駆けっ句365日生き急ぎ

弥生


十八尊佛図(金剛界、大日如来)

弥生某日・三月の雪、降り立つと雨となり ・江戸前は子持ち若布で旬をとり ・亀なくやいざ徘徊の月夜かな ・草木萌えルーメン地球を併せ呑む ・さり気なく旅に忍ばす春の時記(米、西海岸、シスコ、サンノゼ、ヨセミテ等吟行以下16句) ・時差の春カルチャーショックに芯うずく ・春霞波もて結へる西海岸 ・三月や子規の諦念一世紀 ・春雨や三月の校門くぐる ・ねぎぬたやひともじぐるぐるおもひだす ・三月や人驚かせる予感あり ・時はいまわけぎ座るとすすめられ ・三月や知恵熱っ児トランプす ・雨に集ふ目線は低ししだれ梅 ・志津摩碑や金辺隧道に菜の一花 ・無理をして春を装ふ非日常かな ・水底やおたまじゃくしにゃ未だ早し              弥生某日・荷づくりへ故郷しのばす鶴の菓子 ・菜の花やアンカ−ポイント西東 ・夢見月親子息災便りあり ・沈丁花あるべきようはの予感あり ・湾岸やデジタルラッシュに身を委ぬ ・春めくや1年まえの思ひ湧く ・やっとこさ段取り八分蘭枯れる ・三月や大国魂神社欅拝む ・ひな祭り還暦祝いに集ふ輪 ・法要や春は名のみのうわさから ・何かやと出入りの多し弥生かな ・惜しまれて退く前の余寒かな ・枇杷の木や倒木更新石を割る ・仮縫ひや入学式には春の色 ・頃やよし濃霧にけぶる梅見行 弥生某日・どこへやら雛なし桃の節句かな ・悠々と急ぐゴ−ルに雛は無し ・花月や日ごろ無沙汰をホームページで告げ ・花月や成果をタテにぶっちぎる ・群盲のなでるが如し春の象 ・ヨセミテや自然の奏でる饒舌さ ・エルキャプテン瞼に焼き付け春を切る ・虹の橋ブライダルロックに雲疾し ・春の夜シスコに映える木、金星 ・春風やコンピュータを着こなして ・連れ合いと一世代けやきの芽光る ・武蔵野の鷹の道跡ほたる育つ ・春雨やアーモンドの花匂ひなし ・三月や公園っ子等の声戻る ・浅き春けふのお経を送り出す ・草青む半分成人式に涙する ・大銀杏無縁仏の傘となり ・後智恵の一刀両断春の雷 ・たまさかのうぐいすまみゆ余慶あり 弥生某日・海軍壕出で見て仰ぐハイビスカス ・春風や時をさそいて友とする ・風景画たゆたう心風冷やし ・馥郁と洒脱な会話で春の夕 ・梅の花夜目にも残る香かな ・春のバレイ清一、混一、合わせ呑む ・ベイエリア押し付けがましいディグニティ ・不確かやアップル天気追い風に ・たんぽぽや遺伝子組み替えこわ話し ・児の読み方たどたどし春の雪 ・深大寺だるま市前のわさわさ ・菜の花や不登校子は内はしゃぐ ・ひなまつりいま人並みに子ら育つ ・ひな祭り兼ねて誕生祝はるる ・そこはかと惻隠の情沈丁花 ・探梅の苔むす岩の羅漢かな ・何となく旬のわけぎを奨められ ・椿一輪接ぎ木の妙の技あり 弥生某日・鉄の暴風国の津梁背負いかね ・春駆けるゴールまでに二句ひねり ・啓蟄や満を持して明日を待つ ・啓蟄や孫の童謡確かむる ・朧月自己と非自己を醸し出す ・春の日や黄金に輝く摩天楼 ・四季のないカリフォルニアに春萌える ・啓蟄や終の奉公歯をなおす ・橙の色づく考古日和かな ・開園に間がありしばし甘酒と ・戻り寒わけぎ肴に少し熱燗 ・啓蟄や吾レこちとらの穴から出づ ・冬の陣一回り後ご縁とおでん喰む ・雨上がり南洲翁間近か桜島山 ・梵鐘や掃き清めたるしだれ梅 ・目線合はせ只管打坐にて春暮るる ・梅林や今を盛りと炎立つ       弥生某日・首里城に琉球の風の香りかな ・啓蟄や人もうごめく昼休み ・春霜や天気後押し花を添え ・雪柳頼りなさそう花二弁 ・啓蟄や吾ガ身のミーム戸を啓く ・英会話おっとり刀で春を抜く ・春の朝しばし錨と想を練る ・里山やそぞろに愛す桃かすみ ・梅園や華やぎ饒舌しばし聞く ・出ては退く雨の啓蟄赤子返る ・逆縁の告別式や春の雪 ・春の雪予報ほどにはなぐさめぬ ・大南洲備へおさおさ春を待つ ・不動明王香春嶽に木霊する ・キボード早撃ちマックの早漏気味 ・霧の岡しだれの梅の滝と落つ 弥生某日・花曇り雲上夕焼け一番星 ・春惜しむボスと共にて回転ドア ・入れ込みて弥生朝刊5紙を買う ・オープン日、華をそえたる梅見時 ・知恩院一周忌の初音かな ・春眠やシスコで読み干す「バーチャルライト」 ・春嵐一言居士とあきらるる ・菜の花や水漬く遺物の新しさ ・限りある時間展望うめ見人 ・春寒やマシンびびって定まらず ・行蔵や使嗾さるとも春の雲 ・せっかちに先走りする背に春の雪 ・啓蟄や静かに深く殲滅さる ・暗黙知形式知とせめぎあふ春の潮 ・手のひらを泳がされてなまこかな ・景と借りちょっくら贅の梅見酒 弥生某日・春嵐行く手を阻む円急騰 ・春の浜ももちの宵にカーンパイ ・すっぽかされ街のこぶしにつぼみ見る ・雛人形遅ればせながら仕舞う朝 ・着地せば街は静かに春の雨 ・春の野外身近で遠い館訪ぬ ・春の霙スターバックスにて待ち合わす ・浮き沈みいつかたゆたふ落ち椿 ・回り道チューリップの日脚追ふ ・遠くより温水プール泳ぎ見る ・永き日駅の雑踏に身を任す ・引き金はありの一穴春一番 ・人文字のぐるぐる解ひて春の宵 ・春かすみけふもおぼろに角を打つ ・春の雨森へ入らずに書にふける 弥生某日・突風や春猫わめき恋あほる ・春眠や起きても覚めない余韻あり ・初雲雀耳そばだて見れば皆既日食 ・春の夜習いを過ぎて再た痛む ・ミレニアム吾ガ世の春は夢のまた夢 ・蜃気楼クリック一つでワープする ・片隅で古墳防人る藪つばき ・捨て台詞ジョークで返せぬ啓蟄かな ・北目指し群れずはぐれず鶴の行く ・掛け算の九九確かむおぼろ月 ・遠かすみ黄砂と見間違ふスギ花粉 ・だんまりと人文字ぐるぐる旬に酔ふ ・たどたどし初音にほくそえむ緑地 ・春きざしひたすら歩く森の中 ・盆栽の椿の幹の太さかな   弥生某日・春の宵朝のコートのうとましく ・寝ては起き起きては眠る春の晝 ・大観光、時代は和平凍て解くる ・駆け集む申告書類に春の雨 ・桃園の義昨日の如くミレニアム ・桃の花武家の商い抜けだせず ・ひれふりと松浦佐用姫梅香り ・幕引くややるだけやった蟷螂の斧 ・平尾台野焼き未だ寒戻り ・予報聞くさくら前線早まるか ・春暁やけふも濃ひ目の玄米茶 ・受けて立つ秘すれば花へ曙光かな ・さりげなく端のぜんまひそっと過ぐ ・山笑ふ一番風呂の陽を浴びて ・聞く耳を持たねど浴びる初音かな 弥生某日・春天草駆けるは弔う友のため ・満ちたりて春のサクセス便り出す ・凍て返るアンカーポイント想を練る ・落ち椿武士道すたる朝かな ・アメリカの歌が聞こえるミレニアム ・生き返るマンション修理で春暗し ・春の浪砂に埋もる防塁跡 ・後托す水元さくら堤かな ・遠からじかめの環境水温む ・黄砂降る街はおぼろにトリオ往く ・早退の迎へに香る沈丁花 ・行間の意味を翻く春暁 ・寒戻りらくらくケイタイ新調す ・咳止まず昇段試験外は雨 ・初音聞くならし運転の余慶かな 弥生某日・ほくそえみ一人天草春に立つ ・春やのたり玄界灘の波静か ・お水取りご神忌よりもなお旧し ・南国の訪ねる館に風冷やし ・饒舌に飽きし頃こぶし咲く ・沈丁花葦平かっぱの余滴かな ・予備役のど雁ヨタヨタ春の光 ・風冷やしあけぼの杉ののぞむのみ ・水仙やまだらに首をもたげつつ ・さっそうとキックボード駆るこぶし通り ・春光り幼日に日に緑くなる ・意気やよし攻めの唱聞く初音かな ・それがしの母港へ還る春北風 ・春浅し行き合ふ草木にあだなつけ ・春寒し名不知花の傍に見る 弥生某日・春完走、親しき友へ追記する       ・突風や甘酒で温もる梅見行 ・急ぐ道タクシー落雷菜種梅雨 ・雪柳人を頼りに共進化 ・偽善者や付かず離れず春暮るる ・梅散りし引かば押す手の気合見る ・親の鶴秘すれば花の北帰行 ・きんかんや羅漢寺縁あり玄洋社 ・堪忍や争ひあげくぼけの花 ・タイヤ替ふ歌を唇にマウンテンバイク ・春の雪スーパーはしごで駆け巡り ・息をつき次に臨むや春の雪 ・大雪や辻褄合はすガイアかな ・がまの池おたまじゃくしはまだ見えず ・春浅しさるく道端に一会あり 弥生某日・無事認めマラソン談義でまた一献 ・日本のスティーブ・ジョブや出島から ・契り結び仲良く暮らせ春の朝   ・突風はあれど難破はナシの花 ・ホワイトデイ実は本命既にいず ・文化子を引きずり連翹3分咲き ・雪柳はたから吾レ見る嫌みかな ・七五三秩父原人春かすみ ・サイネリア愛語をもらう愛語下手 ・フリーマーケット不動尊境内うめ見どき ・辛夷つく童たくましく遊具に征く ・リタイアどうだ理論のぼけの花 ・星霜や懲りない面々未だ懲りず ・つかの間の人驚かす三月の雪 ・義理果たすホワイトデイを口実に ・やまぼうし花のしこみの息吹かな ・さんざめきにぎわひ戻る春明し 弥生某日・生還にサンクス春のグルメ旅       ・春嵐刷り込みなるや卒園式 ・春の雨、場はドラマチックに華やぎし ・春の空キイを忘れて舞い戻る ・アンズ忌や参らず合わす柏の手 ・ハクモクレン行政棟に対に咲く ・日おさおさ怠りなく温くなり ・ゆきやなぎ人格ぶっつけ噴花する ・春眠や機嫌よく起つボウリングの朝 ・日高し夜桜見物始めけり ・会合のたまさか早や終へ春の月 ・望月や深く静かに爆発す ・春風や頬になびかせ峠立つ ・去る追はず来る拒まずで薹が立ち ・春浅しフトイの池に影はなし 弥生某日・春一番神湊に気もそぞろ ・妄想をかたちに変えて春の人 ・花曇りご縁をゆかり打ち上げす ・わがままにふるまういのち水温む ・春の果て床屋談義のホラが増え ・しばらくや産みの苦しみ蝶となれ ・誰彼も格闘しつつ鳥雲に ・武士道や春の嵐の評価待つ ・植木市雨の社日に始まりし ・卒業式それがしの途ひな巣立つ ・水仙咲き揃ひ人災出し抜けに ・春のたり切った張ったのソリューション ・春一夜闘志静かにたぎるかな ・ノグルミやけふの一会へ愛語かな ・日日とこぶし膨らむ空青し 弥生某日・円高の春、内需拡大時間買う ・志士孤独たぎる闘志や春朧 ・春寒し木魚響く通夜の堂 ・佐保姫の夢をば託すNPO ・涅槃西風書物で旅する旅のあと ・インサイダートレードまがひの彼岸入り ・確かむる下萌え21世紀発酵す ・ぼんやりと後に伝ふ白木蓮 ・さんしゅゆや流れに逆らふ道に咲く ・春の雨それなりに落ち着けり ・春一番マシントラブル吹き荒れる ・おつかいの列の後つくこぶしかな ・春宵や長き馬齢のよぎるかな   ・口ずさむ早春賦を歩く禅 ・死と生と背中合わせの沈香かな 弥生某日・大島のニイナ冷たきヒジキ干し ・飛び込みのマジックメディア蕾付く ・火葬待つ外は盛りの雪柳 ・使嗾(しそう)する「トトロ」観ようと日永かな ・口火きる懇話会や春時雨 ・百年後夢みた孫文春深し ・人文字のぐるぐるまたチョイ一杯 ・構想をためて力にぼけの花 ・昼の春三々五々と公園は ・展墓行息子の払ふ埃かな ・彼岸入り風の寒さをパトロール ・渡し船春の憂いを渡しけり ・武士道の風上おけぬ黄砂降る ・惜しまれつつぼみのままで卒業す ・日のあたる場よりほころぶこぶしかな 弥生某日・はるばると法隆寺のたたずまい観世音寺の移りこしきか(術後旅3,以下10句) ・敷島の大和のくにのまほろばは甘木、大宰、甘橿の丘 ・春の日や駆け込み寺の微笑かな ・春暮れて引き返せりし藤原宮 ・月ケ瀬の梅をイメージ駅通過 ・しら木匂ふソフトの継承式年遷宮 ・春三月吾レも神領民の憶えかな ・年三度夫婦のタガを締め直し(二見浦) ・春急ぐ神宮御札一期一会 ・行く春や旅から戻れば訃報あり ・展望のわずかに見えず緑買ふ ・彼岸入りいのちのたびを一巡り ・よかれとも思へば悪しき春の夢 ・ひねもすや電源断てぬ愁ひあり ・親密圏出入りの多き彼岸入る ・粛粛と腹六分目の春を往く   ・きめ細かし肌で憶ゆるヒサカキの幹 ・彼岸入りホッケキョウの聞きなしや 弥生某日・雪柳薄き化粧に島の光 ・春山陰吾ガ家のお経展墓行 ・バスを待つ束の間を慰む水仙花 ・裁量し後は見えきる水仙花 ・返信や伺い付ける花一句 ・蒋おもふ連翹つぼみ膨らむ朝 ・春夜泣き母の代わりの役能わず ・さくら墓所神明鳥居の奥にあり ・一年生それがし春の憂いあり ・れんぎょうやあるべきようは示しけり ・彼岸の日なひで家族の固まれり ・吾レのため虚実皮膜の憂ひあり ・解きほぐしそして紡ぎし憂ひかな ・水温む番の鴨の水入らず ・せせらぎに経を読ませる春の空       弥生某日・春眠のむさぼり破る毒のガス ・翼からももちの浜は春霞み ・「菊枕」不遇を聞かさる彼岸の日 ・鬼の首とられた気分で春は暮れ ・彼岸入り思い出で聞くコニー・フランシス ・彼岸中天気晴朗なれど浪高し ・白木蓮チャリで汗ばむ展墓行 ・細川のゆかり公園こぶし開く ・春の時差地球大で駆けめぐる ・春分や幼き児らに別れあり ・災害もシンクロするか彼岸明け ・ひとりぽち寂しくはなし連翹咲く ・卒業式風邪にて留守居頼まれし ・今年また土の匂ひや森の中 ・馬酔木咲く森の小径のほの白し 弥生某日・彼岸には共に参りし亡母彼岸 ・競い合いラッパ水仙まだら咲き ・晩春やイルカ見えるか揚子江 ・背にスイトピー展墓の行の風冷やし ・連れ添へば連翹浅し公園 ・春浅し一将功成る落下の歌 ・夕暮れや木蓮仰ぐ勤め人 ・薫風やいまはたれかれ薬医門 ・彼岸日や讃佛偈和し孫笑ふ ・春の雨鴻鵠の志を越ゆ ・情報や退避を急ぐ春の夜 ・春かすみ親密圏の層厚し ・朝刊はうわの空の花日かな ・れんぎょうの浅き花見の墓参かな ・早咲きの万作の花を目で聞く 弥生某日・親離れ子離れよりも野蒜かな ・春の夢構想力のアナロジ− ・花冷えに桜前線たたら踏み ・寒戻り次発装填間に合わず ・野暮天の弥生吟行西流れ ・初わけぎ大陸浪人夢を追う ・「陸軍」や支那大陸の麦畑 ・ひとりしずか回転寿司のさくらかな ・ひねもすやしばふひろばの萌へるかな ・和平なり一時温泉彼岸明く ・offにする勇気今度や春の雨 ・春寒し針の一穴天が落つ ・忙即閑しのばす缶酒至福どき ・おいてきぼり後は楽しみ日脚伸ぶ ・芽吹きの季聞きなしの声ありがたし 弥生某日・辛夷咲く白き季節の回り道 ・道なりにけふで見納めこぶし咲く ・あおり食い生き急ぐ策で彼岸明け ・た走しりて自発をあおる雪柳 ・菜の花や25時までたどり着く ・春嵐スリーチャイナより吹いてくる ・雪柳風疹熱の未だ下がらず ・春かすみ戸越銀座路長し ・れんぎょうや終業式にすべりこむ ・ニ人静か温泉行(ぎょう)を共にする ・ごぼがばとたぎる火口や春の空 ・湯の花や精神ゆだねる露天かな ・春の雨我慢重ねて吉とならず ・春光りむくつけき話し一服し ・花日和腰のもつれし山女かな ・彼岸過ぎ此岸のしがらみ越へられず ・うぐいすの目で聴くときの至福かな 弥生某日・花冷えや桜咲く前サクラチル ・サクラチル甥へはげましメ−ル信 ・花あんず弔問写真歳をとり ・生命運尽きさうで尽きぬ花の雨 ・花冷えや西洋とば口こと始め ・バス待つや野焼きの煙新しく ・春の地震ドラエモンのあとに知り ・卒園の躍る声あり芝離宮 ・幾星霜はなびら散れどはな散らじ ・たんぽぽの傍によりさう土筆かな ・おかへしのおかへしや宵の春 ・ネオダマや渡船は明るい春の潮 ・守静坊しだれは未だ人語なし ・退くは芽吹きと共に群れもせで ・耳で見る法法華経の声音かな 弥生某日・チューリップ三寒四温に戸惑いて ・梅クラゲ歯ごたえコリコ口一杯 ・楽しみな顔予感あり春異動 ・キリン首床屋談義の春の宵 ・揚雲雀立場ものいひ会おどる ・花冷えやひなたぽっこりすわり読む ・連翹の輝く土手となりにけり ・品川のベースキャンプ花曇り ・いさかひし藪つばきゆめと落つ ・一年の仕上げおさおさ花曇り ・それがしのさくら気配を感ぜられず ・少年兵さくら道づれ死地へ逝く ・花人や句碑を訪ねて九十九折れ ・風強し沈丁花の匂ひなし ・心眼を花目に振り替へうつろ聞く 弥生某日・春の夢一日一生偏正回互 ・式典日今朝の勤めの灯をともす ・菜の花や主なしとて相似たり ・口ごもる機械やいつか花開く ・沈丁花匂い初め頃出船かな ・動物園こぶし並木を車駆る ・一仕事ソメイヨシノに誘わるる ・春休み待つ待つ待つのD-ランド ・とつおいつよせてはかへる春の浪 ・しずしずと進む勇気や春の海 ・春霖や人情落語にしんみりす ・海棠や花の品格さりげなく ・ひんやりと碧いろ深し蛇渕の滝 ・春の宵緻密な寄せにダメを打つ ・花冷えやなじみの珈琲店舗閉ず 弥生某日・想を練る島へ渡船の波光る ・満を持し悠々急ぐ春日長  ・求むるは得意なものさし春の夢 ・サクラサク脱皮後押すボランティア ・春愁やけふのおとずれなしつぶて ・報せありあわただしくは春の愁 ・宵の春おませになりて猫戻る ・春雨や大観覧車からの摩天楼 ・お札納めさくら八分の余慶かな ・やんぬるかな出たとこ勝負の風光る ・あるはずのあるべきところぼけの花 ・学徒兵陰画に写る桜花かな ・永き日や雅語ゆかしき英彦の山 ・歩キング時を殺して落ち椿 ・うめさくら間取り持つぼけのはな 弥生某日・道なりに歴史を訪ぬ春筑紫       ・春眠や目覚めて知れりパブリシティ ・種蒔きて双葉芳しホームページ ・花時の二人になりぬ院帰り ・新調の傘を開け閉め園準備 ・風きいろきいろ菜の花遠賀川 ・予備役の気安さ生かす鳥くもり ・花ずおう旅の途中の喘息かな ・ぶっちぎりかぶる悠々春の泥 ・花見酒山芋掘りて飲みなほす ・旬喰らふ座る目当ての肴かな ・花未だ春のこころはゆるゆると ・春の夕萱葺きの家見収む ・竹炭の筒へ一輪藪椿 ・おたまじゃくしフトイの池に影揺るる 弥生某日・沈まない太陽悲し春の夢 ・伝道師ためしてみっか三分咲き ・春の夜支那の写真の父近し ・おたまじゃくし緑地を覗く進化かな ・紡ぎだす一日ひと日花曇 ・こぶし咲く玄洋社のゆめたどる ・帰りには徒歩にて遠目花かすみ ・春熱や次へと楽しみ涙ぐむ ・夏そなへいのち待たるる模様かへ ・一あくび追ひたてらるる年度末 ・かねてより遅き鼻水さくらかな ・花冷えや突っ込む兵の口惜しや ・白炭の昔桜の壺中天 ・靴洗ふせせらぎの水温む 弥生某日・文明の入り口瞑し春うらら ・春うらら借景頂くお大尽 ・はんなりと三代続く花ずおう ・花人や「猫バス」に相乗りし ・落ちてなほ振り返らじ薮椿 ・チューリップ三つ連なり宋姉妹 ・新卒やけやきの芽吹く過呼吸 ・春愁いワンルームマンション空洞化 ・せがまれし渡りに舟の花見かな ・隆々と細工はごろうじろ春おぼろ ・こぶし通りローラ靴と手を組んで ・無念かな生きいそぎし散るさくら ・雪やなぎ発散し過ぎて三月尽 ・春かすみ兵の墓処脇に廃家あり 弥生某日・駆けっ句も涸れっ句そろそろ三月尽 ・大任の過ぐるや早し三月尽 ・三峡へ花見をせむとや三月尽(海外初吟行) ・上海や空は朧に地平線 ・降り立てば春風冷やし虹ノ橋 ・春宵や武漢ガイドの饒舌さ ・したたかに運者が残る三月尽 ・噂すればほんに軒先初音かな ・山笑うそれもよかろうよしなにす ・花冷えや金魚購う午後 ・春雨や徒歩通勤のゆとりかな ・風邪気味や熱燗喰らひ床早に ・けふ一日ベスト重ね着ウイークデイ ・花ふぶき直きた走る西湖の堤 ・こしゃくにも色づく梅の実ほんのりと ・はなぐもりうだつの上がる小江戸かな ・さくら人板碑と出会う武蔵国 ・三月尽マシンの寿命気にかかる ・目次見て読んだ気になる春の酔ひ ・一夜おき花の行く末確かむる ・桜雨ひねもす寝たり寝たりかな ・うぐいすに経を読ませるのどかかな


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