駆けっ句365日生き急ぎ
神無月

十八尊佛図(観音菩薩)
神無月某日・古寺巡り似合う野に置け蔓珠沙華
・前線過ぎ銀杏実落つ時雨月
・陽月や命誕生一人逝く
・神無月クロガネモチの赤みさし
・秋澄むや出船入り船かやの外
・神無月緊急避難や闇の夜
・おっとっとと六方踏む空に四日月
・あかあかと思いがけず名月かな
・十月や退きしより過ぎし幾日
・10月や時は悠々喧嘩せず
・嵐過ぎ何もないかの芙蓉かな
・屈原や滄浪の水澄む十月かな
・秋の陽や早鞆の瀬を艇縦列に
・10月や秋津洲の浪静か
・秋澄むや当たり前に生くるる不思議
・畦道の傍もてゆへる万寿沙華
神無月某日・狗尾草街の真ん中田舎道
・たたずまいここが常宿走馬燈
・パソコンのいきなり火断たるる秋の夜
・はらからと生還喜ぶ天高し
・通じあり明けてケロリと秋の空
・秋の雨豆腐づくしでまた一献
・予備役の遠回りして見える白い秋
・腰据へて臨めるボランティア衣替え
・命日やお昼勤行いま秋天
・さりげなく肩肘張らず月変はる
・爽籟や児らも加はり草を抜く
・すれ違ふ帽振る艇や秋の潮
・曼珠沙華高台より見はるかす
・虫の音や遠回りして聞きすごす
・秋暑しお先を譲るダムの道
神無月某日・ゆくるりとポテト散歩に椎拾う
・水の秋清濁合わせ飲む勇気
・秋の闇耶馬台国に葬られ
・秋の宵家族と繰り出すぬくみかな
・秋深し立ち上がれずは己かな
・秋光や出船入り船人繁し
・ママ恋し泣き寝入りせし秋の夜
・一世代総括せし金木犀香る
・大漁旗掲げ見送るみあれ祭
・神無月未だ娑婆っけ抜けきらず
・おさおさと親密圏より秋攻むる
・秋うらら30ノットの波まぶし
・引かば押し押さるば下がる秋急ぐ
・川べりの薪能に秋の風
・新涼やトビは空より仕舞かな
・能舞台トビは空から只見かな
・楽しみは天気頼みの明日の名月
神無月某日・新米や箸はリテラシ−目で食べる
・旅の秋かつてつけあげバラで買い
・蚯蚓鳴くロングバローの石の室
・秋の昼カクウチ一杯フグの皮
・思へどもけふと思はず秋の暮れ
・秋澄むや老いの冷や水目当て持ち
・長き夜やふと安全に目覚める
・児ら同士鸚鵡返しの秋の天
・秋気澄む松ぽっくりの古街道
・10月やアゲインストにあへて立つ
・秋澄むや割り切れなさを朋として
・遠目より百舌の高鳴きにらみつく
・あきもせずけふもこまめに角を打つ
・色を付け紫式部の珠光る
・望月やそれもよかろふF1の鈴鹿
神無月某日・挑戦をしかける若さ秋の雨
・道草喰うそれもよかろう神無月
・木犀の香(にお)いし園の運動会
・名月や連れと改め惚れ拝む
・柔順に息をひそめてめくる秋
・思い出しコスモス一束戯れ託す
・余力蓄え秘すれば花の秋休み
・コンビニや朝の散歩についで寄る
・天日干せ毛布重ねるひとり床
・鵯や不機嫌を声に出し
・朝の散歩金木犀に誘はるる
・失ひし年を戻せり神無月
・行間を刷り込みし白い朝
・橋揺るる九重連山ハ秋の気色
・深山や十月震はす滝の音
・阿蘇はるか展望峠の冷まじ
・高原の木橋確かな歩みあり
・前を行くススキの原に見え隠れ
・蓼原やいのちのたびの爽やけし
・十六夜を追っかけ燗をつく
神無月某日・頃はよし颯爽と原チャリ駆る
・初栗や友へ催促手紙書き
・十月や頭(こうべ)の上がる朝の会
