健康住宅を考える

木造住宅で使われてきた天然の素材には、素晴らしい機能が備わっている。 木材には、調湿・断熱・遮音する機能、壁土・漆喰等には、調湿・断熱・遮 音・防火する機能、畳には、調湿・断熱・遮音する機能が、それぞれある。 これらの天然素材は、湿度の高い日本の気候に適し、人にやさしい素材で  ある。                                しかし、住宅の需要に伴い、新建材の発達と工期短縮やコストダウン等さま ざまな要因の中で、天然素材を使用することが少なくなり代わってコンクリ ート、鉄、アルミ、ビニールなどの無機質素材や、積層材、合板、MDF、 など接着材を使用したものが、多く使用されているのが実状である。   

シックハウス

住宅に使われる合板等の新建材、塗料、シロアリ駆除材、木材保存剤、クロ スの接着剤などから発散される、ホルムアルデヒト、揮発性有機化合物   (V.O.C.)などの有害物質は一定濃度を超えると、頭痛やめまい・吐き気を引 き起こす原因と言われています。中でも、ホルムアルデヒドは、アトピー性 皮膚炎や、ぜんそくの原因の一つとされ、発ガン性も指摘されています。 

海外基準と国内基準

  国名等   気中濃度
 アメリカ  0.2〜0.5ppm
 ドイツ  0.1ppm
 オランダ  0.1ppm
 スウェーデン  0.1ppm
 デンマーク  0.12ppm
 WHO(世界保健機構)  0.08ppm

ホルムアルデヒド放散量基準の公的基準

JAS(日本農林規格)・・・合板、フローリング等

  表示区分      平均値      最大値
    F1   0.5mg/l以下   0.7mg/l以下
    F2   5.0mg/l以下   7.0mg/l以下
    F3   10.0mg/l以下   12.0mg/l以下

JIS(日本工業規格)・・・MDF、パーチクルボード等

    表示区分      最大値
      E0    0.5mg/l以下
      E1    1.5mg/l以下
      E2    5.0mg/l以下

上記表では解りづらいが、国内基準、JASのF1、JISのE0が、 ホルムアルデヒトの気中濃度の国際的な基準値、0.1ppm前後に相当する ものと考えてよい。                       

高気密。高断熱

近年、省エネ問題や、住宅の高性能・高耐久化により、住宅の高気密・ 高断熱化が進んでいる。                      ペアガラス・・断熱効果、ガラス面の結露防止、防音効果、紫外線        を軽減する効果など               断熱材・・・・グラスウール等の素材からポリエチレン系の素材が  多くなり断熱性・気密性が高まった。 通気工法・・・外壁面と柱、間柱の間に空気の層を設け土台から         屋根裏の軒や棟の換気口を空気が通るようにする事        によって構造材等への除湿効果や、結露防止、断熱        効果が得られる。中でも除湿効果は、木材への防虫        防蟻、防腐効果を高める働きがある。      

バリアフリー

高齢化社会の到来とともに、住宅内で滑ったり転んだりして怪我をする 人がとても多いことが、いろいろな調査で明らかになっています。   バリアフリーとは、障害の排除という考え方で、つまづきの原因となる 床の段差をなくしたり、必要な箇所に手摺りを設けたり、ゆったりとし た間取りや設備・建具の使い勝手等もその一つです。         バリアフリーについて考えてみましょう
 玄関
・土間と玄関ホール床面の段差を小さくする
・手摺りの設置
・ベンチの設置
・開閉がしやすい引き戸の使用
 出入口
・敷居の段差をなくす
・ゆったりした開口幅の確保
・狭い場所は、引き戸を使用
 階段
・手摺りの設置
・勾配をゆるくする
・ゆったりした幅の確保
・段鼻の出を小さくする
・滑り止めの設置
 廊下
・手摺りの設置
・ゆったりした幅の確保
 トイレ
・手摺りの設置
 風呂
・バリアフリータイプのユニットバスの使用
・手摺りの設置
 キッチン
・身長に応じて高さを低くする
・椅子に座って調理できるニースペースタイプの使用
 和室
・洋室・廊下等から畳への段差をなくす
 ベランダ
・ベランダへのまたぎを低くする
以上のような項目全てが必要な訳ではないが、必要に応じて設置し、 手摺り等は、将来的に設置出来るように、下地を入れておく事も大切 である。                           

空間

人は、色や明るさ、広さ等から、暖かさや安らぎ、開放感等を感じと る。住み良い住空間を造る上で、内装材や照明選びは、とても大切で ある。またライフスタイルや動線を考えた間取りをすることも重要で ある。                             照明・・・外観デザインも大切だが、電球を選ぶのも重要。最近      発光色のあたたかい白熱球タイプや、蛍光灯でも白熱     球に近い発光色のタイプの物が好まれています。       部屋の用途や雰囲気に応じた照明選びが大切でしょう クロス・・部屋の雰囲気を造る上で最も大切であり、人それぞれ      好みがあるので一概にはいえないが、シンプルなもの      を選ぶと飽きも来ないし、家具などとも合わせやすい      だろう。                          クロスの素材や種類は、あまり一般の人には知られて       いないが、水廻り、汚れ防止、抗菌、消臭、調湿等や、      中には、ホルムアルデヒドを消去するタイプの物や、       塩化ビニールや可塑材を使用しない土に還るエコロジー      タイプの物まであります。施工時には、ホルマリン無      添加糊を使用すると良いでしょう。         新建材・・建具や床材等はカタログだけでの確認では実際の色つ      やは解りにくいので、各メーカーの原物見本をみるか     メーカーショールームで確認すると良いでしょう。      また、床材は、耐水、耐熱、耐クラック、遮音などの      さまざまな機能を持ったものがあるので、必要に応じ      て使用するとよいでしょう。            天井高・・住宅の天井高は、2m40cmが平均的な高さだが部屋が10 畳、12畳と広くなると圧迫感を感じます。      部屋の広さに応じた天井高の確保が必要でしょう。