大國主大神の信仰と出雲大社教


 私たちは、物質的、金銭的にゆとりが出来ると、幸福であるかのように思い勝ちですが、こればかりで人間が幸福である筈がありません。人間が大成するのは死の瞬間かも知れませんし、世の人のためにお役に立つ「心のゆとり」を
持てた時が、満ち足りた真の幸福の道に到達した時かも知れません。すなわち、お互いに生かされているのだという
「心のゆとり」を生む生活が営めるようになった時が、真の幸福をかち得た時と言えるのかも知れません。

 だいこくさまは云うまでもなく大國主大神さまです。
大國主大神さまは、目に見えない、耳にも聞こえない神事の世界を司られ、誰もが幸福であるようにと、無限の「むすび」のみ力をお与え下さる神さまであり、私たちは、このお蔭の中に生きています。
 私たちは、幽世〔幽冥界〕にいらっしゃる大國主大神さまの有り難いご神縁やご神徳を知らず知らずのうちに戴いて、この世に生を受け、今こうして生きているのです。そしてこの世から去る日が来れば、再び大神さまのお膝元に帰り、この先は幽世の大神さまのもとで生きてゆく。これが、この世とあの世を一貫して結んで下さる大國主大神さま信仰の道であり、心であります。

 出雲大社教は、このことを「幽顕一如」という言葉で説明しております。
 幽世<あの世>と顕世<この世>を一貫し、ここに永遠の生を見いだすところに出雲大社教の教義の特色があります。
 私たちが、魂や生死を超え、大國主大神さまのご加護のもとに今あることを自覚して、大國主大神さまを畏敬の念と親しみの心を込めて称えお祀りするようになりますと、自ずから「敬神崇祖」の気持ちが沸いて来ます。
 「敬神崇祖」、すなわち神を敬い、祖先を崇めるとは、神さまを信仰することによって、良き子孫となり、良き先祖となることが出来ることを意味すると思いますが、私たちはこの世で受けるであろう様々なご恩に感謝し、そのご恩に対して、心行くまでお役に立たせて戴き、神さまにおみかえしの誠を尽くすことが大切であることを自覚して、この世で一生懸命働き、立派な子孫になるよう努力すれば、やがて子々孫々の幸栄えを見守ることができるような立派な祖先にならせて戴くことが出来るということです。

 このことを正しく理解することが、信仰心を培う上できわめて重要なことであり、そのために、御親大神大國主大神さまのみ手となってお道に仕える、これをもって真の幸福への近道とする教えが「出雲大社教のみおしえ」でありましょう。
 ですから、私たちは、この世にある時、親なる大國主大神さまからお授け戴いた生命を大切にして、活かす努力を怠ることなく、気持ち良い汗をかき尽くしながら生きて行かなければなりません。また、生きとし生けるものが立派に成長するように、私たちの住む今の社会が明るく楽しく住みよいものになるように、お互い力を合わせて生きることが大切なことです。
 私たちは、お互いの発展幸福のために、「むすび」の愛情を注いで、ご縁を結んで下さる大國主大神さまによって生かされ、救われていることを日毎夜毎に感謝申し上げ、一時たりともそのことを忘れることなく、生活を営み、日毎生きるよろこび、信心のよろこびを得させて戴き、毎日を明るく楽しく迎えさせて戴けるように、幸福への道を歩みたいものです。

 私はそれが信仰のあるべき姿であると思いますし、それが自覚出来るようになれば、宗教の本質が「倫理道徳」にあることもすぐにお分かりになると思います。
 そのことが少しでもお分かり戴ければ、巷に見られる信仰が、あまりにも現世利益にかたより過ぎていて、本来の信仰とは掛け離れていることがお気づきになると思います。
 巷に溢れている今の世の間違った信仰を直し、少しでも今の世を暮らしやすいいい世の中にするために、このホームページを通じて、大國主大神さま信仰のよさをお分かり戴ければと思います。

出雲大社教
 
 出雲大社教は、大國主大神さまを御祭神とする出雲大社を宗祠とし、天照皇大御神さまの第二御子である天穂日命を教祖神とする神道教団で、教務本庁を境内神楽殿傍に置き、境内隣接地に祖霊社を置いて、教化活動を行なっております。東京都港区六本木7−18−5所在の出雲大社東京分祠内に出雲大社教の東京出張所がございます。
 出雲大社教には、全国規模で組織されている分祠、分院、教会、講社を統括する教務本庁が組織されていて、その教務本庁指導のもとで、当多摩講社も教化活動を致しております。
 出雲大社教創設の歴史は古く、明治6年にその母体が出来上がっています。現在の形体が確立したのは明治15年で、その特立を記念して、毎年8月6日から9日までの4日間(現在は、御本殿の屋根を修復中ですので、変則日程になっております)、出雲大社教の教団大祭が盛大に斎行されます。

 創設者は、第80代出雲大社大宮司をお務めになられ、また、司法大臣の他東京府知事や埼玉県知事などをご歴任なさった千家尊福公で、千家尊福公は出雲大社教の創設を機に大宮司の職を辞して、出雲大社教の初代管長となりました。
 ちなみに現出雲大社宮司の千家尊祐様は、出雲大社教の國造を兼ねておいでであり、前記教祖神天穂日命から数えて、84代の末裔で、その叔父さま(先代國造様の弟)である千家達彦様が出雲大社の現教統と第5代管長をお務めになられて、現在に至っております。

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(平成21年2月7日更新)