・身に入むや吾レ海民の末なりし
・少しづつ蘇るソフトや温め酒
・芸身を滅ぼさず邯鄲鳴く
・転地してしがらみ解く秋の旅
・秋風や威風払はず築400年
・安堵せし堅気の商ひ秋の暮れ
・ぬくめ酒親密圏よりよみがへる
・カクウチやけふも三省秋暮れる
・気がつけば木犀の香今年未だ
・入れ込みて一点集中攻むる秋
・湿原にひそりと小さきりんどうかな
・秋の昼岩ぶろより星生山
・三股山紅葉未だ人まだら
・旅人やたゆたふ髭は時任せ
・打たせ湯や打たせて空は秋の雲
・秋天や家族ぞろりと出湯行
・テロメアや市民権を得る秋深し
神無月某日・父母が逝き江津訪ねる展墓行(術後旅1,以下12句)
・生還の秋かみしめるセンチメンタルジャーニー
・石見路や秋雨冴ゆる赤瓦
・秋台風冷夏のあとの実り薄
・いとおしい術後のあとのひとり酒
・雲を突きそびゆる千木や神在月
・ひんやりと何事おわすか秋霧立つ
・生き急ぎ森羅万象いそしむ秋
・しっとりと松江のクロマツ秋日和
・宍道湖のたゆたう秋のせつなかな
・金木犀米子のまちの香り発つ
・色を変えところを変えて秋日落つ
・旧交を運動会にて懐かしみ
・悠々として、独去独来秋急ぐ
・秋急ぐ熟せし成果やっと告げ
・駆けながら秋寛解の松江再た
・秋の雲手持ち無沙汰の軒遊び
・そこはかと若き手習い金木犀
・撫子やわずわらしさ今一度
・軒離れどこを根城か百舌鳥鳴く
・さはやかに草取る合間に水を遣り
・鶴飛来雲霞のごとくの前に来る
・深刻なエラーとはまた大げさな朝の秋
・観月やポイントあたりは先客のあり
・秋の朝彼の人歩くとすれ違ふ
・棘のあることのは払ふススキかな
・コスモスやゆとり残してたどりつく
神無月某日・く(句)と「き」では一字違いで一周忌もしやもしやとおかしくもあり
・復帰せば今浦島の寒露かな
・異業種と語れば夕焼け鰯雲
・夕陽落つももち屋上そぞろ寒
・秋の雲一人棒立つ根雨の駅
・ふりむけば世間あまねく秋に入り
・作品や前倒ししてもず鳴く
・ひとしきり家族集う寒露かな
・とつおいつ想練るころの寒露かな
・おでん恋し飲み屋を出れば十三夜
・寒露の日土留めついでに花を植ゆ
・秋うららゆめかうつつか偏正回互
・十六夜や高千穂の峰照らすかな
・久方の秋のお湿り息をつぐ
・盛り過ぐ萩に群れたる秋のてふ
・虫の音や耳を澄ましてシンクする
神無月某日・秋巡り近場の里の観音めぐる
・秋日和街は静かな佇まい
・風邪気味で訃報聞く夜寒かな
・嬰(やや)が指す昼間に見えし弦の月
・天高し半昔ぶりの八雲発つ
・病み上がり一咳残る寒露かな
・ゼンソクをおして寒露や近遊び
・頃よしおさおさ備へツル来たる
・群れもせで蔦の葉一枚紅ささず
・穴を掘る等身大の寒露ころ
・また台風日本列島かすめけり
・昼寝して再た加はる運動会
・秋うらら雉見るまなざしいとやさし
・悠々として急ぐ道につるべ落とし
・大風の朝銀杏の実腐し
・夜道には秋日暮れぬと夫へゆずる
神無月某日・天高し胃なき肺なき碧き空( くう)
・スピードを出せず余慶の虹を見る
・ねばならぬ人生ほどのはかなさはなし彼も人生それがしも人生
・喪主としてさこそ心は通ふとも遭はばあはれは知らんものかは
西行本歌
・稲の波在野が似合う国東塔
