駆けっ句365日生き急ぎ
霜月

十八尊佛図(地蔵菩薩)
霜月某日・冬支度苫の駅舎に吊り大根
・神楽月、銀杏の実むせ返る
・霜月やカランコエの枯れ葉抜く
・おぼろげにびびんこ指さす十三夜
・自重して早めに退散十一月
・人走る薬石効無く秋の雨
・恐る恐る新しサービス霜の月
・ご機嫌の発表会や鶴来たる
・十一月や彼の人按配いかばかり
・霜月我的定点観測 in China
・秋天や錦織り成す地表かな
・とりこし苦大陸の秋に身を任す
・暗き闇火星の近し十一月
・水遣りや時を追っ駆け11月
・一杯の緑茶を喫す自尊の秋
・狂ひしも狂はぬ士道冬そなへ
・ぶっちぎる鎧袖一触十四夜
霜月某日・読書の秋マルチメディアでワ−プする
・秋一歩、孫は地球を踏みしめる
・秋麗ら律義な口上若者来
・群れないで消え去るのみや樫拾い
・霜月や長江と親しむ稲の道
・ビハーラのお話し頼む十一月
・逆さ見る予備の気安さ冬支度
・坐す三代木枯らし一号吹き抜ける
・城祭り菊盆栽展中天のあり
・天安門均しからざるを愁ふ秋
・かちがらす紫禁城をはすかいに
・マンマンデー行けど長城秋の色
・麓より八達嶺の暮色かな
・夜寒さや外の患ひを解きほぐす
・知のひとやしゃべりすぎずに秋の空
・首すくめそぞろ寒しき朝帰り
・馬齢重ねだましだまされ秋暮るる
・十一月やはや電飾灯のともるかな
霜月某日・イカ天干秋の日差しにゆ−らゆら
・文化の日シャコサボテンにピンク付き
・富有柿を車で頂く文化の日
・文化の日老いの子育て願書取り
・初めての小さき傑作文化祭
・友よりの報せ厳しき文化の日
・年長の仕上げは雨の文化祭
・起業祭らしく冬空街賑わふ
・こおろぎや術後10年がんを読む
・太極拳思ひ思ひの秋思ふ
・井真成ふりさけ見れば上弦の月
・清濁を併せ呑みこむ食欲の秋
・朝寒や内なる憂ひと歩きけり
・おとこなへし血の一滴を髭で飲む
・病床でやり過ごす力養ふ秋日永
・ひたむきにええかげんさを突っ込む秋
・目のうろこ取れるまでの仮寝かな
霜月某日・秋の潮呼子の大橋くぐり抜く
・パソコンを通し親子の霜見月
・残る虫おっとどっこい残る虫
・山茶や忘れし頃の便り来る
・蓄生や紀元杉に冬日射す
・三世代焼き肉つつく冬隣り
・敵機来襲いつか歩みの小夜時雨
・リズム乱るおむつ戻りの文化の日
・黄落や二世代で見る発表会
・霧深し朝の息吹の活き活きと
・鴻臚館ゆかりの土地は霧の中
・西の方みなぎる秋気チャージする
・今朝の秋お経さやかに出かけたり
・ぬくめ酒葷くさき罰を受く
・対策は縦に横糸秋夜長
・秋の夕アイドリングして道急ぐ
・かぐわしき森の小径の秋の風
霜月某日・空は澄み孵化を啄叩鳥の親
・冬近し手柄話しのトークショウ
・明日を見てけふは控えめ冬隣
・なぐさみや木枯らし一号かち合わす
・冬来る一つ確かな年を取る
・冬めくや三十世紀の山と谷
・冗長な長老の智慧氷雨なる
・小春日和散歩がてらはバスに乗り
・秋の夜一人寝リズムかみ合ひし
・秋闌し訪へば訪ふほど直きなる
・別れあり仏さがしの旅の秋
・湯豆腐の旬ころとなりけふもあり
・「陸軍」の標し残して石蕗の花
・起業祭往時渺茫一人の参加
・さくさくと初ものいただき秋こなす
・たたずめばまだらに残るつり舟草
霜月某日・Win95 を試してみんと秋麗ら
・前日の雨上がりてそぞろ寒
・秋高し朱鮮やかに天満宮
・秋惜しむ「アップル」効果あまりあり
・冬木立それ荒廃のクロニカル
・裏道の足の山茶花つぼみ持つ
・手柄置いてきぼり木枯らし1号
