HTLV-I抗体検査結果の異常を認めた場合通知を希望しますか?
献血申込書の検査通知希望欄が変わります。今まで、献血者検査サービスの他に、B型・C型肝炎検査、梅毒検査に以上が認められた方には通知をさせていただいておりました。この度、平成10年7月の中央薬事審議会血液製剤特別部会における検討の結果、平成11年度より九州地区を皮切りに全国でHTLV−I(ヒトTリンパ球向性ウイルス−I型)に対する抗体検査の結果異常が認められた場合、通知を希望される方にお知らせすることになりました。
中央薬事審議会血液製剤特別部会 平成10年7月21日議事録 平成10年9月28日議事録
HTLV-I(ヒトTリンパ球向性ウイルス−I型)とは?
成人T細胞白血病(adult T- cell leukemia : ATL)の原因となるウイルスです。1977年、日本人(高月ら)によりはじめてATLが報告されました。1980年、アメリカの Robert Gallo 氏がウイルスを発見し、HTLV−I(human T-lymphotropic virus type-I)と命名しました。
エイズウイルスも、Galloが発見しHTLV−IIIと呼ばれましたが、後にヒト免疫不全症ウイルス(human immunodeficiency virus : HIV)と名称が統一されました。
HTLV−Iは、エイズウイルス(HIV)ではありません
HTLV−I抗体陽性と言われたけど・・・
HTLV‐Iのウイルスに感染している可能性がありますが、発病を意味するものではありません。ウイルスを体内に持っているヒトを”キャリア”といいます。
日本では九州・沖縄地方に全国の約半数のキャリアが存在し、その他南四国や紀伊半島などにも存在しますが、大変限られた地域とその出身者に限られます。
どういうかたちで感染するの?(感染経路)
キャリアのヒトの感染細胞が他のヒトの体内へ移ることで感染が起こります。このウイルスは感染力が弱く、感染を起こすためには大量の感染細胞が必要です。しかも、乾燥・熱・洗剤に極めて弱く簡単に死滅するため、水・衣類・器具などを通じて感染することはなく、普通の生活で感染することはありません。
自然感染
家族内だけに限定されています。しかも、咳で移ったり(飛沫感染)、手で触れたり(接触感染)しての感染はありません。その他
- 母子感染 : 経胎盤感染(胎内感染)、産道感染、そして母乳感染があります。大半は母乳中に存在するウイルス感染リンパ球が主な感染源です。(長期授乳させた場合約20%程度) 母乳による感染を防ぐには、断乳して人工乳に替えることで感染率を大幅に下げることができるとされています。また、母乳でも凍結融解処理をして与えれば感染力は低下します。重要な点は、ATLのほとんどがこれらの母子感染によるキャリアから発生する事です。これは感染細胞が腫瘍化して発病するまでに平均50年という極めて長い年月を要することから来ています。
- 夫婦間感染 : 夫から妻への感染です。精液中のウイルス感染リンパ球が主な感染源です。感染するだけで発症はしません。その感染力はあまり強くなく、反復した性行為を行う夫婦間における夫から妻への感染が主なもので、妻から夫への感染は 確認されていません。女性のキャリアが加齢とともに増加するのは、この夫婦間感染によるものと考えられます。
輸血を主とした血液を介する感染で、細胞成分を含んだ新鮮な血液では高率に感染します。1986年11月以降 HTLV−I抗体検査を施行していますので、以後輸血による感染はありません。
わたしは発病するの?
キャリアの発症はきわめて低いです。(40歳以上のキャリアから年間1000人に1人の割合) しかも、発病する人はほとんどが乳幼期での感染者(そのほとんどが母乳による感染)で中年以降に発症することが多く、成人してからキャリアになった人の発症はほとんどみられないとされています。生涯発病率は1〜5%で、喫煙者が肺がんになる確率(約10%)より低いと言われています。
HTLV−I関連疾患って何?
ごくまれに、
を引き起こすことがあります。しかし、ほとんどのキャリアは生涯、関連疾患を引き起こすことなく過ごしています。
- ATL(成人T細胞白血病) : リンパ球の一種であるT細胞が癌化する病気
- HAM(HTLV-I associated myelopathy) : 脊髄疾患の一種、歩行障害や排尿障害を引き起こす病気
- HAU(HTLV-I associated uveitis) : 眼球にあるブドウ膜の炎症で、視力傷害を引き起こす病気
- その他、リュウマチ様疾患等
献血で感染しませんか?
献血に使用する採血針をはじめ、すべての採血器具は献血者一人一人に新しいものを使用しています。
献血により感染することはありません。
献血はできますか?
現在抗体陽性の場合,輸血用血液や分画製剤の材料として使用しておりません。
せっかくのご好意に添えなくて申し訳ございませんが,次回からの献血はご遠慮ください。
![]()
いろんなウイルスがあるんだな〜
もっと詳しい情報は以下のHPにあります。興味のある方はどうぞ