アニメーションで見る相対性理論


ローレンツ変換



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ローレンツ変換とは、ある座標系における位置と時刻のペア(なにも起こってなくてもでき事という)と、 その座標系から見て動いている(動いてなくてもよい)別の座標系における、 そのでき事の位置と時刻のペアを対応させる式です。 ある座標系におけるでき事(位置と時刻を伴っている)は、 別の座標系にとって、一体「いつ」「どこで」起きたのかを確定するものです。

これから、更に話を続けていく上で、同時刻の相対性について定量的にまとめておくことが必要です。 最初のトピックス、 ローレンツ短縮(ローレンツ収縮)と同時刻の相対性を思い出してください。 列車における同時刻が、列車の外で静止する老人にとっては同時刻でなくなるという話でした。

図8を見てください。これは、列車の中の同時刻に列車の両端から光が発射されたシーンです。

この2つのでき事が、列車の外で静止する老人にとっては同時刻ではなく、 図9のように右の光の発射が T 遅れるのでしたね。

左の光の発射という事件が、列車内外で、時刻 0, 位置 0 で起こったものとします。 少年は、列車内の位置 0 にいるものとしましょう。 右の光の発射は、列車内で時刻 0, 位置 L において起こったのですが、 これが、列車の外の静止した世界では、 時刻 T, 位置 L/a で起こったことになるのでした。 前トピックスで、少年の時間と老人の時間は、時間単独では対応がつかないと申しましたが、 場所を決めてやれば、一対一対応をつけることができます。 T がそのためのキーになります。

ここで、T を求めておきましょう。以下に (2')式を再掲します。

 (再掲2')

これを変形すると、

 (12)

となります。

 (再掲3-7)

でしたから、(12)式は、

 (13)

 (14)

となります。

図10を見てください。 以後、列車内における位置と時刻はそれぞれ x, t で表され、 列車外における位置と時刻は x', t'で表されるものとします。

今、L の値は何でもよいので、 列車内の時刻 0 は図10のグラフの傾いた直線に対応します。 図10では、グラフの傾き(「x'における単位距離」あたりの列車外の時間の進み)は、 v/c2 になります。 列車内の単位距離あたりの時間の進みは、 T を L で割ってやると求まり、

 (15)

になります。

さて、列車の左端という場所において、 列車内の時刻 t と列車外の時刻 t' との間には、

 (再掲10)

という関係がありました。 では、列車の左端ではなく、列車における一般の位置 x において、 再掲(10)式はどう補正すればいいのでしょうか。 列車内の単位距離あたり、値(15)だけ時間が後になるのですから、

 (16)

としてやればよいです。

(16)式をみれば、時間を測る場所 x を決めてやれば、 t と t'が一対一に対応していることが解ります。 例えば、x = 0であれば(少年の傍らに時計を置けば)、

 (17)

ですし、x = - vtであれば(老人の傍らに時計を置けば)、

 (18-1)

になります。実際に計算してみます。

x = - vt を (16)式に代入すると、

 (18-2)

になり、さらにこれを整理すると、

 (18-3)

となり、(18-1)式となります。

次に、列車の中における位置 x, 時刻 t は、 列車の外の静止した世界のどの位置 (x') に対応するのでしょうか。 列車内の時刻 0, 位置 L が、列車外では、位置 L/a に対応しました。 L の値はなんでもよいので、L が列車内の位置 x を表すとし、

 (19)

 (20)

とすると、

 (21)

となります。 しかし、これは列車内の時刻 0 のものです。 列車内の時刻 t において、式(21)はどう補正すればよいのでしょうか。 トピックス「動く時計の遅れ」を思い出してください。 光の往復の間に、列車内では L / c だけ時間が経ち、 列車外(静止した世界)では、

 (再掲 8)

だけ時間が経つのでした。 これは、列車内の単位時間に列車外の静止した世界では、 1 / a だけ時間が経つことを意味します。 この間に列車内の位置 x は、 列車外で v / a だけ右に移動します。 したがって、列車内の一般の時刻 t において式(21)は、

 (22)

としてやればよいです。

二つの式

 (16)

 (22)

をローレンツ変換と呼びます。 この式の逆変換(x', t' から x, t への対応)もこの式から導かれます。 v を -vに置き換え、 x' と x 、t' と t を入れ替えてもいいですし、 ごりごり、(16)式、(22)式を x, t について解いてもいいです。

位置と時間の組は、老人におけるものと少年におけるもので一対一対応をしています。 老人が、少年の傍らの運動している時計の位置の、 自分における時刻を知るには、 線路にずらっと並べられた静止している時計のうち、 運動している時計の真下にある時計の針を追うという方法があります。 2つの時計の指す時刻を比較することで時間の対応が解ります。 しかし、光の速さは有限なので、 老人は、光が老人に到着するまでの時間だけ遅れて、 t't の対応を知ることになります。




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