・無為の日や企てはるか柿食らふ
・がんで逝くばかりではなし返り花
・兵馬桶徐福の秋や蘇える
・偶然のなせる萃点秋寂びて
・指折りて亡き人祈る森の秋
・五分粥や一汁一菜いとほしい
・行間を読みすぎ悠々秋損なふ
・壺中より天下の秋を垣間見る
霜月某日・院展や光と影のマルチメディア
・穏やかなスーパテューズデイ秋陽射し
・お迎えや中国要人冬立つ日
・つわぶきやもてなし心庭に満つ
・錦秋やパレードの顔照り返し
・立冬や一つ一人のiモード
・冬立つ朝紫川はぜ爆ぜる
・売り言葉ぐっとこらえず冬立つ日
・北国の雪便り聞く暖かさかな
・うなされて助けを求む立冬かな
・秩序ある混沌見えず祈る秋
・谷の脇つりふねそうのいとほしい
・院出れば金木犀の香り浴び
・立冬やこも巻き松の支度かな
・ところ得て老鶯の鳴く秋日和
霜月某日・お前もか訃報突然秋の暮れ
・雲海を下に見、立山冬支度
・みどり児や秋陽落つまで駆け巡る
・菊日和呼ばれるままに逆帰り
・立冬や挙式の前の暖かさ
・ギガビット何に役立つ一時雨
・短日や人のことより年とりぬ
・更年期仕切り直しの神の旅
・ひとくさり一昔前の秋語る
・学園祭つわぶきの花足許に
・冬立つ日山は黄砂でおぼろかな
・立冬やかつて来た道頭隠す
・水を汲む日常へ戻れり攻むる秋
・歩キング縛りはあらず秋の空
・立冬の朝のぬくもりを刷り込む
霜月某日・冠は辺りに捨てて生きめやも策が外なら力は内なり
・立冬や若き出船の嵐丸
・霧昇り黒瓦の村冬支度
・秋深し路傍の観音色香る
・立冬や自分探しの「大変記」
・カップルのさざんかつぼみ色こぼれ
・十五夜やスーパーチューヅデイ未だ延び
・城内や松に力こもを巻く
・行蔵や初冠雪の便りあり
・ありがたき勤めはけさの落葉掃き
・冬めくや朝刊買ひに想を練る
・離れても知らず気になる冬を待つ
・秋の暮れ目あき目くらへ暦聞き
・吾レのため秘すれば華の菊つくり
・起業祭年々歳々つはぶきの花
・マスクして流行畏るる冬備へ
霜月某日・突然の文化の秋を肩代わり
・雪吊りの綱の白さや冬支度
・アゴを期にどっと吐き出すダイヤメ
・冬構え男勝りの伝道師
・駆け抜けし車や後の葉を払う
・夜食やまだ固き柿皮を剥く
・冬の夜三人黙して封書貼り
・黄落や無沙汰代わりにがん語る
・秋寂びやポインセチアのにぎにぎし
・冬近し内なる声に耳を貸す
・ぶっちぎり愛智にすがる暮れの秋
・卑しより一人ぽっちの今朝の冬
・帰り道メメント・モリの14夜
・錦織るさくら葉けやきすずかけの葉
・喧騒のここまで届かぬ池の秋
霜月某日・熱癇や赤のなまこの歯ごたえよ
・無理をして一期一会と秋駆ける
・秋の呉「大和」を吊りしクレーンかな
・けふよりかこんにちは初ナマコ
・コラン展銀杏ハゼ゙を踏みながら
・けさの旅北谷沖縄秋暑し
・駅弁や居ながらほおばる北の幸
・朝駆ける落ち葉吹雪にまた遅刻
・秋深き歴史を語る老師かな
・民主主義時の要する秋の暮れ
・よからうと未だ梟飛び立てず
・秋雨や株分けあじさい潤ふ
・馬肥ゆる筍めしの六分かな
・ばら園や非日常のアンサンブルアルコホール
・ばら園やハーモニカに酔ふ秋暑し
霜月某日・変革や悠々として急ぐ秋の暮れミネルヴァの梟維新の狂生
・今年また松前漬けで冬来たる
・ダムに沈む三峡下り霧時雨
・所望せし牡蠣には早し安芸の暮れ
・露寒や連日届く訃報かな
・花屋いまポインセチア溢れかえ
・サーフィンの波は虚ろな二日酔い
・それがしの道へ羽ばたく冬
・十一月リズムに乗れず時を待つ
・秋雨や見送り迎への役目あり
