アニメーションで見る相対性理論


時空図



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ローレンツ変換は、可視化できます。 ここでは、時空図を導入し、 ローレンツ変換と同じ事を、図を用いて表現することを考えます。

図11

図11を見てください。これは、前節でローレンツ変換を導くために導入した図です。 列車の座標系における同時刻ラインが x-軸になっていますが、 これは2つの座標系をひとつの図にしようとするための準備です。 また、x-軸において、左の光が発射された位置と右の光の発射された位置の距離は L ですので、 右の光の発射の位置に、L という値が目盛ってあります。 もうお気づきでしょうが、 図11では、長さの大小関係が、 列車における座標系と列車外(線路)における座標系で狂っています。 これは、L と L/a を比較してみれば解ります。 しかし、これは、 列車の座標系と列車外(線路)の座標系で目盛りの刻み幅が異なっているので当然のことなのです。 というより、図11に合うように、x-軸の刻み幅を決めてやればよいだけのことです。 計算のときの注意事項としては、刻み幅が異なった座標系の値に対して、 同時に三角法などを使用しないようにします。 図11で示されているように、 右の光の発射(列車の座標系で、位置 L、時刻 0)の列車外(線路)における位置、時刻を求めるには、 x'軸と t'軸に垂線をおろし、 その足の座標を求めればいいです。これは、 列車の座標系における一般の出来事についてもいえます。 列車の座標系における一般の出来事の位置と時間を表すためには、 図11に t-軸を書き込む必要があります(図12)。 前述した、左からの光を鏡で反射させる思考実験を思い出してください。

図12

光が鏡に反射してもどってきたというでき事の列車外(線路)における時刻は、 図12のとおりに分かっています((1/a)L/c)。 「動く時計の遅れ」の式 (8) を参照してください。 列車の左端が、速さ v で右に運動していることを考えると、 その出来事の列車外(線路)における位置は当然 (v/a)L/c です。 また、その出来事の列車における時刻は、往復Lの距離を光が速さ c で進むわけですから、 L / c です。

では、図11に t-軸を書き込みます。 ただし、ここでは、L を 1 とします。 列車の座標系で測った列車の長さを 1 として、長さの基準とします(図13)。

図13

図13では、まだ、図が複雑です。 いっそのこと、光の速さを 1 としてみませんか。 つまり秒速15万キロメートルの速さを 0.5 とするのです(図14)。

図14

大分、図が単純になりました。 列車の座標系における位置と時刻から、 列車外(線路)における位置と時刻がわかるようになりました。 図14の矢印をたどるだけです。 図14のでき事に向かう2本の矢印は、それぞれ、 x-軸t-軸に平行になっています。 いろんな t に対し、 列車内の同時刻ラインは x-軸に平行になります。 ローレンツ変換は、

 (26-1)
 (26-2)

の形をしてますので、(26-1)式、(26-2)式から x を消去すると、

 (26-3)

と、任意の t に対して、x' と t' の関係(直線)が得られます。 つまり、各列車内時刻 t に対応する同時刻ラインはすべて平行になり、 この中に x-軸も含まれています。 同様の計算により、各列車内位置 x に対応する同位置ラインは、 すべて t-軸 に平行になります。 列車外(線路)における位置と時刻から、 列車の座標系における位置と時刻を求めるには、 図14の矢印を逆向きにたどればいいです。 これは、少年が老人を見たとき、老人の時計が遅れることに矛盾しません。 少年の時計というでき事の集合(少年の時計の世界線といいます)が t-軸であるのに対して、 老人の時計というでき事の集合(老人の時計の世界線といいます)が t'-軸であるからです。 でき事(事件、イベントともいいます)が異なっているのです。

時空図を使用すれば、列車の動きを時空の中で視覚化し、 ローレンツ短縮などを図で理解することができます。 図15を見てください。

図15

図15では、列車の時空における列車の動きを示しています。 図16を見てください。

図16

図16では、列車外(線路)の時空における列車の動きを示しています。 簡単な三角法により、ローレンツ短縮の式も解ります。 図17を見てください。

図17

三角形ABCと三角形OB'C'は相似ですから、 相似比を計算することにより、BCの長さは、 v2/a になります。 したがって、列車外(線路)における列車の長さは、

 (27-1)
と、正しく求められます。ここで、

 (27-2)
に注意してください。

また、図17、(27-1)式より以下の図18も了解できると思います。

図18

図18では、少年の時計が時刻 1を指したというでき事(赤丸)が、 老人から見れば、時刻 1/a に対応し、 老人の時計が時刻 a を指したというでき事(青丸)が、 少年から見れば、時刻 1 に対応していることを表しています。 こうして、互いに相手の時刻が遅れて見えます。 ただし、「見える」*は互いに相手を実際に見た場合の見え方ではありません。 老人が、少年の時計を実際に見ると、光が後ろ倒し(前倒しの反対)に到着するので、 少年の時計は余計に遅れてみえます。 ここで「見える」*というのは、 それぞれの観測者にとっての同時刻ラインで時計を比較したときの話です。




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