・休館の風土記の丘の天高し
・寂光や尼の羅漢に爽やかに
・寝待月草津みやげはうばがもち
・体育の日死に体パソコン立ち上がる
・十三夜風の橋の自在羽根
・ささやかな奉仕はじめの天高し
・古代より貫く棒や秋日和
・落ち込むや馬齢重ねた鉦たたき
・余波の気や運動会をもてあそび
・天津や秋を展望時つむぐ
・秋の園余白の奥の深さかな
・彼の暑さすでになつかし寒露かな
・美しき寒あいの頃今朝の秋
・秋冷や四川へならす歩キング
神無月某日・高原の秋の初めは七竈
・衣更えベストも重ね着微熱あり
・コスモスやかつての伽藍の隅に咲く
・ツルリンと秋風撫ぜる磨崖仏
・デジタルで往時の壁画蘇り
・秋澄むやメディアドームをかぶる時
・転んでもつじつま合わせの白い秋
・月を見て放つ若矢のチャレンジド
・秋の雲誰かまごころ思いやる
・mustよりそれもよかろういわし雲
・もずが鳴く通せんぼさる思案とき
・あれこれもそれもよからふ秋の空
・秋澄むや旅の朝にも勤めあり
・手続きを済ませば外の天高し
・身に入むやどうだ理論のさめやらず
・だしにする臥待月を待ちきれず
・秋雨や内なるビンテージに火を灯す
・とり窓より鳥影走るとんぼの池
・ワープする三国志世界は秋たけなは
神無月某日・野辺山の秋天近き星を見る
・男あり寡黙になりぬ秋の夜
・運動会見るより幼児すべり台
・そぞろ寒立場が語る立ち回り
・十月や駆けっ句一人旅に出る
・満月や面接終いけふ思ふ
・十月やそれがしわけ身委ね
・後智慧のサクセスストーリー読むの秋
・運動会発泡酒で祝う祝賀かな
・身に入むや受けとむ力のたよりなさ
・朝冷へや天津激流音に聞く
・駆けながらいのち確かむ旅の秋
・秋天や光の裏に怖話し
・今年またふぐ皮喰せし至福かな
・ひとりぽちそれもよからふ自尊の秋
・秋冷やお天道様と朝の刷り込み
・御浄土の五彩の池は秋の色
神無月某日・秋の日は明鏡止水の梓川
・秋深しジョージウィンストン、レクイエム
・九段下、靖国神社の秋巡る
・秋晴れや引き際未だと生き焦る
・衣更へ未だそのまま秋暑し
・十六夜や帰省子囲みオフサイト
・名護屋城稜線に見る秋の風
・紅顔や孫の代なる運動会
・秋の雨余韻さめやらず床を起つ
・つひ前の喉元忘る夜寒かな
・ひた走る和諧社会へ霧深し
・秋の天神舟6号ニュース湧く
・焼き付ける目にはさやかないわし雲
・いつ間にか木犀の香馥郁と
・新涼や新装クリニックの街に咲く
・新米の仏前へ供へるけふのつとめ
・もず鳴くや非日常へモード替へ
神無月某日・秋の日は疾風怒濤の梓川
・蟋蟀や孫泣きじゃくりつつリズムとる
・温め酒出張帰りの十三夜
・秋気満つアンカーポイント念入りに
・予感あり盃酌み交わす夜寒かな
・釜山行平和賞が身近に
・運動会世代代わりぬいわし雲
・流されず水槽のかめ肥ゆる
・月下美人夜中孤高を保ちけり
・残る虫朝方いまも鳴きやまず
・けふの鴟尾紫禁城に柿を見る
・秋陽射し浴びる甍の峯はるか
・故宮より木犀の香たそがるる
・若戸船秋澄む空のプチクルーズ
・秋風や人の知れずにそっと吹く
・秋雨やエントロピーの溶けるかな
・内尾薬師上り詰めれば秋の風
神無月某日・栗鹿子小布施ははるか懐かしく
・初飛来出水の鶴の冬便り
・ビジネスショー街はにわかに冬隣
