皆さんのお住まいの近くに神社があるとすれば、その神社が、あなたの知らない以前に建立された神社でも、或いは新しく建てられた神社でも、その神社はあなたの「うぶすなさま」です。
 大國主大神さまは、その産土さまとどのようなかかわりがある神さまなのでしょうか。
 「うぶすな」は、古い文献に『「うぶ」は産なり、「すな」は「土」なり』とみられるところから、現在では「うぶすな」を
「産土」と記し、産土の神はウブスナなる土地に祀られた神として、古くから崇め敬う対象とされているようです。
  ところで、産土神と対照されるのが氏神さまですが、その氏神さまは、氏族の祖先として崇め敬う対象とされている神さまです。たとえば、奈良市にある春日大社は、今でこそ、誰もがお参りしている神社ですが、
春日大社は、かつては藤原氏の御祖先神を祀る氏神社でした。
 このように、氏神さまに対する信仰は、本来は、氏族や血縁的な一門一族の守り神としての信仰であったわけで、その氏神さまに専属する氏人や氏子の集団によってその信仰が連綿と継承され、厳格な資格や秩序が保たれて来たのです。
 ところが、それが中世以来、時代の移り変わりの中で、氏神が地域神化し、それにしたがい、地域や集落の守り神までが氏神と呼ばれるようになり、産土神と混用されるようになったのです。
 産土神に通ずる「産土」なる文字が平安末期に見られるようになって、近世になると、産土詣として各地でお宮参りが盛んに行われたようになり、現在に至っています。
 特に、近世の神道思想では、「産土神」を幽世に位置づける試みがみられ、各地にお鎮まりの産土の神さまたちは毎年神無月〔旧暦10月10日 平成20年は11月7日〕に、出雲大社に神集うという出雲大社の「神在月の信仰」と結合し、産土神の信仰も氏神鎮守神の信仰も殆ど区別することがなくなり、いずれの神さまも、誰もが同じようにお参りする、いわゆる郷土的、部落的な社会の住民奉齋の神さまとなったようです。

 天照皇大御神さまをお祀りする伊勢の神宮は、今では日本民族の総氏神さまとなって、全国各地から大勢の皆さんが参拝しております。その伊勢の神宮に対して、島根県出雲市大社町にあります出雲大社は「総産土神さま」として、全国各地から多くの信仰を集めております。
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平成13年12月27日追加公開(平成21年2月7日更新)