・山眠る山から巨きしねずみかな
・諍ひをするほどのことなし小菊咲く
・突風や木枯らし1号しるしかな
・病み上がり森へ祝儀のコスモス乱る
・四季ばらの香りにひたるもみじ狩り
霜月某日・野仏の紅葉受けて冬準備
・吾ガお教今度( こたび) 骨折いらち冬
・積ん読をホテルでむさぼる秋夜長
・貰い湯や湯冷めもらいゆそぞろ寒
・同窓や30年振りの小春かな
・有り難し酢がき今年もおつきあひ
・ブーゲンビリア旅の途中の繕へり
・冬紅葉吾レ関せずといま見えず
・冬ざれや景気はずれの黄砂降る
・苗を植えあちらこちらで春を待つ
・暮れの秋業売俳句ひとりぽち
・秋月や秘すれば花の晴れ舞台
・秋の宵一族一統水入らず
・街にこもる行者のやうに冬に入る
・常夏やオオゴマダラの乱れ飛ぶ
霜月某日・鴨もまた水源目減り見間違い
・夜業終え久方ぶりの星を見る
・悠々と時間展望実る秋
・ワサモンや電子取引試す秋
・七五三親子三代車まで
・死を語る外は明るい冬日和
・赤トンボ風車の風にあふられり
・アカシアや未だ見ぬ大連冬近し
・帰り花流れに逆らひ群もせで
・山茶花やけふのお経無事にあげ
・そぞろ寒月夜ばかりの夜ならず
・秋陽落つ大刀洗にてしばし謝す
・湯豆腐や仕掛け話し盛り上がらず
・懲りもせず次を企む冬隣り
・ぶっちぎる秋急ぐ夕に十五夜
霜月某日・新技術を新技術で説く冬の会
・唐突に冬眠の寛解カマもたげ
・七五三孫にも衣装見いる孫
・樹黄ばむ既に子離れ一人発つ
・けふを終え一人ぬくもる初時雨
・幻や摩文仁の丘の白い浪
・ゲリマンダーなにをシンクロ七五三
・七五三文明の利器立ち上がらず
・濡れ落ち葉発酵微生物でよみがえる
・玄米茶少し濃いめに冬の朝
・冬あけぼのマシン立ち上がらずゆめで覚む
・剪定やはやばや備ふお正月
・もず鳴くや闘いはいまこれからと
・レッドテールキャットのひげには負ける秋悠々
霜月某日・秋夜長つまされし読む旅の宿
・暮れていく一入ごとに冬隣る
・赤帽子あつらえ野仏冬支度
・羨道やイロハ紅葉の錦踏む
・赫赫たる秋陽浴びたる棺の中
・落ち葉踏む神籠石の幾星霜
・柿林くぐって進む古墳道
・湯豆腐や熱いのストーン評価終う
・ワルならば「全面支配」鷹奢り
・ガマ出ればあとは眩しい秋の海
・差し向かいなべの出汁あったまり
・小春日や猫の手連れて世話人会
・バーチャルに所を得て咲く石蕗の花
・冬めくやく誤り質さる掲示板
・秋月の土産暖む葛湯飲む
・特攻の秋血の一滴飲み干す
・ひだまりや蛇の駆けこむつはぶきの花
・ケーブルカーはるかかなたは秋の澄む
霜月某日・再発? 体調不良の秋の暮れ
・今年又北の便りの林檎供ふ
・櫨街道行くつく果ては茜空
・寒波来るモミジ饅頭左手に
・冬準備伊那谷は吊るし柿
・駆ける人大会近し秋曇り
・当番や霜月さくらの来館者
・鴨来るお手玉の縁で家笑ふ
・じゃじゃ馬を受けて結はへる冬木立
・拙速の心配りやさざんか咲く
・待つ合間望月雲間に冬めける
・櫨の木や森の精霊と会ひにけり
・つらつらと時を殺して沈思秋
・ウォークラリー目覚めたときには小夜時雨
霜月某日・辛さにも上には上ある夜寒かな
・はやばやと年越すつもり年賀状
・家揺るるマイクマドンナ冬の夜
・シャコサボテン無償のつぼみ手持ちする
・寒月や勘太郎の見た夜明かり
・小雪近しされど空港夏の雲
・石蕗や埴輪の守る古墳かな
・借景や亀雄大に山を泳ぐ
・パソコンを介して通ふ小春かな
・粛々と身辺清め冬来たる
・曼荼羅やけふ生かされており神無月
