送られてくる検査結果で何がわかるのか?


生化学検査は肝機能、血球計数検査は血液疾患がわかります
1982年、無償の献血者へのサービスとして、生化学検査の通知がはじまりました。1986年からは、血球計数検査(400mLと成分献血者のみ)の結果通知も始まりました。自営業や主婦の方など、日頃健康診断を受ける機会のない方には「健康管理に役立つ」とのお声もあります。でも、異常な場合は何が悪いのかわからないと言う方も多いようです。私は医師ではありませんので診断はできませんが、参考にしていただければ幸いです。また、詳しい病気の説明については、後日コーナーを作る予定です。

検査結果のお知らせ


肝機能は大丈夫?
ALT(GPT)標準値5〜45IU/L、AST(GOT)標準値11〜37IU/L
 数多い肝機能検査の中でも、最もよく耳にする検査項目です。これらの物質は、肝臓に障害が起こると、肝細胞から漏れ出してくる酵素です。急性肝炎、肥満に伴なう脂肪肝、慢性肝炎の場合には、特にGPTの上昇が著しく、GOT<GPTになります。これに対して、アルコール性肝障害、肝硬変症、肝臓癌などでは、GOT>GPTです。
 また、GPTは肝臓だけに存在する物質ですが、GOTは肝臓以外にも心筋、骨格筋、腎臓などにも存在するので、GOTだけが異常に高い数字を示した場合には、心筋梗塞や筋肉の病気の疑いがあります。
※フルマラソン、トライアスロンなど特別ハードなスポーツでは、直後にGOTが上昇している場合があるようです。飲酒も影響を受けます。一過性にでも高値(ALT 60IU/L以上)の場合血液が使われないと言うことになりますので、十分体を休めてから献血された方がよいでしょう。また、γ‐GPTはそれほどでもないけどGOT、GPTが標準値の2倍程度で落ち着いてしまっている方は、脂肪肝が可能性として高いでしょう。脂肪や糖分の取りすぎ→体重増加→中性脂肪の蓄積→脂肪肝、思い当たる場合は食事を見直しましょう。

γ‐GPT 標準値10〜65IU/L
 γ‐GPTは、肝細胞の膜と肝臓内の胆管にある物質で、肝臓に毒性のあるアルコールや薬剤(抗生物質、睡眠薬、精神安定剤、解熱鎮痛剤等)が肝細胞を破壊した時、結石や癌などで胆管がつまった時に血液中に増加します。肝細胞が障害を受けていても、数値がやや上昇する程度にすぎませんが、アルコール性肝障害と胆汁うっ滞症では高い数値を示します。とりわけアルコール摂取量との関係がはっきりしているため、γ‐GPTの数値だけで、アルコール性肝障害がはっきり疑われます。アルコールが原因の肝障害の場合には、約2週間禁酒をすると、この数値が半分に減るため、他の肝臓病との区別が簡単につきます。
※γ‐GPTだけが高値だからといって血液が使われなくなることはありません。しかし、アルコールによって肝臓がかなりのダメージを受けていることには違いありません。1日3合以下に押さえる、休肝日を2日作る、たんぱく質をしっかり取る等で肝臓を労わってあげてください。

血清総コレステロール 
標準値110〜250mg/dL

 血清総コレステロールについては、食べ物との関係が重視されていますが、実際には、食品に含まれるコレステロールがそのまま血液中に入るのではなく、その約90%は肝臓で合成されています。そのため、肝臓の機能が低下すると、血清総コレステロール値は低下します。 またコレステロールは胆汁中に排泄されるので、胆汁のうっ滞が起こると数値が上昇します。ですから、黄疸の症状かあっ た場合には、この検査の数値から、それが肝細胞性のものか、胆汁うっ滞性のも のかを、ある程度判断できます。
 一般に、健康診断などでこの血清総コ レステロールが高い数字を示すと、動脈硬化などの心配をしますが、この検査はそれだけではなく、肝臓病の重症度の判定や、黄疸の症状がどこからきているかを調べる手段になっているのです。
※総コレステロール値が高くても、血液に問題は無いため献血は出来ます。ただし、高脂血症などで医師の治療を受けている場合は、服薬などの問題もあり献血がお願いできないことがあります。

血清総たん白、アルブミン、A/G比
これらは肝機能障害を起こした時に異常値が出ますが、腎臓他の障害でも異常値を示します。スクリーニング検査ですので、異常値が出た場合は詳しい検査を病院で受けられないと、何処が悪いのかはわかりかねます。


血液の病気?
 
RBC(赤血球数) 標準値 男性425〜570万/μL、女性375〜500万/μL
ヘモグロビン量 標準値 男性13.3〜17.4g/dL 女性11.2〜14.9g/dL
ヘマトクリット値
 
標準値 男性39.0〜50.4% 女性34.0〜44.0%

貧血?多血症?
赤血球数が減ると、酸素の運搬能力が低下し、酸欠状態になって貧血をおこします。ヘモグロビンは赤血球の成分ですから、ふつう赤血球が減ると、ヘモグロビンも減ります。また、ヘマトクリットも血液全体に対する赤血球の割合ですからその値も下がります。赤血球が男性で350万個以下、女性で300万個以下に減少した状態を貧血といいます。貧血が進むと顔面が蒼白になり、手足の冷え、動悸、息切れ、めまいなどを起こします。
※献血できた方は貧血の心配はないと思われます。ただ、一時的に脱水気味の状態により濃くなって見えている場合もありますので、下痢、嘔吐、発熱、二日酔いなどの後は、献血を避けた方がいいでしょう。

逆に赤血球数が増えすぎると、血液が濃くなって流れにくくなり、血管が詰まりやすくなります。
赤血球が550万個を超える状態(ヘモグロビン18g/dL以上、ヘマトクリット55%以上も同様)を多血症といいます。多血症になると顔面が紅潮し、のぼせ、頭痛、発汗などの症状が表れます。真性多血症は、赤血球を作る骨髄の組織が以上増殖する一種のガンとも考えられますから、治療をしなくては行けません。
※まれに、「病院から献血で血を抜いてもらいなさいと言われてきました」と言う方がいらっしゃいます。治療として瀉血という対症療法がありますが、献血は輸血に使用する血液を頂くということであって、治療行為ではありません。多血症の方の献血はお断りしています。

白血球数 
標準値 3500〜10000/μL

白血球が増加した場合
白血球が増えるケースとして、2通りの原因が考えられます。1つは、体に害になる細菌などが体内に侵入した時です。もう一つは、白血病などのガンで骨髄が増殖を起こした場合です。ほとんどは、風邪による炎症など一時的なもので、炎症が治まれば正常に戻ります。しかし、白血球数が2万個以上と非常に多い場合は、白血病や敗血症などの危険な病気の可能性があります。医療機関へ受診し、詳しい検査をお勧めします。また、病気とは関係無く、激しい運動、ストレスなどでも一時的な増加が見られます。
※献血によって白血病が見つかった例もあります。
白血球が少ない場合
白血球が減るのは、骨髄の働きが低下した場合と、古くなった白血球を壊す脾臓の働きが異常に高まった場合です。薬剤の副作用による場合もあります。また、ウイルスによる感染症の場合一時的に減少する場合もあります。しかし、詳しい原因はこの値だけではわかりません。

血小板数 標準値 14万〜38万/μL
血小板の減少や増加には、重い病気が隠されていることがありますので、血小板数が10万個以下か、あるいは50万個以上の時には、血液内科のある専門病院での精密検査をお勧めします。
もっと詳しい情報は以下のHPにあります。興味のある方はどうぞ

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