・秋蒸すや一足先のねんごろり
・昏き森生きとし生きるともに秋
・パラソルと豚汁すする秋日和
・つる来たる忘れた頃の勘定書
・松茸飯やメールで祝はる誕生日
・辛夷の実喰らはば皿までの心意気
・公園は更地になりぬもずの声
・秋冷や心清事達と揮毫さる
・渤海や天地のさかひ霞かな
・あきらめの決断迫る冬備へ
・模擬店や鉄道記念日のおでん食らふ
・秋の陽や紫式部の粒光る
・十六夜や雲を払ひて清清し
・秋祭り苅田山笠三変化
神無月某日・せわしくも穂高の秋は覚めやらず
・ままかりや旅先で祝う誕生日
・望月やなぜかボスの日誕生日
・爽籟や己ねぎらうゾロメ齢
・誕生日出張先にて往き倒れ
・大都会金木犀の香りつく
・はつもののみかんつくづく誕生日
・秋思ふ鬼に笑はる還暦かな
・還暦や馬齢重ねて蓄へし
・安らけしメモ用紙折る秋の朝
・ケイタイや阿片のごときそぞろ寒
・誕生日ひよどり花の清楚かな
・紅を射すつりふね草や盛り過ぎ
・髭パスで通してくれぬ秋の蜘蛛
・誕生日雲を霞を臥上にて
神無月某日・ホトトギス小さき家族出船の日
・懸涯や今後楽園は仕込み中
・邯鄲や鳴き細りして闇深し
・台風禍ひたすらよこたふ夢の中
・時ぐすり時が来るまで忍の秋
・道すがら通勤のムクゲのどか
・せせらぎの白せきれいへ道訪ね
・秋晴れや川の流れの移ろへり
・たぷり水息吹き返す枯れあじさい
・まつりJR秋の日差しを浴びて喰ふ
・14夜微熱の児と殻を割る
・満63歳しいたけめしを腹六分
・錦秋や浴びる天然森の中
・秋暑しツリフネソウには未だ早し
・おつとめやとってなんぼの花野かな
神無月某日・季節なり銀杏黄葉散りぬるを
・温め酒五臓に馴染み風邪治る
・照柿や壊れ易きし14歳
・秋の朝髭蒸しタオルの重さかな
・南支那海一息ごとに息をつぐ
・千客の賑わい来たる秋の昼
・さりげなく仕込みおさおさモチの実
・軽き乗り地の利の活きる十三夜
・わしわしや命いとほし狂い鳴き
・受けて立つ攻守ところ替ふ秋日和
・秋旱朝夕別けて水を遣る
・ゆうゆうと利己的受験子秋急ぐ
・どんぐりを拾ひつ越ゆる峠かな
・妖気降るけもの道に秋の雨
・目のうろことれて大仏錦織る
神無月某日・ワサモンの新刊抱え家路急ぐ
・暮れの秋、陽の落ちる前の遠まわり
・駅弁展松茸飯で三原下車
・自尊の秋闘志静かにフツフツと
・これからをつまと語らう島の秋
・面接や興味津々秋の暮れ
・はや1年銀杏実腐す朝の道
・付替へや名残りの川に秋の雨
・人並みに子らに祝はる還暦かな
・また来るやうんざり台風子ら休む
・LLの新高梨の見事かな
・攻める秋刷り込みなくとも採るしらせ
・欲を張りとんだ災難バースデイ
・ゆで栗のいただきものの皆で喰ひ
・満々とたたへるダムや秋の色
神無月某日・秋の夜長ツバメ苦しみ青波越ゆ
・駅弁や冬待つ覚悟松前漬け
・曲がり角病院通いし冬支度
・一週間遅れとニュース鶴だより
・生き返り朝湯を浴びる庄助ドン
・朝の秋顔蒸すタオルのせつなさ
・魚ごころ去る者追わず秋深し
・ひさかたや秋霖ついて渡し船
・窓の外流るる景色や柿の色
・過ぎるまでひたすらこもるTV
・新しき壁紙装ふ初みかん
・冗談は顔だけにあらず秋羅漢
・氷かけら断水時の至福かな
