採血に伴う副作用について


献血していて気分が悪くなった経験はありますか?
針を刺したところが青くなったことはありますか?
「一度もそんなことはない!」「いや、大変だった事がある!」
ここでは、献血によって起こり得る副作用を知っていただきましょう。
よく起こる副作用
 1.VVR(血管迷走神経反応)
 2.クエン酸中毒
 3.内出血
ごく稀に起こる副作用
 4.神経損傷
 5.過換気症候群
 6.不均衡症候群
 7.アレルギー反応
次はきっと大丈夫!!




血管迷走神経反応
VVR(vaso-vagal reactions)


VVRは針を刺すことをきっかけとして、迷走神経(心拍を遅くし血管の緊張を緩める神経)が緊張状態になる為に起こる副作用です。
採血中または採血直後に出現し、血圧低下、徐脈になります。

症状 軽症:あくび・気分不良・顔面蒼白・冷汗・悪心・嘔吐
重症:意識消失・痙攣
処置
1.下肢挙上(ベッドの頭部を下げ、枕などで足を挙げる)
2.採血の中止(速度を下げて返血後終了)
3.衣服をゆるめる

要因
不安・緊張 初めての献血ですごく緊張していると、起こりやすくなります。息することも忘れるくらい固まっているときは、ゆっくり深呼吸しましょう。また、もともと緊張症の人・針や注射がものすごく嫌いな人は、友人に頼んで一緒に行ってもらい、まず一回目は見学して慣れましょう。
睡眠不足
(3時間以下・夜勤明け)
寝てないということは、かなり身体に負担をかけています。これくらい大丈夫だろうと思うようなことでも無理な場合があります。いつも献血している人でも、気分が悪くなりやすいです。
空腹・大食後 朝から何も食べていないと、身体がまだ起きていません。そんな状態で採血してしまうと、血圧が下がってしまいます。採血前にジュースやお菓子でも、少し摂取してからにしましょう。
また、昼食をお腹一杯食べた後も、消化のために胃に血液が集まっているため、採血すると頭に血が行かなくなり血圧が下がります。食後1〜2時間休んでからにしましょう。
体調不良・疲労 風邪をひいている時、治ってすぐの場合などは、体力を消耗していて体の調子が十分ではありません。また、仕事や家庭でかなりストレスがかかったり、いつも以上の疲れが残っている場合も同じです。ゆっくり休んで回復してからにしましょう。無理は禁物です。
針の痛み 針を刺したときの痛みがいつまでも続く場合、血管に入らなくて針を動かされている場合など、我慢していると気分が悪くなります。遠慮せず看護婦に話しましょう。採血はいつでも中止できます。
衣服のしめつけ 採血のベットは頭と足の部分が上がっている形が多く、胃や腹部を圧迫します。衣服で締め付けていると頭に血液が行かなくなり気分が悪くなります。ガードル・コルセット・ボディースーツ・ベルト・ホックなどを外し楽な姿勢をとりましょう。
冷暖房 成分献血の場合、採血によって身体が冷やされたり、外から来所された人の身体が冷えていて血流が悪かったりするため、しっかり暖房している場合、逆にのぼせて気分が悪くなることがあります。暑い寒いは、感じたときに我慢せず言いましょう。
連鎖反応 一緒に来た友人や周りで採血している人が気分が悪くなった場合、それを見て同じように気分が悪くなることもあります。ルームでTVやビデオが見られる場合、周りを気にせず自分の世界に入ってしまいましょう。気づかなければ大丈夫。



クエン酸反応


成分献血の場合、血液が固まらないように抗凝固剤(クエン酸+クエン酸ナトリウム)を加えながら採血していきます。クエン酸は、血液凝固に必要なカルシウムを捉えることで、凝固を防ぐ働きをしているため、体が一時的にカルシウム不足の状態になります。クエン酸自体は身体に有害なものではなく、肝臓で代謝され、一部は尿中へ排泄されます。また、クエン酸ナトリウムは血液や尿をアルカリ性にするため、痛風の治療薬として内服されています。

症状 T度:口唇・手指のしびれ感、寒気、気分不良
U度:加えて悪心・嘔吐
V度:加えて痙攣、意識消失
処置 1.返血の速度をゆっくりする
2.カルシウムを豊富に含む、ココア・チョコレート・牛乳を摂取する
3.2〜3時間で血中濃度は元に戻るので、ゆっくり休んでもらう

