新潟県の高校野球に関する出版物
「野球後進国」(この表現はあまり好きではありませんが)といわれて久しい新潟県ですが、「ベースボール・マガジン社」の社長が新潟県出身、さらに新発田農業高校野球部監督として昭和55,56年の夏の甲子園に出場した安田辰昭氏も同社に勤務していた為か、この県の高校野球に関する出版物は比較的多く発行されています。
ここでは、こういった本を出版された順に紹介していこうと思います。
なお、ここに紹介されている以外にも、「こういう本がある」等、ご存知の方、掲示板の方にお知らせいただけたら幸いです。
心の甲子園
安田辰昭著 ベースボール・マガジン社 1982年初版発行(1200円+税)
昭和55,56年と2年連続で夏の甲子園に出場、56年には見事に甲子園で2勝を挙げた新発田農業高校野球部監督(当時)の安田辰昭氏の手記。
彼自身の生い立ち、小千谷高校、新発田農業高校野球部監督だった頃の思い出、さらには彼自身の高校野球、そしてアマチュアスポーツ全般についての考えが述べられています。
負けてたまるか 甲子園の心と技術
安田辰昭著 ベースボール・マガジン社 1992年初版発行(825円+税)
新潟勢の比較的近年の甲子園での試合成績などをもとに、新潟県勢の問題点、練習方法などを考えた著書。
著者の新潟県の高校野球にかける情熱がうかがわれます。
雪深し 中越高校・鈴木春祥監督30年の軌跡
安田辰昭著 ベースボール・マガジン社 1995年初版発行(1456円+税)
1965(昭和40)年から同校の監督となり、1994(平成6)年の夏に6度目の甲子園出場で初勝利を収め、さらに2回戦も突破した中越高校の鈴木春祥監督(当時)、そして同高校野球部を外から見続けてきた安田辰昭氏の著書。
中越高校の校風、鈴木監督の指導法などについても述べられています。
なお、題名の「雪深し」というのは、同校の校歌の歌い出しの部分のことです。
近ちゃんの高校野球
安田辰昭著 ベースボール・マガジン社 1997年初版発行(1600円+税)
「新潟テレビ21」のアナウンサー・近正仁氏にまつわる物語。
野球に関して全くの素人であった彼が、アナウンサーという仕事を通じて高校野球の世界に入り込み、監督、選手達との交流を通じて野球に詳しくなり、アナウンサーとしての技量も上達していき、同局の名物アナウンサーとなった過程が記されています。
想いは熱き甲子園
関川弘夫著 新潟日報事業社 1997年初版発行(1600円+税)
1984(昭和59)年の夏に甲子園に初出場してベスト8。その後も1989(平成元)年夏に甲子園に出場した新潟南高校野球部監督(当時)の関川弘夫氏の手記。
この時は私自身(まだ中学生の頃)もテレビの前で必死で同校を応援していたので、その頃の事を思い出しながら読み通しました。
新潟南高校という進学校での選手の育成、練習法、そして筆者の高校野球にかける情熱がうかがえます。
新潟県高校野球熱戦譜
ベースボール・マガジン社編 1997年初版発行(2000円+税)
新潟県高校野球連盟創立50周年を記念して出版された本で、その題名の通り、過去の高校野球新潟大会の名勝負を、当時の監督達の手記で振り返り、こういったところから、今後の高校野球の練習、指導に役立てていき、さらには高校野球の本質的な部分にも迫っていこうという企画で出版された本で、戦後の新潟の高校野球の歴史が凝縮された内容です。
飯豊に誓う 雪国の農業高校 夢の甲子園物語
安田辰昭著 恒文社 1999年初版発行(1600円+税)
1998(平成10)年、富樫(のち日本ハム)−加藤(のち巨人)のバッテリーを軸に春夏連続して甲子園に出場した新発田農業高校の軌跡。
前半は、筆者自身が同校の監督だったころのことについて触れられていて、「心の甲子園」と内容が重複する部分もありますが、私自身も、この年(1998年)の新発田農には注目していて、何度か観戦にも出掛けたので、その頃の事を思い出しながら、すんなりと読み通すことが出来ました。
甲子園に賭ける
鈴木春祥著 新潟日報事業社 2003年初版発行(1600円+税)
中越高校野球部監督として、7度甲子園に出場した鈴木春祥氏が、38年間勤務し続けた同校を定年退職したのを機に出版された著書。
鈴木氏自身の生い立ち、野球観、指導法、甲子園での思い出などが記されています。
(参考)
「野球の虫」の完全試合
今井雄太郎著 ベースボール・マガジン社 1992年発行(971円+税)
新潟県・中越高校からノンプロの新潟鉄道管理局、そして阪急ブレーブス〜福岡ダイエーホークスを渡り歩きプロ通算130勝を挙げ、さらに1978(昭和53)年には完全試合を達成した今井雄太郎氏の手記。
決してエリートコースとは言えない道を歩み、苦労して一軍に定着し、主力投手にまでのし上がった過程、さらには彼の少しばかりユーモラスな一面も覗え、なかなか読み応えのある一冊です。
(参考)
多摩川晩花
安田辰昭著 ベースボール・マガジン社 1995年初版発行(1456円+税)
新潟商業高校から1981年秋、ドラフト外で日本ハムファイターズに入団、13年もの下積み生活を経てプロ入り14年目のシーズンにやっと一軍レギュラーの座をつかんだ渡辺浩司選手にまつわる物語。
プロ野球の世界は、どうしても華やかな活躍をする選手ばかりに目が行きがちですが、こういう選手もいてこそプロ野球が成り立っているのだな、という気持ちになり、地道に努力を重ねる事の大切さを教えてくれるような気がします。