■やってみよう■

 ■自宅用のパソコンを買おう

 会社に入って間もないころ、大学の大先輩でもあるN営業部長から「英語かパソコンができないと、これからのビジネス社会では通用しないぞ」と言われました。
 英語は大の不得意であったため、私は迷わずパソコンを選びました。今ではこうしてホームページを作るまでになり、妻には「パソコンの王道を歩んでいるね」と半ば呆れられています(笑)。
 
 私は96年の春に、会社ではできない仕事を家でやるために、富士通のFMVデスクパワーSEを買いました。パソコンの進化に伴ってメモリー増設、CPUの交換、そしてハードディスクの交換とWindows95の再インストールまで行い、購入当初とはまったく別物になっています。そのパソコンに加え、97年夏にはIBMのThinkPad535というサブノートパソコンも購入し、会社での会議や出張時に使っています。
 パソコンを利用する最大の目的は、様々なアプリケーションを使って、早く正確に、そして楽にアウトプット(成果)を出すということです。
 特に企画関係の業務を担当していると、帰りの電車の中やお風呂に入っているときなどにアイデアが浮かんでくるものです。そこで自宅にパソコンがあれば、すばやくアイデアをまとめたり、企画書にすることができます。
 「会社を出たら仕事を忘れる」ことは大切だとは思いますが、8時間という限られた時間では、ライバルたちと差をつけることは難しいでしょう。若いうちだけと割り切って、自宅でも少し頑張ってみてはどうですか?

 ■尊敬できる人を見つけよう

 入社2年目のとき、顧問室にパソコンを設置する業務を担当しました。それからY顧問という元副社長に顔を覚えていただき、ときどきお話をする間柄になりました。
 Y顧問は副社長時代に建築本部長をされていたこともあり、バブル崩壊後の受注の急激な減少をたいへん心配され、受注の現況と見通しを私にときどき尋ねられました。
 3年目になると、後輩が2人となって部門の日常業務から開放されたため、空き時間に顧問室で1時間、2時間と話込んでしまうことも珍しくなくなり、ときどき昼食や外出のお供もするようになりました。
 話の内容はいつも「これから会社や業界はどうなっていくのか」というもので、年配の人にありがちな「昔はこうだった」という話はほとんどされませんでした。入社2、3年目の私にも熱心にお話くださる姿勢に感動したものです。
 顧問は非常勤となられて間もない96年6月にお亡くなりになり、まさに会社とともに歩んだ人生を終えられました。神戸から葬儀に参列した際、会長が会社の代表としてお別れの言葉を述べられ、顧問の入社以来の経歴と人柄の話に加えて、「君にはいつも苦労ばかりかけてきた」という趣旨のお話をされたとき、私は涙が止まりませんでした。「この人が一生をかけたこの会社を絶対に守ろう。それが後に残された後輩の役目だ」と心に決めました。

 現在の日本では、会社に対する帰属意識や愛社精神はなくなりつつありますが、尊敬できる人を会社の中で見つけることができれば、多少の苦労は乗り越えることができるでしょう。
 私の場合、尊敬する顧問ともうお会いすることはできませんが、いつでも自分のことを見てくれていると思って毎日頑張っています。

 ■ひとつの部署を3年と考えよう

 会社の考え方にもよりますが、3年をめどに配置転換されるケースは結構あるようです。そういう環境下では3年間の中期計画を立てましょう。
 1年目は環境に慣れ、仕事を覚えることです。配置転換や転勤は環境が大きく変わり、生活のペースも変わりますので、体を慣らすことが先決ですね。体が慣れたら前任者のレベルまで仕事を覚えましょう。期首、期末や年度末にしか行わない業務もあるでしょうから、1年経つとひと通り経験し、全体像が理解できるでしょう。
 2年目は担当する業務の内容を分析・検討し、合理化や省力化を行いましょう。ここでは違うやり方を考えたり、新しい角度からの分析を加えることが重要です。ここがオリジナリティの見せ所であり、工夫や存在感を発揮できる部分です。
 そして3年目は仕上げの期間として、後任者への引継ぎを視野に入れましょう。自分がやってきたことを後任者に託す前に、スムーズに覚えてもらえる環境を作ります。これがなかなか難しいのですが、障害や悪い慣習を取り除くことに注力します。人間は年月を経ることによりその環境に慣れてしまって、問題点を見逃してしまいがちです。視点を変えて、自分が転勤してきたらどう思うだろうと考えて、問題点を整理して解決策を講じます。これは上司の協力が必要なケースが多く、時には人事面の話にもなるでしょう。

 会社の組織や業務は、時代の流れとともに変化していきます。同じ人が同じ業務を長い期間担当していると、視点や考え方が硬直してきますね。また人間ですからプライドもあり、自分が時間をかけて一生懸命やってきたことを変えたり、根本から否定することはたいへん難しいことです。だから会社は配置転換を行うのです。同じ仕事を他の人が、違う視点から新しいやり方で行ってくれることを期待しているのです。

 ■逆境や高いハードルを楽しもう

 あなたは「仕事は楽な方がいい」と思っていますか?同じ働くなら、きつい仕事より楽なことをして給料がもらえた方がいいに決まっているのでしょうか。
 スポーツの世界にたとえると、強い人と対戦し、こてんぱんに負けて悔しい思いをすることで多くのことを学び、考えます。自分の弱点はどこか、伸ばすべき長所はどこか、そしてどうやったら次の機会に勝てるか、と一生懸命考えます。強くなればなるほど、自分よりも強い人と対戦することに喜びを見出し、ゲームを楽しみます。
 会社でも同じです。難しい仕事をこなし、困難を乗り越えることによって実力がつき、自分を強くします。「こんなことやりたくないあ」と消極的に考えると、良いアイデアも浮かびませんし、スピードもあがりません。結果は推して知るべしです。

 人間は逆境や高いハードルに立ち向かうことによって強くなります。ビジネスの世界では、自分勝手に好きな仕事や簡単な仕事だけを選ぶことは不可能です。逃げることなく立ち向かいましょう。そしてもう一歩踏み込んで、難しい仕事を楽しむくらいの心の余裕が良い結果を生み出すのです。

 ■バランス感覚を養おう

 会社ではいろいろな部署の人が様々な仕事を担当しています。自分一人で最初から最後まで完結する仕事は数少ないでしょう。上司の承認が必要であったり、逆にあなたが後輩の仕事をチェックしています。加えて大半の仕事は、あなたのアウトプット(成果)を他の人や他の部門が利用しており、また必要としているはずです。
 仕事は自分一人でできないだけでなく、会社内では集団行動が要求されます。当然のことながら、様々な人の様々な考え方が会社の中に渦巻いています。そんな中で物事の本質を読み取り、自分にとって必要なものを取捨選択し、仕事や会社を正しい方向へ導くものは「バランス感覚」です。
 私たち中堅職員は上司と部下や後輩に挟まれた「中間的な」立場にいます。双方の考え方を聞き、正しい方向へ導くためにもやはり「バランス感覚」が必要ですね。