・せせらぎや靴の手入れの水冷やし
・5,000キロ外需求めて同行二人
神無月某日・良き時も悪しき時にも秋暮れる
・大唐の誉れを菊に長安展
・陰の日やお手間かかりし菊作り
・秋の昼慣れぬビールに酔い回り
・秋の雲来しかた行くすえ語りかけ
・長き夜ON対決世紀末
・鳥渡るスピリチュアルの気吐く
・大衆や黙して去ぬる秋の暮れ
・決めかねて穂の揺れ動く薄かな
・指命し入札開く初みかん
・冥土への旅の終わりは冬の花
・秋風や日本シリーズよそめに見
・淡々とあるべきようはの秋こなす
・はかなさやツリフネソウの旬は過ぎ
・液晶の杖立て連なる蜀の街なみ
神無月某日・行き秋や親戚音信途絶えがち
・時代祭りの日、思いは既に北陸路
・滄浪の水の気分や秋の声
・秋気満つ「殺人容疑」時間かけ
・天高し万感胸に島を去る
・今朝の秋霊的ケア生き返る
・桐一葉来る者拒まずなに不満
・初みかん調べものに時が満つ
・吾レのため朝の見守り秋冷やし
・境内や台風一過の南無帰命
・ホスピスの憂ひすさまじ外は雨
・しあわせは朝餉の汁のゆずこしょう
・それぞれの覚悟異なる病床
・満ちたりし小さき旅のいはし雲
・曼荼羅や大なひあとのいのちあり
神無月某日・時代物サイコスリラ−併せ読む
・友送る祝いの席の夜寒かな
・エルニーヨ汗ばむ陽気霜降る日
・秋雨や砂防会館こじんまり
・病み上がりじわり身にしむ十三夜
・旧交の温い霜降雨に濡れ
・霜降や東田の地の広さかな
・霜降や泣きつ通ふ学校かな
・買出しやスーパ特売霜降の朝
・くもの巣の網をもらして秋天落つ
・霜降や比島戦士の語り聞く
・霜降や節季外れの日暑し
・三日ぶり温泉気分でシャワー浴び
・済々と一枚重ね着秋冷やし
・秋の雷浄土の前で折り返す
神無月某日・哲学し連画で遊ぶ粋の秋
・霜降やけふも聞こゆる鉦太鼓
・山茶花の蕾仕込みに余念なく
・秋深し未練がましく舞台降る
・点滴やいつか蜜柑いとほしい
・いざ備ふデジタル旅へ秋の夜
・リストラやEMSの大嵐
・ふかぶかと湯なつかしくつかりおり
・目にさやか国分寺の跡は白い秋
・霜降や馬齢重ねた首そろふ
・蛤や雀のころをかへり見る
・旅人より秋の味覚のおすそわけ
・食欲の秋蠕動運動かぼそし
・清清し一番森にもずの声
・霊性やあるべきようはの秋の暮れ
神無月某日・アルプスの秋に抱かれし道祖神
・ポイントに落ちてたゆたふ秋の浮き
・白鶺鴒紫川をはすかいに
・二日酔い夜には戻す調子振り
・満月やはるか離島のおもてなし
・秋陽射す伽耶韓国へルーツ訪ふ
・イワシ雲さかひ行き交ふカチガラス
・天高し岩偶のどか壱岐準備
・秋冷やよしなに任せ春を待つ
・昔やいま豊後の里の秋桜
・さやけしや人のためならず低めより
・良かれとも思へど諍ふ秋の暮れ
・秋夜長寸陰惜しみて刷り込みす
・霜降や朝刊ベンチの立って読む
・いま少し紅葉山には時の要り
・霜降や生足で地球踏む
神無月某日・信州の旅の仕上げは山葵蕎麦
・望月や鴻臚舘にて眺めたり
・今年また熊毛の鶴の初便り
・そそくさと立ち去る後に銀木犀
・ふと思ふつるべ落としの旅の果て
・国澄むやシビの偉大の物語る
・寺の秋古き溯るタイムトラベル
・天高し馬翔け巡る墓の中
・秋の音やエミレの鐘の人柱
・ツワブキや迫る力に気おさる
