やかすみこぶし花の辺ほの明し
卯月某日 ・花冷えや余燼くすぶる地震のあと
・木の芽あえワケギに替わる旬くらい
・遅き春霧の重慶夜が白む
・ウイルスの進化ま見えむ春疾風
・ドライブやにはか花人三世代
・楠わかばにわかかな読みたどたどし
・一世紀官営高炉の跡に立つ
・途半ば赫赫たる成果にカイドウ咲く
・渡し船乗れずお堂の甘茶かけ
・受けて立つ頬につるりん春の風
・四月や出る船入る船つきづきし
・悩み聞きつそぞろに歩くさくら道
・園を出るころには葉桜となりにけり
・花冷えや水没廃校見ゆといふ
・のどけしや一人花見の酔ひ気分
・風そよぐ森の小道の空青し
卯月某日 ・春のポカ拾う神殿あてにして
・レンギョウの息吹き下より萌えいづる
・花ズオウ思い思いの大極拳
・清明や究める学徒の息吹吸う
・永き日や引越し祝いなぐさめる
・キンカンや孤立無援で墓守る
・清明節同行一人海南島
・一人見る二人しずかの野草園
・清明節マシン三世代目企てり
・清明や吾レ薪をば取りに行く
・昼寝して力蓄ふ花見かな
・清明節冗句で返す横車
・潔くはなびら散れど幾年も花は散らじと咲く山桜
・菜の花や雅語ゆかしきかぐめよし
・花眼超へ酔眼で見る桜かな
・群れもせで一人静かの大桜
・年金や二人静かに花を愛づ
・見残しのさくら未残し兵の逝く
卯月某日 ・京土産酢茎肴に春を喰う
・春寒し反芻しいしい朝駆ける
・春の壷、小中見大、豫園かな
・春雨や入学式へ朝駆ける
・春暮るる中年の一むち息が切れ
・功なりてあとは一人で春暮るる
・初パーマ我が家のクーニャン春の風
・植物園過保護に育つぜんまいかな
・たたずまいお返しを返し春光る
・春風や歯牙にもかけぬのどかさ
・城の下余震かかへて花見かな
・行間やあらぬ方読む朝の春
・振り払ふさくら吹雪のうとましや
・ひねもすをゾルゲ翻く桜雨
・落ち椿掃き浄まるる石畳
卯月某日 ・風の橋おぼろ月夜の桜かな
・木の芽あえ座るやいなや薦められ
・杵柄はさびれど気だけは花まつり
・大陸を一塵舐めて春の風
・永き日や複製しつつ逆転写
・けふ頃は店はそぞろに木の芽あえ
・つばくらめ一羽離れて斜め飛ぶ
・児等別れ明日も会へるがごとく
・森林浴はしごして生き急ぐ
・初めよし寝覚めほっとす新学期
・新学期みどりのおじさん声掛ける
・花曇りもやふはたしていかばかり
・離任するしなやかな肩にさくらふぶき
・櫓山荘跡のサロンはやぶつばき
・彼岸過ぎ櫟木曹長の碑を訪ぬ
・ぜんざいや花びらの下暖をとる
卯月某日 ・83円ドル下落あれよあれよの一週間
・情報でもてなす春の鴻臚館
・寛解や執行猶予の春暮るる
・春驟雨傘と親しみ川に沿ふ
・入園式こわごわ隣りへお節介
・はなまつりかひがひしく小女房
・花まつりケーブルカーの大修理
・しゃが咲くや壷中に天あり大名庭園
・旧き朋の消息知る春の宵
・花まつり巨象も豚も木で踊る
・妍競ふ新芽さくらに劣らじと
・あめんぼうはないかだをはすかいに
・花冷へや立ち上げなほす愛機かな
・春雨や声髣髴として沸かず
・花ずほふ境内彩る倶会一処
卯月某日 ・むくつけき男も笑う花の下
・花冷えの花を横目に座敷酒
・灌仏会中陰明けて香料返し
・のどかさや利他的ふるまいなるがまま