・やらせではなく一番に手を上げる秋の午後
・秋天や森より授かる免疫素
・秋日和ロックワラビと睦まじる
霜月某日・焦るほど術中はまる秋の蜘蛛
・秋一夜都の中の薩摩汁
・華やぎし客待つ玄関シクラメン
・初チョッキ会議の重さ胴に締め
・冬走る仙丈ケ岳のご来光
・高遠や絵島生島の霜を踏む
・振り返る中央アルプス嶺の雪
・信州や連山正しく冬に入り
・旅で知る季(とき)のうつろひ歴史観
・てんたんと舟形線刻菊の花
・手を引いて二人で通ふ石蕗の花
・街灯のありがたさ染む冬の暮れ
・暮れ早しテクノフェアに目玉なし
・短日や行橋あたりで暗くなり
・黄落や消防訓練雨に合はず
・初霜や踏まば森の霊気揺れ
・紅葉狩りアロワナの銀色光る
霜月某日・秋深し恐る恐るの遠出かな(術後旅2,以下9句)
・もぐもぐと秋こもごもの面河渓
・司牡丹ここも人生青山文庫
・けぶる秋雨逆巻く黒潮桂浜
・龍馬には浪もて結える秋つしま
・祖谷渓も大八伝説秋霧の中
・金陵の熱燗飲めて冬近し
・ねばならぬことよりそれもよかろうとよしなに過ごす滄浪の水
・復元の自信ついたり金刀羅の秋
・適当の気分浸れり小春かな
・復活の自信つけたる秋講演
・冬近し、混沌、秩序とせめぎあう
・風格をはや漂わすシクラメン
・弓張岳全山紅葉今まだら
・冬隣り余力残して旅終へる
・かささぎや竪穴住居をはすかいに
・望月や便り投函冴ゆる道
・新名所はや電照灯の年準備
・初冬やあらぬ考えめぐらす行間
・児離ちけやき紅づく日向ぼこ
・落ち葉踏みウォークラリー雨の中
・畏るおそれだましだまさる冬暮るる
・せきれいや禁漁区辺りの小春かな
霜月某日・フツフツと闘志もたげる秋の空
・秋の雷寛解とたんに氷解す
・秩序ある混沌究む科学週
・一隅や黄金に照らすいちじくの葉
・舟釣や九十九島よりご来光
・リール急くあたり確かな小春海
・霜踏みしまだら模様のけやき過ぐ
・人訪ぬたたずまい知る暮れの秋
・頂いた顔思ひつつ銀杏割る
・初物やあれやこれやと御しょうばん
・朝刊や紙背を徹す小雪ころ
・小春日や吾レに紡ぎし至福どき
・湯豆腐や素養ありしの緊張感
・欲を絶ち食欲の秋は知識欲
・つるべ落し夕刻前には帰り着き
霜月某日・桜紅葉夕日に映えて小雪かな
・しみじみとさしむかう小雪の日
・ほとばしるシャワー初風呂小雪の日
・こあら眠る横浜想ふ小雪かな
・小雪の日旅の疲れどっと込む
・秋田よりリンゴの届く小雪かな
・手術の日陽気見まがう小雪
・名を遂げた人より挨拶小雪の日
・ぬくぬくと昼寝相応小雪ころ
・つわぶきや花に埋まる動物園
・かくうちや立てばふぐ皮奨められ
・雪便り一夜あたため行動す
・敷島の北風一号便りあり
・冬涸れやかつて貯水池めだかの池
霜月某日・秋高し同行五人展墓行く
・悠々と落ち葉踏みしめ急ぐ朝
・いなくともうわさにのぼる秋の夜
・冬の蚊や瞼腫るほど弱者刺し
・寒空や兄姉横目に軒遊び
・資格光る母のチャレンジ年準備
・冬日向補助輪外し勇気漕ぐ
・フワフワで夜来の咳止む小春
・大日向二度目子育て山に射す
・考へを動きに映す寒の鯉
・静観すくろがねもちの実の確か
・小雪や時を頼みて祈りある
・小雪や内へこもりてはかばかし
・街中やけやき並木の紅葉狩り
・止揚した給水塔跡や冬の空
霜月某日・世紀末リ−ディングユ−ザたらん帰り花
・黄葉のけやき並木を花道に
・つんざきし二声朝にモズを聞く
・あわただしく薬取り寄す冬準備
・年用意冠婚葬祭待ったなし
・待ち合わせ時間間があり冬ぬくし
・短日や無料観覧車はしごする