・それがしの行く末語る午後の秋
・語らひて銀杏剥く暖かさかな
・秋暮るるいたちごっこの気を永く
・唇や秘すれば花の夜寒かな
・はつものやみかん小粒の香りかな
・緑茶飲む身分になれし秋の夕
・霜降やさくさくさくと攻め込む
・きんもくせい親密圏より馥郁し
神無月某日・秋好き日昼から野沢菜亀の世酒
・初ミカン皮薄けれど味薄し
・ベンチャーと仕掛ける朝やそぞろ寒
・地球踏む魚の目痛し冬隣
・あきくさや平生往生呪縛なく
・秋深し天平の甍の連なれり
・秋晴れや館は子すずめ姦しい
・さようならカムサハムニダ旅の秋
・何叫ぶ人面岩偶壱岐の秋
・故郷や史ひもとく秋の文
・60年赤烏帽子着る学徒出陣生れ
・葉ぼたんや華見る時は既にいず
・あれこれの身辺浄め冬備ふ
・朝早しぎんなん拾ひ果実あり
・それがしの事情は軽し秋陽かな
・鈴なりのつぶらな柿の朱は染まじ
・秋深む近場で見える粧ひ
神無月某日・トンネルを抜けると焼岳秋の月
・キャリアを転がし伝ふ秋の味
・なつかしき顔の揃えて昼の秋
・遠回り惜しむ歩数や冬支度
・ドーム沸く景気浮揚の下心
・秋雨や旅の空白取り戻す
・いざ死なむけふのおとづれ秋の旅
・時くすりあるがままに銀杏落つ
・じじばばに代われぬ愛や青みかん
・剪定や化粧直しの冬備へ
・あきもせず迷惑メールの貯まるかな
・金比羅山公園さくら返り咲く
・けなげにも臥せて取り戻す免疫力
・秋バラの真紅天まで透き通る
・忘れた頃届く報せの夜寒かな
神無月某日・大王の残せし山葵田水豊か
・読書週間、出張カバン膨らみて
・暇惜しみ「満州国」読む読書週
・散ることを決めて楽なる紅葉かな
・自らの余生切り取る冬を待つ
・蚯蚓鳴く時間旅するよその系
・旅ゆけば広き沃野に秋の風
・新館や防火訓練冬を待つ
・山茶花のほころび認む端の道
・朝の秋茶渋気になり充電す
・歯の修繕だましすかして冬隣
・秋の雲森に浴して想を練る
・ほろほろと飲茶ころがす今朝の秋
・大粒なだいだい実りの未だ青し
・洗いざらし銀杏の実殻硬し
神無月某日・行く秋やポテトサヨナラバ−スデイ
・風の朝落ち葉拾うて拾いきれず
・霜降をやり過ごして待つ寒さかな
・生き急ぐ俺が俺がで秋は暮れ
・今度こそ小さきいのち願い星
・亀来るや時間と遊ぶ超宇宙
・にしき鯉弁天荘に紅葉未だ
・冷まじや旧館役目よろず終え
・エゴ゙ならず地域ぐるみの紅葉掃き
・冬近し消防車を危機準備
・諍ひの種つきねども秋は暮れ
・実のたわわむらさきしきぶにかがみこむ
・小食のありがたきを知る食欲の秋
・吾ガことに非ズ円高秋急ぐ
・雨近しつはぶきの花色を付け
神無月某日・消印の今日が締め切り十月尽
・十月尽、吾れホームページ増殖す
・急げどもけやき黄ばむ十月尽
・がん語る会より届く十月尽
・秋深しけふのおとずれ無事祈り
・読書週間2063年旅に発つ
・鬼が住む古墳日和の岩屋かな
・何がいや生活発表そぞろ寒
・よしとするわづか進捗冬備へ
・北京秋天吾が内に語る饒舌の旅
・秋惜しむ街の喧騒訪ねけり
・秋晴れや猪のぬた場に水は涸れ
・病床や壺中天有秋暮るる
・この秋は雲か嵐かわからねどけふのつとめの時急ぐ(
二宮尊徳本歌取り)
・だましすかし体調戻る10月尽
駆けっ句365日生き急ぎホームへ