・春の雨カヤ外月旦アガリ前
・うぐいすや膝小僧にこだまして
・春の夕嬰の食欲の頼りなさ
・動けども諸行無常の花まつり
・春の時二人の稚児で家が沸く
・うたかたの名残の花に一人酔ふ
・のどけしや動物園へ児ら戻る
・呑んだくれ留守居はなびととなりきりぬ
・やは肌の木目こまかきしやまざくらかな
・足るを知り俺が俺がのだんごかな
・花吹雪神も仏も併せ呑む
卯月某日 ・秋津島雨でリストラ花辛夷
・急ぐともそぶり見せずに春を越え
・花ふぶき閉山の炭坑(やま)静かなり
・子等遊ぶ城の近道八重桜
・春の果てされど気滅入る親殺し
・いつ散るやそれもよかろうさくら人
・新天地そこはこれから花ずおう
・銀行の話題はばかる春の闇
・引かば押す押さるば引く60の春
・虫眼より鳥の眼見透す柵かすみ
・新学期気張り疲れて春の雨
・山わらふ草生すかばねしろしめす
・小倉城内堀埋む花筏
・連れそひてドリル購ふ春休み
・花いかだひとり征くには広すぎし
卯月某日 ・万緑やアクロス遠の鴻臚館
・かげろへりキヤナルシティに活気満つ
・ねばならぬことはなくても春は暮れ
・望月や指差し見つつ遠回り
・早々に当落決まる夜半の春
・海どうや淋しからずやおのれのみ
・通年に混じり洋々フレッシャ
・春投稿ヘデラコルシカ失念す
・草を取り身辺浄め咲く山ぶき
・それがしや行きたしところかげろへり
・はるがすみ備へおさおさ民主主義
・落ち椿海となり即非墓に満つ
・花びとはや酔ひびととなりうたたまどろむ
・花いかだ山を動かす力あり
・群れもせでひとりさくら見山大桜
卯月某日 ・春の暮れ通夜のっそりと墨水城
・寒戻り戸惑う通りのチュ−リップ
・壷中天烏有篆刻に風光る
・春陰や不良中年とつおいつ
・花ずほう斜めに横切る明治神宮
・花人や玄洋社墓の黙したり
・かいどうや父の筆跡展墓行
・実をとり恥をかきつつ春暮るる
・ひゃうひゃうと枝垂れやなぎの芽吹くかな
・そらのあおさくらつつみのこらかける
・春嵐立ててひとりの反省会
・春光り次は何色シャボンかな
・春宵や内の歓声外で聞く
・あふられてけふの国益山桜かな
・老鶯や生者が浴びる聞きなし
卯月某日 ・作業エレベータ小刻み震え春の風
・インタビュア春はメディアの鴻臚館
・壷中天ニヤ遺跡に黄砂舞う
・嫌み言ふ吾レにこだます春の山
・無秩序と見へれどそれがしメダカかな
・声はずむいちょう並木の新芽かな
・なに聞かむどうだんつつじのさみどり
・虚空尊ふじに誘はる無聊もん
・年来の棚卸し果たしさくらふぶく
・囀りや親密圏から遠く聞く
・花人やまだらもようにたゆたふ
・受け立つやだんまり決めてわけぎ喰ふ
・春喰らふ東筑軒のかしはめし
・ほととぎす烏有反哺の孝ならむ
・森へ入る山川草木匂ひ立つ
卯月某日 ・吾ガ事にあらずといへど酒一盃
・時盗み一番春のシカン展
・壷中天とんぼの池の初音かな
・束の間のたゆたふ弱気に揚雲雀
・別れ霜たれが悪魔か「悪魔の死」
・うすぐもりさくら葉となり弥増する
・風光る始まる前の葉のいちょう
・春深し水上バスにて折り返す
・春の日や無沙汰お返す務めかな
・春や雨どうだんつつじの葉のあおさ
・春日和わだかまり抱へて外に出づ
