アニメーションで見る相対性理論
動く時計の遅れ
等速直線運動する列車に立っている人(少年)の傍らにある時計を考えます。
特殊相対性理論によると、
列車の外で静止している人(老人)にとってのその時計の進みは、
少年にとっての時計の進みに比べて遅れます。
これは、老人が少年を見た場合、
少年の動きはスローモーションになることを意味します。
ここで、状況は前トピックスと同じとしています。
なぜ、このような事が起こるのでしょうか。
前トピックスに話を続けます。
今、図7のように、列車の中央の少年の位置に鏡を置き、
列車の左端に時計を置きます。
時計の位置における2つのでき事を考え、時間の経過を測るものとします。
左からの光は鏡に反射してもどってきますが、
この、「光の発射というでき事」と、
「もどってきた光が列車の左端にぶつかるというでき事」に着目します。
この間の時間は、
光速は c ですので、少年にとっては L/c です。
この2つのでき事の間に、
時計の時刻は L/c だけ進みます。
この2つのでき事を老人はどう見るのでしょうか。
老人の視点から考えます。
光を発射してから時間 t1 後に光が鏡に当たるのでした(前トピックス)。
それから更に時間 t2 たって、
光が列車の左端にもどってくるものとします。
ここで、前トピックスの(1')式を再掲します。
 | (1') |
t2 については、
列車の長さ / 2 = 帰りの光の移動距離 + その間の列車の左端の移動距離
より、以下の方程式がたてられます。
 | (6) |
これらにより t1 と t2 を a で表し、
t1 + t2 を求めると、
 | (7) |
となり、これを更に変形すると、
 | (8) |
となります。
(8)式をみると、
老人にとっての2つのでき事の間の時間 t1 + t2 は、
少年にとってのそれの 1/a 倍になっています。
しかし、老人は、
光の発射の時の列車の中の時計の時刻として、
少年と同じ時刻を目撃するはずです。
「光が発射された」ことと「時計がある時刻を指した」ことが同一の場所で同時に起こったことは、
見る人が異なっても変わらない、絶対的なものでしたね(前トピックス)。
帰りの光が列車の左端にぶつかった時の時刻についても同様です。
時計が示すでき事間の時間は老人が見ても確かに L/c です。
時計の針が L/c だけ進む間に老人が経験した時間は、
(1/a)(L/c) ですので、a < 1 より、
L/cよりも長くなり、
老人が見た時計はゆっくり進みます。
これが、動く時計の遅れです。
ここで、少年における時間の経過を t とすると、
 | (9) |
になりますから、その間の、老人における、時計の位置の時間の経過を t' とすると、(8)式より、
 | (10) |
となります。
列車の固有の長さ L はなんでもいいので、任意の t について (10) 式が成り立ちます。
この式によると、時計の位置における時間の流れは老人の方が早いことになり、
つじつまが合います。
トップページに戻る
/インデックスに戻る
前のトピックス(ローレンツ短縮と同時刻の相対性)へ
/次のトピックス(光速度不変の謎を解く)へ