図4を見てください。時計Xを住人が北と南の2つの時計の間にびっしりと配置します。 それらは、住人に対して静止しているとします。時計Xの時刻合わせは、 前ページの北と南の時計合わせの時に同時に済ませてしまいましょう。 時計Xで光の往復時間を測り、その半分を北の時計から通知された時刻に上乗せします。 図4から分かるように、隣人のダイアグラム上に住人の同時刻に対応する直線が引けます(赤線)。 時計Xが部屋の外に配置された場合に話を拡張しても、 住人の同時刻は直線(赤線)上にあることは明らかでしょう。

図5を見てください。南の時計が3時01分を指した出来事と、 北の時計が2時59分を指した出来事の位置と時間を黒点で表しました。 時計の指す時刻でわかるように、この出来事は、 住人にとっては北の時計が2時59分を指した出来事の方が先に起こります。 でも、図を見てください。隣人にとっては、南の時計が3時01分を指した出来事のほうが、 先に起こっています。

このように、同時刻の相対性は、 出来事の時間的順序までが絶対的でないことを示しています。 ニュートン力学の世界観では、原因は結果に時間的に先行し、 見る人によって、原因と結果の時間的順序が入れ替わることがありませんでした。 図5でわかるように、2つの黒点を結ぶ直線は、光速を超えています。 時間的順序が相対的である2つの黒点(でき事)を結ぶ直線は必ず光速を超えます。 言い換えれば、光速を超えていなければ、時間的順序は絶対的です。 光速を超えない範囲にのみ因果関係が存在すると考えれば、なにも問題なさそうですね。