・新学期くったきなき声送り出す
・妄想の静寂を破るほーほっけきょう
・にんまりと初音につかる峠かな
・ひとひらの花筏には間が遠し
卯月某日 ・そこはかとアセビ匂いし美術館
・結果出し吾れをいたわるひじきかな
・猪の処女散歩せし跡光る
・つつじ咲く吾レ自身へ誉めことば
・大春日山あひに訪ぬリサイクルセンター
・長江の黄砂の知るや稲の道
・読書会、島のご縁で酔いの春
・高輪や日本庭園春の闇
・こでまりの家族が集ふ平和かな
・花見酒ぼたん一献うすくもり
・見晴らすや白き航跡夏の潮
・陽炎や古き青春とめぐりあふ
・満月やスーパ開店へ初詣で
・群れて立つぜんまひ通りの姦しや
・たどたどし声を励まし初音かな
・はやばやと朝陽浴びにて折り返す
卯月某日 ・植木市花水木といふアメリカヤマボウシ
・雲雀鳴くアニ−おばさんかすめたり
・春深更母性本能捨て切れず
・つばくらめ肩の力を抜きて翔ぶ
・春の朝千住掃部堀早歩き
・おぼろ月斜軸尖頭石器あり
・晩霞かな相すまぬふぐ最中
・突風や細工隆々待ったなし
・たどたどし先の楽しみ初音かな
・御衣黄や皆で見る時何回忌
・しゃくなげや木漏れ日の路におひたつ
・空の青境内の梅の実のつく
・靖国や風にたゆたふ花いかだ
・山笑ふ木々へあいさつ森へ入る
・あげは谷はんかい草には未だ早し
・こでまりのたわわにこぼる街道筋
卯月某日 ・山笑うパソコン題材停年後
・春の凧綱糸切れて宙に舞い
・逝く春や入り船出船また会わん
・ねぎらうや土用の昼や春
・薄霞都庁喧騒霞巷覚えず
・粛々と専門楽しむ暮れの春
・忘れ物引き取りそこまで夕の春
・連休や準備おさおさ初帰省
・午睡して散歩に備ふ夏日かな
・一族で養ふ児らや春ごとし
・受けて立つもぐら空飛ぶうずらかな
・こともなしやまもも峠にひばり聞く
・見渡せば新緑メラメラ樹海かな
・春の森風格ま見ゆコジイかな
・カヌー行く白い航跡声残し
卯月某日 ・さんざめき桜ノ宮の通り抜け
・菊作り束の間の間の閑日月
・風冷やし欅並木の新芽いま
・塞き止めし干潟いつまでムツゴロウ
・聴くほどに朧おぼろの耶馬台国
・一周忌雨もろともに桜散る
・声をあげ吾レここありとあげひばり
・滄浪の水濁りて春愁う
・風薫るタウンウォッチ西東
・したたる緑どうだんつつじつく
・芝さくら根付く気配あり水を遣り
・利己的に吾レへめぐりて春迎ふ
・アオキの実紅つややかに美少年
・てげてげの初音たよりに森へ入る
・定番にあせびたわわに匂ひ立つ
・春愁やけふも一軒店舗閉ず
卯月某日 ・人並みに妍を競うや里桜
・たおやかにてんたんとして春惜しむ
・薄春や借景芝生今一つ
・春闌くやそぞろ歩きて赤絵見る
・鳥曇いまさしせまる音信あり
・ウェルカム去る人追わずつばめ来る
・春霖やtokio出張便り聞く
・幕引きや自尊信じて春の泥
・潤ひやリバーウォークオープン穀雨どき
・ホスピスや大本堂で聞く永き日
・春の宵みちのく話しに心地酔ひ
・想を練り初音聞きつ峠越ゆ
・花いかだ下にはオタマの101ちゃん
・淡々と跡を濁さずむすかり咲く
・のどけしや妍を競ふや里ざくら
卯月某日 ・手習い後さてはて何にwindows
・春の夢吾レが代理か代理が吾レか
・春の夕パン買う列の人となり