・もず放つ野鳥秋天標し付け
・始むるや段取りそぞろ年賀状
・のき遊びひねもす付き合ふ小春かな
・いやしくも寸暇惜しんで感謝祭
・冬の朝入れ込む息や茶一服
・温暖の地球列島冬支度
・冬陽射し関門大橋見え隠れ
霜月某日・大釈迦や銀杏黄葉に日が当たる
・駆けながらもてなし心秋暮れる
・夕闇や寒さに赤らむシャコサボテン
・鴨鍋や携帯電話せわしなく
・駆けつける励ます会へ街の冬
・観覧車背中に光る冬の海
・なべつつく隣りも二世代家族連れ
・落葉積もる手持ち無沙汰の不安かな
・暮れ隣時持ち喧嘩せず至福かな
・満を持し受験子になる小春日
・悠々と攻むる気働き冬ぬくし
・山茶花や備へおさおさ間に合はず
・かめ鈍く水槽水替へ冬支度
・労わりつそぞろに歩く冬山路
霜月某日・笑われて叩かれて霜の月
・新聞を刷り込み今朝の冷まじき
・冬の日やお昼誘いの声かかる
・冬めくや幽明境を異にする
・日帰りに下着重ねる雪もよひ
・これからの緩和ケアに暮れ早し
・これからはなにをなりわい冬準備
・一人して学校嫌いのしぐれかな
・冬眠のかめ引越しのうつつかな
・ひとり旅付添い誤つ冬の暮れ
・ためにするあげあしとらる冬の夜
・せきれいや街の中にて相見え
・急ぐともそれもよからう出湯行
・朝霜やしとどになりてベンチ濡る
霜月某日・一人往き一人来たるや十一月
・屠蘇気分耶馬台国のロマン盛る
・日向ぼこ猫もお陰のエルニーニョ
・逝くものや生けるを走らす虎落笛
・初冬や自問自答のNPO
・試験前即決即答冬準備
・冬隣り薄きご縁の回り道
・悠々と急ぐ日々冬構へ
・大家族それがしの冬備へけり
・彼の人ら水を汲む知る三の酉
・深夜便聞きつ瞼に冬の雷
・氷雨降る楽観悲観こもごもに
・ほくそへみ自尊乾杯冬備へ
・念入りに暖む風呂のひびかかと
霜月某日・冬近し清濁併せ飲む革新
・澄む秋や一つ飛ばせり熱気球
・冬耕や彼の地厳冬万羽鶴
・里帰りついでにこれも冬浅し
・年準備クレーン車にて電飾樹
・朋回忌背中押されしやや小春
・彼のひとより喪中挨拶暮れ近し
・ポインセチア屈託なしの赤さかな
・勝つ負けるそれもよからう木守柿
・冬ごもり時の見積り誤てり
・冬の朝仕上げおさおさ入れ込みぬ
・寒き朝失はれし年苦にならず
・厳かにイルミネーション冬の空
・連れと往く仏のふるさと冬備ふ
霜月某日・鯱揺れるみやび勇し秋祭り
・正月の仕掛けつくりやエージェント
・山茶花や枯れ葉に積もる雪模様
・薄目あけいとまごいする小春かな
・師走前欠礼知らせはやくなり
・降る落ち葉掃く人早し公園
・冷まじや目線見下ろす知らずうち
・鍋つつく主なしとて大家族
・物語る皆で演しもの落ち葉掃く
・冬備へポケット一つおニュウかな
・ねばならぬほどなき空や冬薔薇
・冬ざくら秘すれば花を負け惜しむ
・冬紅葉街は静かにたたずみぬ
・山茶花や表と裏に白と赤
霜月某日・曳山(やま)走り踊る呼子の活きづくり
・束の間の株券手にした十一月尽
・マンダラの雄山へ急ぐ秋の午後
・生かされし駆けっ句今日で十一月尽
・ドングリや待つ児に決めたロハ土産
・十一月尽汗ばむ地球の前途暮れ
・雨けぶる露天嬉野の十一月尽
・草枯れや昔の土地をそぞろ行く
・立ち直る時癒す冬の夜
・師走前けつまずきそう人走る
・ぬくぬくとあそびの世界うたた寝す
・顔が見え等身大の霜月尽
・淡々と肩力抜く霜月尽
・諍ひと折り合ひつけし冬安居
・また一献カクウチ打てど想まとまらず
・初冬や幾度挑むか時伴に
駆けっ句365日生き急ぎホームへ
