血液の検査 


献血された血液は、血液センターに運ばれ、血液型検査や感染予防のための抗原・抗体検査、献血後にお知らせする生化学検査などを行います。また、その一部は、核酸増幅検査(NAT)を実施するため、その日のうちに空路あるいは陸路を使い全国3ヵ所(東京都・北海道・京都府)のNAT施設に運ばれます。NAT施設では24時間体制で検体を受け入れ、抗原・抗体検査に合格した血液についてNATを実施しています。

血液型検査
 検査項目 説明
ABO血液型検査 赤血球側、血清側の双方から判定し、両方の検査結果を照合して決定しています。
Rh血液型検査 血液中のC.c.D.E.eのRh抗原の中でD抗原の有無を検査し、D抗原を持つものをRhプラス、持たないものをRhマイナスとしています。
不規則抗体
スクリーニング
血液型には多くの種類があり、輸血を行う際に考慮する必要がある血液型について、輸血副作用の原因となる抗体の有無を検査するもので、抗体を持つ血液は輸血に用いません。
HLA検査(一部)  


抗原・抗体検査
 検査項目 説明
梅毒血清学的検査 梅毒トレポネーマと呼ばれる微生物に感染した人にできる抗体の有無を調べるものです。
B型肝炎ウイルス検査
・HBs抗原(R-PHA法)
・HBc抗体(HI法)   
輸血によるB型肝炎ウイルス感染の絶滅を期して行っている検査で、HBs抗原検査に加えてHBc 抗体検査を行った結果、輸血後のB型肝炎ウイルスの感染が激減しました。
C型肝炎ウイルス検査
・HCV抗体
(PHA/PA法)
先頃まで非A非Bといわれていた肝炎のほとんどがC型肝炎ですが、そのウイルス検査(HCV検査)が可能になったことから、検査を実施しています。上記のB型肝炎検査に併せてこの検査を実施してから、輸血による主な肝炎ウイルスの感染が激減しました。
ALT(GPT)検査 肝炎初期から上昇する検査項目で、これまでの肝炎原因のウイルスとの関連と、未知のウイルス感染による肝炎の防御のために検査を行っています。これが異常値を示した血液は輸血に用いません。
エイズウイルス検査
・HIV-1、2抗体(PA法)
HIVは、後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因となるウイルスです。輸血による感染防御のために検査を行っています。
HTLV-I抗体検査 成人T細胞白血病の原因となるウイルスを検査するもの。輸血による感染防御のために検査を行っています。
ヒトパルボウイルスB19抗原検査


核酸増幅検査(NAT)について

抗原・抗体検査はウイルスなどに感染した後、血液中に産生される抗原や抗体を検出する方法であるため、感染後しばらくは、感染していることを検査で検出できない期間(ウインドウ・ピリオド)があります。抗原・抗体検査は、検査感度を高めると抗原や抗体以外のタンパク成分にも反応してしまう非特異反応が出るため、ウインドウ・ピリオドを短縮することが出来ませんでした。
核酸増幅検査(NAT)は、抗原や抗体ではなくウイルスを構成する核酸(DNAまたはRNA)の一部を100万倍以上に増幅してウイルスの有無を検出するため、非常に感度と特異性が高く、ウインドウ・ピリオドの短縮を可能にします。日本赤十字社では1999年より血液の安全性向上を図るうえでエイズウイルス(HIV)、B方肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスについて特に有効なNATを世界に先駆けて導入しています。



核酸増幅検査
ウイルスの種類 検査方法 ウインドウ・ピリオド
B型肝炎ウイルス検査 HBV DNA 約34日  (抗原抗体検査 約59日)
C型肝炎ウイルス検査 HCV RNA 約23日  (抗原抗体検査 約82日)
エイズウイルス検査 HIV RNA 約11日  (抗原抗体検査 約22日)
これらの検査で輸血に使用できるかどうかの判断をしています。
*検査結果には、献血された方へお知らせしないものもあります*

 検査成績のお知らせ 
血液センターでは、献血にご協力いただいた方々への感謝の気持ちとして、7項目の生化学検査成績を献血者全員を対象にお知らせしています。また、成分献血・400mL献血にご協力いただいた方を対象に、8項目の血球計数検査成績についてもあわせてお知らせしています。これらの検査成績はいずれも通知を希望された方を対象とし、献血後おおむね2週間程度で進展(簡易の郵便)にてご通知します。
生化学検査および血球計数検査欄に記した標準値は、献血された方々の検査結果から算出したもので、正常または異常を表すものではありません。また、受付時に、B・C型肝炎検査、梅毒検査、HTLV-I抗体検査の結果通知を希望された方には、異常がでた場合のみ献血後1ヶ月以内に親展にてご通知します。