・太宰府や今に伝える樟若葉
・20幾年結婚記念は穀雨の日
・大雨の穀雨に煙る台場かな
・穀雨の日きっといい日は曇空
・鯉のぼりダントツなくば秘花かな
・肉声や聞く耳に届く春の午
・気張らずにあるべきようはの穀雨かな
・しっぽりと夜明けまでには穀雨明け
・垣間みるしだれざくらの薄明かり
・群れもせでそれもよからふ花と酒
・つばくらめ烏有反哺の孝知らず
・春宵やラストオーダー店を閉ず
卯月某日 ・春の会あまりの円高ことばなく
・改めて若葉と出会うハウステンボス
・春回帰HB彗星尾がにじむ
・従病へ大乗るてふてふ夢うつつ
・頼まれて春の闇に人を待つ
・中閉めやまた頼まれて春の宵
・咳止まず将棋真似ぶる嬰愁ふ
・春の雨ひねもす起きたり目覚めたり
・青あらし唇に歌を自転車圏
・今川や堤の葉ざくら目に染むる
・粛々と攻めの守りの黄砂降る
・ひとりぽち切った張ったで春が過ぎ
・やり過ごすいい加減さや春の暮れ
・共感の精神親子で入学式
・緋色してつつじめらめら焔立つ
卯月某日 ・サリン、テロ、今日の息災祝して乾杯
・杯交わし能古島に夕日見る
・乱読や「鷹の奢り」で夏近し
・あやうさや幻覚おぼゆ春深し
・げんげ田や再び訪ぬ有田焼
・がん語るしたたるみどり西安寺
・暖かくなれど自転車まだ乗れず
・チャレンジド之養ふに春ごとし
・はなみずきそれがしの春伝へ聞こゆ
・児ら通ふ横断歩道の無事祈る
・通せんぼされても向かふ春疾風
・来る秋に惰眠むさぼる春の雨
・ホスピスやどこへ移りしはなみずき
・落ち椿突然変異の精神かな
・森の池たゆたふ藤の花いかだ
卯月某日 ・出む出むと異業種交流春の夜
・バギ−着き楽しむ散歩春の宵
・宵の春三峡話しに熱が入り
・錦江湾喜入にけぶる穀雨かな
・亀の鳴く何のご縁やラブコール
・咳止まずうるむ乙女の瞳かな
・安全と衛生啓く午後の春
・音を立て変わる春日に時急ぐ
・つかの間や燃焼系にしてゆきやなぎ
・掘る穴やそれがしの春往きにけり
・読書の日チャンネル争い休みとす
・春の野やあるべきようはに息をつぐ
・よく見ればこまゆみおさおさ芽を付くる
・せせらぎやあるべきやうはの響きあり
・歯を抜きて減速運転春憂ひ
卯月某日 ・春時雨かくれ場のなきどろんこ船
・海神(わたつみ)の安曇野ル−ツの島苺
・昇りきれば小雨新緑九段坂
・波風の外圧寄するフェーンかな
・活かされてぶたりと落ちぬやぶ椿
・人格のあるまま立ち枯れ花ズオウ
・通せんぼされて肴は芹のあえ
・雨の夜返す刀で己斬り
・波風の立てし朝のつつじかな
・春深し語る逝く末淡々と
・三度目の正直狙ひ春闌ける
・春光りことだまひびくたたずまい
・歩キング馬酔木の下で一息す
・利己的に歩む行く末森昏し
・顧客去り断る力あり春暮るる
卯月某日 ・春嵐無用の用のエントロピー
・ついでにとタウンウォッチみどりの日
・春の夢「チーム崇石」プロデュース
・微熱出て翌日下がる別れ霜
・咳止まずドウダンつつじ色めく
・ドライブや遠目にこぼるる野生ふじ
・苗出ずる「革命前後」の平時かな
・天が落つ春田耕すその朝
・晩節やひとりしずかの照らすかな
・留守居して歴史繙く春の午後
・春のひかり元気印が熱を持つ
