| ◆部下や後輩に対して◆ ■「怒る」のではなく「叱る」
部下や後輩に対して注意したり、ミスを指摘するべきケースは多々ありますが、なかなか面と向かっては注意できないものです。家庭でも親に厳しくされたことがないという世代が増えつつある現代では、非常にデリケートな問題です。
人前で「何をやってるんだ、この野郎!」なんていう、ドラマの一場面のような怒り方は論外です。人のいないところで「君のこういうところは直した方がいいと思うけど」といったソフトな注意の仕方が望ましいですね。「どうして俺の足を引っ張るんだ」なんてことをいってはいけませんよ。
また、ミスや失敗に対しては感情的かつ一方的に「怒る」のではなく、今後二度としてはならないと、理路整然と「叱る」ことが肝要です。特に単純なミス程度を軽く流すケースが数多くありますが、これは非常に危険な行為です。仕事に大きい、小さいはありません。どんな仕事にも真摯に、真正面から取り組まなければならないと、厳しく叱るべきです。
「何でこんなに気を使わなければならないんだ」と不思議に思う人もいるでしょう。しかし、これが人と人とのコミュニケーションのあるべき姿です。
■「いいひと」では先輩失格
誰でも人に対して注意したり、叱ったりしたいとは思っていません。そのため「まあいいか」と見て見ぬふりをして、「ことなかれ主義」に陥っていませんか?
後輩は常に先輩を見ています。先輩から指示された仕事を行い、途中経過や結果を報告するときにはどきどきしているものです。「どう思っているのだろう」と不安感の中で話しているのですから、必ず率直に答えてあげましょう。
「あの人はいつもやさしい」「後輩の失敗をフォローしてくれる」という姿の先輩を見かけますが、これで本当に良いのでしょうか?後輩の失敗の原因を追求し、非を自ら認めさせ、二度と起こさないように指導するのが「先輩」です。当然厳しい接し方になるでしょう。
会社は「仲良しクラブ」ではありません。お互い仕事を全うすることによって給料をもらっているということを忘れず、自分の仕事は自分が守るという「プロ意識」を持つべきです。そのためには先輩は「いいひと」ではいられませんよ。
■自由と自己責任を教える
任せた仕事には口出しせず、部下に合理化・省力化の方法や自分に合ったやり方を考えさせる。これだけでも先輩・上司としては少し勇気がいるかも知れませんが、これからはもう一歩踏み込んで、「自由」にやらせましょう。そして「自由」を与えると同時に「自己責任」も教えましょう。
つまり、あなたの仕事なんだから自由に考えてのびのびとやりなさい。そして自分の仕事の成果や結果に責任を持ちなさい、と指導するのです。そうすれば必死になって最善の方法を考え、慎重にステップを踏んでいくでしょう。そこで先輩はもう一言「ゆっくりやるのなら誰でもできるからな」と、スピードとの兼ね合いをつけ加えるのです。
これからの時代はスピードが常に要求されます。パソコンを使ってスピードアップの方法も考えられるでしょうし、省力化もできるでしょう。
部下や後輩に「工夫する自由と楽しさ、そして難しさ」をぜひ教えてあげてください。
■達成感と充実感が人を育てる
簡単な仕事をできる人にやらせることは、何ら進歩を生み出しません。どんな仕事でも誰かがやらなくてはならない、という議論はさておき、常に一歩上の仕事を担当させるように心がけましょう。
「人にやらせるくらいなら自分でやった方が早いし確実だ」という意見もあるかと思いますが、それはちょっと余裕のないさみしい意見ですね。できるかどうかやってみないとわからないわけですから、まずやらせてみる。そして、つまずいても最後まで一人でやらせてみる。その達成感や充実感は体験した者にしかわからないでしょう。そして後でもっと良い方法や軌道修正の方法を、あなたが一緒になって考えればよいのです。
どんどん自分の仕事を部下に任せましょう。そしてもちろん、あなたももう一歩上の仕事をどんどんこなしていくことが要求されているのです。
■良い先輩はレールを引かない
あなたがやってきたことを一言一句、手取り足取り後輩に伝え、このとおりやれと指示していませんか。それでは後任者はオリジナリティがまったく出せませんよ。失敗したらどうするかって?それは後輩に考えさせるべきでしょう。
仕事の本質や背景は、いくら口でいってもなかなか理解できるものではありません。ポイントだけを説明して、何はともあれやらせてみることです。後輩もやってみて初めて難しいポイントや気をつける点を理解します。そして自分にあったやり方を考えるでしょう。それはあなたのやり方より優れているかも知れません。
あなたのクローンを作ることを誰も望んでいません。あなたと違ったやり方、考え方でさらにレベルアップすることをみんなが望んでいるのです。そのためにゴールは教えても、その道筋にレールまで引いてしまうのは考えものです。あなたのやってきた道筋は最も早い方法でも最短距離でもないかも知れないのですから・・・。
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