アナログの心地よさは?   2006.2.9

Nikonがフィルムカメラから撤退とのニュースを聞き、驚いた。でもよく聞くとF6とFM10(OEM機)は生産継続するので、Nikon製フィルムカメラが全滅ではないとわかり、少しは安心した。ということはFヒトケタ機はF6をもって最後になるということか。20数年間生き続けたF3が奇蹟に思える。F3こそNikonの最高傑作でしょう。

日常的な記念写真等はもうデジカメの画質で充分ですが、作品的なものをめざす場合は、FILMには太刀打ちできません。現状の情報量が恐ろしく少ない(画素のことではありません)デジカメにFILMが食われてしまうのは、写真表現者には憂鬱であります。CDはLPの完全な代替えになれなかったように、デジカメはFILMの完全な代替えはたぶん無理ではないかと思われる。デジカメとFILM、CDとLPの関係はなんだか似ている。シロートはデジカメ、通はFILMという構図がかつてのオーディオの、シロートはCD、通はLPという構図と同じだ。

銀塩写真が心地よく見えたりするのは、デジカメよりも圧倒的に多い情報量とレンジの広さは当然として、それに加えて本来劣化の要因とされている粒子と現像処理によるエッジ効果ではないかと思うようになった。粒子は画質向上のため、より細かくなるようFILMは開発され続けていたのだが、逆に目には見えないわずかな粒子感が、画像にめりはりをあたえているような気がするのだ。

リバーサルからスキャンしたものとデジカメデーターとどちらも同じデジタルデーターなのだが、スキャンデーターでもピクセルが粒子よりも充分小さければ、アナログの味が感じられるのだ。但しスキャナーは業務用の『FUJIFILMラノビア』を使用しての話なので、民生用ではその限りではないかもしれない。ついでに情報量があだになるケースとして、『FUJIFILMラノビア』でスキャンした画像をHP用には、リサイズしてJPGにするのだが、ファイルサイズがなかなか小さくなりずらいのだ。しかし同じ寸法サイズのデジカメデーター(補正のため一旦PSD保存している)は見事にファイルサイズが小さくなるのだ!デジカメデーターってこんなに間引かれるほどに情報が単純なのかと驚きます。

CD全盛になり、忘れかけた頃にLPの音は、『温かみがある』『やわらかい』といった言葉をあちこちで聞くようになった。これは褒めているのか、けなしているのかどうなのであろうか?対してCDは固い音であると聞く。LPの『温かみ』『やわらかい』とは回顧趣味的なけなしことばであると私は思っている。まあ安いプレーヤー+安いMMカートリッジでは確かにそうかもしれないが・・・・。私のオーディオ環境では、世間とは逆でLPが『鮮烈で迫力』のある音で、CDが『綺麗で聴きやすい』音となっています。アナログらしさの要因として、LPは20KHz以上の音を再生(ノイズも含む)できるがCDはできないからだという意見もあるが、私はそうではないと思う。それは15KHzまでしか再生できないF社の銘スピーカー「FE103」でも識別できるのであるからだ。

LPでも先の銀塩写真と同様に耳に感じないわずかな歪みやノイズがかえってめりはりや迫力を与えているように思うのだ。つまりは、特性が劣っているがためにアナログは心地よく聞こえるように思う。音の強弱(ダイナミックレンジ)の定義を『最強音とノイズレベルの差』としてしまうと数字的にはCDが圧倒的有利でLPでは話しにならないということになってしまうのである。しかしながら、過渡特性の非常に良いオーディオセットで聴く『ノイズ』は実にリアル?で、人間様は楽音とノイズの識別が楽になり、ノイズが気にならなくなるのである。ちなみに当然ですが測定器は楽音とノイズの識別はできません。音の強弱の定義を『楽音の最強音と細小音の差』とすればLPもCDもそんなに違わないということになります。むしろ、LPを聴いていると昔のアナログ時代の方が音作りが真面目だなと感じさせるものもあります。

私は所有するアナログ音源はすべてCD-R化し、原盤は封印保管して、CD-Rで聴いている。 LPからCD-Rに録音したものは、入れ物としてはCDと同等なのだが、やはりアナログの音がするのである。


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