要因
血小板献血 血漿献血に比べ抗凝固剤を加える率が高く、処理する血液量も多い。クエン酸がバック内に残る量は変わらないので、体内へ戻ってくる量は増える。
体重が少ない 血小板献血は50kg以上で(機種によっては50kg未満でも)採血できるが、上限はない。体重が少ない人は循環血液量(血管の中を循環している血液の量)が少ないため、クエン酸の血中濃度はあがりやすい。
血液が薄い 血小板献血できる基準(ヘモグロビン量12.0g/dl)はクリアしていても、ヘマトクリット(Ht)値が低いと血小板を採取するまでに処理する血液量が多くなる。体内へ返す血漿の量も増え、その中に入っているクエン酸も一度に戻ってくるので、急に血中濃度が上がる。
血小板の数が少ない 血小板の数にはかなり個人差があり、その値により処理する血液量が違ってくる。処理血液量が多いほど使われた抗凝固剤使用量も多く、クエン酸が体内に返る量が増える。
女性 男性に比べ、同じ体重であっても循環血液量は少なく、Ht値は正常値が低い。また、血管が細く柔らかいので採血の速度も不安定になり、採血に時間がかかる。全体的に症状が出現しやすい条件が揃う。



皮下出血、血腫


針を刺したところや周りが青くなったことがありますか?
これは打ち身と同じ状態で、血管の外へ血液が漏れたことにより起こります。もし青くなっても、少し拡がりながら青黒く→黄色くなって、7〜10日で自然と吸収します。必ず治りますので心配入りません。もし、大きく拡がり、腫れ、痛みがある場合は、献血した場所(ルーム・センター)へ電話をするか、状態を見てもらいに行くといいでしょう。きちんと手当をしてくれるはずです。

献血の針は普通の検査用と違いかなり太いですから、いろいろな状況によって内出血することがあります。
原因
  • 針を刺した時・・・看護婦の穿刺ミス、血管が細く無理があった。すぐ針を抜いて中止。
  • 採血中・返血中・・・看護婦の穿刺ミス、針の固定が悪かった、採血している手を動かした。採血装置内に血液が残っている場合、反対の腕にもう一度針を刺し血液を返すか、残っている血液の量により次回までの献血期間をあけてもらう。
  • 採血終了後・・・止血が不十分だった、針跡を揉んだ、腕に力を入れたり重い荷物を持ったりした。

「針を刺したとき凄く痛かった」「手先にビリッと刺激が走った」「最初は良かったけど途中で痛くなった」等いつもと違う感じがあるときは、我慢せずそばにいる看護婦にすぐ知らせてください。

採血終了後、ガーゼ綿をテープでしっかり固定し、止血ベルトを巻き圧迫します。10分後に止血を確認してベルトを外しますが、30分以上ガーゼ綿は付けたままにして置いてください。テープ部がかゆく赤くなる方は、早めにはずしてください、かぶれることがあります。 もし、帰宅途中に出血したら、ガーゼ綿の上から手で押さえて圧迫し、止血に努めてください。



次はきっと大丈夫


一度献血で気分が悪くなったり、内出血したり、イヤなことがあるとなかなか次に行こうという気になれませんよね。特に初めての献血でのトラブルは、「献血は大変だ」、「怖いからもう行かない」と言う固定観念を植え付けてしまう物です。しかし、「一度ダメだったからもう行かない」と言うのではなく、「次は大丈夫だろう」と言う気持ちで是非がんばって欲しいのです。


献血に行く前のチェックリスト

B 
1.昨日はよく眠れましたか? はい十分です 寝不足です
(睡眠3時間以下)
2.朝食は食べましたか? はい食べました 朝から何も食べてません
3.昼食をお腹一杯食べたばかりですか? 食べて少し落ち着きました 食べ過ぎて苦しいくらいです
4.仕事や家庭での疲れはありませんか? とても元気です 最近とても疲れています
5.風邪はひいていませんか? 大丈夫です 今ひいています治ったばかりです
6.お腹を締め付けた服装ですか? いいえ楽です ボディースーツまたはコルセットしてます
7.献血することに不安がありますか? いいえ今度こそ とても怖いです


チェックリストのBは、気分が悪くなる原因そのものです。すべてAになったら自信を持って献血に行きましょう。今日は大丈夫だという気持ちで、何度かチャレンジすると慣れて行くでしょう。(3度目の正直でやっと献血が最後まで出来たと言う人もかなりいます。)
しかし、何度がんばってもやっぱり気分が悪くなる人、痙攣発作を起こした人は、ちょっと献血をお休みした方がいいでしょう。年齢的なものや体質もあるので、無理にはお勧めできません。


採血前のチェックリスト
1.お腹はすいていますか? お昼前で少しお腹がすいていたら、暖かい飲み物を1杯飲んでおきましょう。
2.トイレに行きましたか? 緊張したり、採血で身体が冷えると採血中に行きたくなりますよ。
3.お腹は締め付けていませんか? ベルトやホックなどを外して楽な姿勢にしましょう。
4.楽しいビデオを選びましたか? 下を向いて本を読んだり、怖いビデオは避けましょう。
5.緊張して身体が固まっていますか? 肩に力が入っているようなら、ゆっくり深呼吸してみましょう。
6.針や血液が苦手ですか? 看護婦に、刺すところや採血中の血液が見えないようにしてもらいましょう。
7.やっぱり心配ですか? 看護婦に相談してみましょう。話をしているだけでも気持ちが楽になります。


それでは、がんばって下さいね。
でも、決して無理はしないで!気分が悪くなったら看護婦にすぐ知らせましょう。