・てふが舞ひはるけしけふの黄砂かな
・ハイとなり滴る緑に潤ひぬ
・トンボの池列島漂ふ花いかだ
・かはず鳴く緑地を奏でる日和かな
卯月某日 ・陰恋し新緑街をしろしめす
・危機管理遠の朝廷の緑水城
・上海や狂発晋作光る江
・お目出度の便り頂く清和の天
・将功なり吾レ埒外夏に入る
・春泥やTV観戦飲み屋込み
・夏めくや駅より臨む一の岳
・春雨やホットスポット人いきれ
・つぶやくや駆けっ句に載せて風薫る
・蜃気楼海の空港はるか見る
・子より贈り物はなみずき咲く
・春の水濁りて今朝は足洗ふ
・春風や孫の下がりのベンツ駆る
・頃やよし花はあたりをしろしめす
・二の谷やはんかい草の丈短し
卯月某日 ・効率化無用の用とせめぎあい
・春暮れて引き返せり藤原宮
・春の光古き写真に日の目見る
・夏近し昼は彼の地の味噌煮込み
・夕薄暑途中バテたる添乗員
・遠足や神々見納め動物園
・春終わる半歩退き気養ふ
・春過ぎてアンカーポイント定まらず
・突然の手足もがれし春の憂ひ
・ランチバイキング長蛇の列に後ずさり
・気負ひなく通せんぼされてよける春の泥
・春の水澄みて夕べに纓洗ふ
・つばめの子けなげに攻むる朝早し
・春雨やひときはゆかし君子蘭
・鳥唄ひぜんまい通りにぎにぎし
卯月某日 ・烏有庵贅の納めや梨の花
・春の日や駆け込み寺の微笑かな
・冷や酒や三峡メンバー反芻す
・ういろうのさくら土産に春暑し
・生ビールゴルフ舌戦加われず
・そっと入れど軒つばくらめ声ひそめ
・五月武者初見参に雨遅れ
・みどりの日母港投錨ヨーソロ
・夏めくやふりかざす正義の行き場なし
・習い事一区切りし春盡く
・備へしてそこはかとなし春の暮れ
・ぬか漬けの裾分け預かる夕べかな
・青あらし芝生公園店開く
・冗談はひげだけにしてと花は秘す
・春息吹く手狭に見えし寺境内
卯月某日 ・春霰平生往生地金出る
・年三度夫婦のタガを締めなおし
・風かおる新居にいるべき人は居ず
・みどりの日連れのお目当ておたまじゃくし
・藤まつり咳き込むみどり児置いて行く
・GWウグイス励む山田かな
・みどりの日筆跡たどる旅準備
・みどり児の見知らぬ児らとみどりの日
・両の手に花を近場でみどりの日
・こども祭り長崎街道象歩む
・さやけしや麦また麦の青さかな
・こでまりやつかず離れず様子観る
・分別を分別顔で初夏仕分け
・赫々たる春を養ふ精神なりけり
・院展や目で見て腹満つる春の宵
卯月某日 ・かげろふやアジアを探すコンテンツ
・ツツジ満開火宅の人の島の家
・しら木匂うソフトの継承式年遷宮
・行く春や旅から戻れば訃報あり
・夏の宵妻と派出所人訪ね
・エジプト展小雨しっぽり萩城下
・音信のその後を埋める四月尽
・白牡丹NPOの何できる
・紅白の牡丹こぼるる門構え
・春雨や一家見送り展墓行
・間に合うか旬のわけぎのなつかしき
・旧マシン世代交代の四月尽
・湯の旅や連休前の柿若葉
・春暑し中華の河岸の涼みかな
・親密圏我が家のサンクチュアリ藤こぼる
・道草や藤花こぼるるベンチ座す
・気がつけば前期高齢者の四月尽
・日常が非日常を越ゆ春の暮れ
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