第21回
「ストリート・オブ・ファイヤー」
1984年アメリカ
(ビデオ有) |
監督:
ウォルター・ヒル
出演:
マイケル・パレ、ダイアン・レイン、ウイリアム・デフォー、エイミー・マディガン、リック・モラリス他。 |
| 夏がくれば思い出す...一日ずっと観続けた青春の一本( &「俺たちの明日」との二本立て) |
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| 忘れられぬ二本立て。でもこちらの作品のストーリーはほとんど忘れてます。 |
中学時代、突如ブームになったのがチラシ集め。ただし新聞のモノではなく映画のチラシである。ブームに乗ったといえばスーパーカーとガンプラくらいで、それ以外には手を出さなかった。ウチはそれ程裕福じゃなかったし、お金が出せてもガンプラ程度が関の山だった。ちなみにガンプラは校内の個人売買が大きな問題となって、学校がプラモデルを買う事を禁止したから、ブームといってもやや不完全燃焼であった。それに比べ映画のチラシは無料、映画館へ行けば手に入ることが幸いした。もちろん1対1や場合によっては4対1の交換が成立する楽しさ、もちろん今の映画好きのキッカケを作ったのもこの頃である。
何かにつけ映画を批評するようになったのもこの頃。批評といっても映画そのものから、何と映画評論家までウンチクをつける始末。淀川長治、荻昌弘、水野晴郎、高嶋忠夫(って映画評論家?)と当時のTV洋画劇場の司会者までもその対象にあげていた。ただ淀川さんだけは別格だとなんとなく当時から判っていたようだ。もちろん水野さんの(警官)制服好きも印象的だった。ただ田舎のため、テレビ東京の木曜洋画劇場はこの中に入っていない。きっと木村奈保子なら血祭りにあげていたに違いない。
そんなわけの判らない時代を過ぎ、本格的に映画を観始めた頃、購読していたスクリーン誌にあった「火の通り」という作品の紹介が目に入る。それこそのちにタイトル「ストリート・オブ・ファイヤー」となったこの作品だった(かえす返す直訳「火の通り」でなくて良かったと思う)。ロッククイーン役ダイアン・レインの色っぽいコスチューム、マイケル・パレの風来坊ぶりが伝わるグラビア写真、当時の僕らにはとても刺激的だった。
公開日、この頃ちょうど夏休み。一人で観る映画もこの頃からだった。上映時間も見ずに朝から劇場へ向かった。すると劇場は「俺たちの明日」と「ストリート・オブ・ファイヤー」という二本立て。「俺たちの明日」はダリル・ハンナのセクシーなお姿と濡れ場、それと主人公のアイダン・クインのむやみなバイクによるアクションが印象的。橋の突端に缶を置き、すんでのところで止めるというありがちなパターン。映画としては駄作だった。
そして二本目、「ストリート・オブ・ファイヤー」が始まる。激しく打つビートとロックンロール。口(クチ)パクばればれのダイアン・レインに辟易するも、キャッチーな音楽は私を虜にし、マイケル・パレの無愛想さと不器用さ、そして意外なほどにエイミー・マディガンの女ッぷりが印象的だった。本作で彼女を推す人は多いだろう。ちなみに彼女はあのエド・ハリスの奥さんである。ウイリアム・デフォーの悪ぶりも鮮烈だった。ナンチャンが真似する気持ちも良くわかる。加えてヒルの盟友ライ・クーダーの音楽、パフォーマンスシーンでのダン・ハートマンの楽曲は初めて映画のサントラを買うキッカケでもあった。ファイヤー・インクの「今夜は青春」は絶対本家、カバー曲よりこちらの方が断然良い。テープをリピートし何度聴いた事か。そんな「ストリート・オブ・ファイヤー」は90分という短さ、ましてあらゆる面でこれほどインパクトのある作品は初めてだった。
一日中観続けた。最後の上映が終わるまで観続けた。でもここは二本立て。間に「俺たちの明日」を三度見た。三回ダリル・ハンナの濡れ場、缶を使ったアクションを、そしてその後に「ストリート・オブ・ファイヤー」を三度観る。ただそれでも辛くなかった。若かったんだなあ。青春映画といわれるとこの作品を挙げてしまうのは、そんな僕らを夢中にさせる映画ゆえ、そしてそんな思い出がそうさせるのかもしれない。劇場を出たら外はもう暗かった。 |