生化学検査(献血者全員)
検査項目 標準値(単位) 説明
ALT
(GPT)
5〜45
  ( IU/L)
肝臓に最も多く含まれる酵素です。肝細胞が破壊されると血液中に流れ出すので、急性肝炎で最も強く上昇し、慢性肝炎や脂肪肝(肥満)などでも上昇します。激しい運動の後に一過性の上昇がみられることがあります。
AST
(GOT)
11〜37
  ( IU/L)
心筋や肝臓に多く含まれ、骨格筋、腎臓、血球にも認められる酵素です。心筋梗塞や急性肝炎、アルコール性肝障害などでも上昇します。その他運動の後に一過性の上昇がみられることがあります。
γ−GPT 10〜65
  ( IU/L)
肝、胆道、膵、腎などに含まれる酵素です。上昇する疾患は閉塞性黄疸、肝炎、アルコール性肝障害などです。病気がなくても長期飲酒者では上昇することが多く1ヶ月くらい禁酒するとある程度正常化します。
TP
総蛋白
6.5〜8.2
 (g/dL)
血清中には80種類以上の蛋白が含まれ、種々の機能を持ち、生命維持に大きな役割を果たしています。その総量を総蛋白として測定しています。
ALB
アルブミン
3.5〜4.5
 (g/dL)
血清蛋白の50%以上を占めるアルブミンは、病気などで栄養が悪くなると減少するため、健康診断のスクリーニングとして大きな意味があります。
A/G
アルブミン対
グロブリン比
0.9〜1.5 血清蛋白はアルブミン(A)とグロブリン(G)に分けられ、その比率は健康な人では一定の範囲にありますが、病気によってはその比率が変化(主として減少)してきます。
CHOL
コレステロール
110〜250
 (mg/dL)
血清脂質の一つで、一般に脂肪の多い食事を続けていると上昇します。また、肝臓などで作られ、肝、胆道、腎、甲状腺の病気でその値が上下することがあります。血清コレステロール値が多くなると動脈硬化を起こしやすいとされています。


血球計数検査(成分献血者・400ml献血者)
検査項目 標準値(単位) 説明
RBC
(赤血球数)
♂425〜570万
♀375〜500万
(/μL)
赤血球は血液の主な細胞成分で、酸素を肺から各組織に運ぶ働きを持っています。
Hb
(ヘモグロビン量)
♂13.3〜17.4
♀11.2〜14.9
(g/dL)
血液の赤い色は赤血球に含まれるヘモグロビン(血色素)によるもので、赤血球の働きの中心となっています。
Ht
(ヘマトクリット値)
♂39.0〜50.4
♀34.0〜44.0
 (%)
ヘマトクリット値は一定の血液量に対する赤血球の割合(容積)をパーセントで表したものです。
MCV
(平均赤血球容積)
80.0〜100.0
 (fL)
赤血球一個の平均的容積、すなわち赤血球の大きさの指標となるもので、赤血球数とヘマトクリット値から算出したものです。
MCH
(平均赤血球
ヘモグロビン量)
26.0〜34.0
 (pg)
赤血球一個に含まれるヘモグロビン量を平均的に表したもので、赤血球数とヘモグロビン量から算出したものです。
MCHC
(平均赤血球
ヘモグロビン濃度)
32.0〜36.0
 (%)
赤血球の一定容積に対するヘモグロビンの量の比をパーセントで表したもので、ヘモグロビン量とヘマトクリット値から算出したものです。
WBC
(白血球数)
3500〜10000
 (/μL)
白血球は細菌などを貪食し、免疫情報を伝達し、さらに免疫能を発現して生体防衛にかかわっています。細菌感染症があると一般に白血球増加しますが、ウイルス感染の場合はかえって減少することがあります。
PLT
(血小板数)
14〜38万
 (/μL)
血小板は出血を止めるための重要な働きを持ち、この値が極端に減少すると出血を起こしやすくなります。
上記に記した標準値は、献血を希望された方々の検査結果から算定したもので、正常又は異常を表すものではありません。



ん〜なるほど! 


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