◆上司に対して◆

 ■上司は選べないけれど・・・

 子供が親を選べないように、会社生活において部署や上司を選択できるケースはほとんどないでしょう(一部フリーエントリーといった社内公募の制度を持つ会社もありますが・・・)。
 気の合う人や合わない人など、上司との関係は千差万別ですが、これは会社生活に大きな影響を及ぼします。気の合う人と一緒なら問題はありませんが、性格的に合わない人と朝から夕方まで机を隣り合わせにするということは、精神的なストレスは相当のもので、ひどい場合は登校拒否ならぬ出社拒否症にまで発展するケースがあります。
 しかし考えてみてください。上司と部下の組み合わせなんて、人数の多い会社の中では天文学的なものになります。その中で合う、合わないがあることは当たり前です。いっそのこと、気が合うことなんかないと考えた方が楽かもしれません。育った環境、年代、業務経験など、持っているものすべてが異なる人間同士の相性が合うことなんて、そうそうないと思いませんか?
 そう考えると気が楽になるでしょうし、上司との付き合い方も変わってくるでしょう。気が合わないことを悩んでも自分ひとりでは解決できませんし、考えるだけ時間の無駄です。上司と部下の相性なんて、当人同士がゼロから作り上げる以外にないのですから・・・。

 ■上司と部下の関係とは

 上司には絶対服従だと考えている人は結構いると思います。人事考課(勤務評定)権を握られているのですから当然かも知れません。
 しかし相手も普通の人間です。考え方や指示がすべて正しいとは限りません。その指示をよく理解して、正しい方向へ導くのは部下の役目です。
 私は上司と部下の関係は、仕事を行う面では「対等」だと考えています。お互いの考え方をぶつけることによって、より良い方向へ向かうでしょう。業務経験に差こそあれ、仕事に取り組む姿勢や着眼点など、上司が部下から学ぶことは数多くあるはずです。

 お互いの意見に耳を傾け、取り入れるべき良いアイデアは素直に認める。そして何より自分たちの部門に期待された役割を全うするために、上司と部下が同じ目的に向かって最大限の努力をする。そんな関係になりたいものですね。

 ■「できません」ではいけません

 上司に仕事を頼まれた。でも他にも仕事を抱えていてもうパンク状態!そんな時あなたはあっさり「できません」と答えていませんか?
 やってもいないのに、どうしてできないとわかるのでしょう?こういうケースでは「他にこの仕事を抱えていますので、これくらい時間がかかりますがいかがでしょうか?」とまず答えるべきです。そうすれば上司も他の方法を考えたり、「それでもいいよ」とあなたに任せてくれるでしょう。
 部下に仕事を頼むというのは、自分でやることが面倒くさいからではありません。部下にハードルの高い仕事を任せることにより、新しいやり方や着眼点を覚えたり、自分の弱点に気がついたり、そしてその弱点を克服したりと、数多くの大きな効果を期待しているのです。
 「自分の限界を知る」というこうとは非常に意味のあることです。そして難問を解決したり、困難な状況を克服することによって、実力がついていくものです。
 上司はあなたに簡単な仕事ばかり頼んでいては、あなたにとって何のメリットもないとわかっているのです。

 ■上司は部下を守るもの?

 「失敗しても上司がフォローしてくれる」と思いながら仕事をしていることがありませんか?その考え方は今日から捨てましょう。
 自分の仕事に責任を持ち、ミスや失敗にないように心がけることはもちろんですが(誰も失敗しようとして故意にしているわけはないでしょう)、万が一不幸にしてミスがあったときに、そのフォローの仕方が非常に重要であり、あなたの仕事の真価が問われているときなのです。上司に経過を報告し、自分で考えた最善と思われる方法を申し出て(「どうしたら良いでしょう」は禁句です)、了解を得て迅速に対処します。そしてミスの起こった原因を分析し、再発の防止に努めましょう。
 上司はあなたの失敗をフォローするために存在しているわけではありません。実際には親切かつ丁寧にあなたの失敗をかばってくれるかもしれませんが、そういうやさしさに甘えてはいけません。
 また、「小さなミスだからいいじゃないですか」「あ、間違えました。ははは」なんてあっさり流してしまう人を見かけますが、こんな人に重要な仕事は任せられません。「自分にやさしい人」はこれからの厳しい時代に対応できないと思いますよ。

 ■「報・連・相」は自己防衛

 いくら自分の仕事だからといって、自分一人でやってしまうことは考えものです。特にミスが他部門の業務に大きく影響するようなものなら、途中経過や結果を適宜報告しましょう。(たまに自分の仕事が他部門にどう影響しているか、理解していない人も見かけますが・・・)
 報告・連絡・相談はいわば「部下の義務」です。タイミングを逃さず報告し、連絡は密にする。そして難しいこと、困ったことは早い時期に相談しましょう。上司に報告・連絡・相談することによって、降りかかってくるリスクを事前に回避もしくは緩和させることになります。

 これからの時代は「自分の身は自分で守る」という意識を持ちましょう。詰めが甘かったり、緊張感や厳しさのない業務姿勢は大きなマイナスになります。それどころか周りのスタッフの大きな迷惑になる、ということも付け加えておきます。