アニメーションで見る相対性理論(数式なし版)

ローレンツ収縮-距離って絶対?


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これまでの結論「同時刻の相対性」によれば、距離の絶対性も怪しくなってきます。 距離は観測者における同時刻の位置の差と定義します。同時刻が相対的ならば、 距離も観測者の運動によって相対的なものではないでしょうか。このページでは、 運動する隣人からみて、時計間の距離が、 時計に対して静止している住人にとってのそれより小さくなることを説明します。 距離の短縮現象を「ローレンツ収縮」または、「ローレンツ短縮」といいます。

今、隣人が空飛ぶじゅうたんに乗って、住人の部屋を北から南に高速で通過するとします(図6)。 図6は、部屋に対して静止している住人の視点からのものです。 北の時計と南の時計は、それぞれ三角マーク(赤で図示)をぶらさげていて、 自分の時計が3時になった瞬間に、 空飛ぶじゅうたん上の自分の位置に三角マークを固定したとします。 これは、住人にとって同時のでき事です。

図6 隣人の空飛ぶじゅうたんの運動

隣人のダイアグラムにこの様子を図示しました(図7)。 距離軸は、隣人の距離軸から分かるように、 観測者にとっての同時刻を表すの直線です。 住人にとっての距離軸は、住人にとっての同時刻線(斜めの赤線)になります。 CC'が住人にとっての2つの時計間の距離であり、 住人にとっての三角マーク間の距離でもあります。 住人の同時刻における位置の差になってますね。

図7 三角マーク間の距離

図7の A'C' はじゅうたんの上の隣人にとっての三角マーク間の距離です。 図7によると、CC'の方が A'C' より長く見え、 三角マーク間の距離については、 三角マークに対して運動している住人にとっての方が大きいと思われるかもしれませんが、 隣人の距離軸に目盛りが入っていないため、これまでの話だけでは、長さの比較はできません。 なお、住人の距離軸(同時刻線)には、目盛りが入ってます。 CC' は、住人にとっての北と南の時計間の距離だからです。 実は、隣人の距離軸に目盛りが入っていないにも関わらず、三角マーク間の距離については、 三角マークに対して運動している住人にとっての距離の方が、 三角マークに対して静止している隣人にとっての距離より小さいことが示せます。 話を続けましょう。図8を見てください。

図8 時計間の距離

図8では、住人にとっての時計間の距離は CC' で、 じゅうたんの上の隣人にとっての時計間の距離は、 AC' であることを表しています。 ここでも同様に、時計間の距離について、住人と隣人の立場での距離の比較はまだできません。 これらを可能とするために、 特殊相対性理論の2つ目の原理である「特殊相対性原理」について説明します。

特殊相対性原理は、等速直線運動する人にとっての物理法則は、 他の等速直線運動する人にとっての物理法則と同等であるというものです。 本解説の設定では、住人にとっても、隣人にとっても物理法則は変わらないということです。 これは、光速度不変の原理に次ぐ、特殊相対性理論第2の仮定であり、 これまでの物理理論で、正しい(実験や観測に附合する)物理理論は皆これを満たしているため、 特殊相対性原理も疑いようのない事実と考えられています。

ここで固有の距離を導入します。 南の時計と北の時計の固有の距離は、時計に対して静止している住人にとっての時計の距離です。 2つの三角マーク間の固有の距離は、三角マークに対して静止している隣人にとっての距離です。 さて、住人にとっても隣人にとっても物理法則は同じですから、 時計間の距離が、時計に対して運動している隣人にとって、 時計間の固有の距離より縮むならば、 三角マーク間の距離も、三角マークに対して運動している住人にとって、 三角マーク間の固有の距離より縮まなければいけません。 同様に、前者が固有の距離より伸びているなら、後者も固有の距離より伸びていなければいけませんし、 前者が固有の距離と変わらないなら、後者も変わってはいけません。 これは、固有の長さによりません。空間の性質は、場所によって区別できないからです。 小さい距離が縮むなら大きいの距離も縮みます。

ここで、時計や三角マークに対して運動している人から見て、距離が固有の距離より縮まないとした場合、 矛盾が生ずることを示します。 図8を見てください。

図8 時空図

まず、三角マーク間の距離について、固有の距離は A'C' であり、 運動する住人にとっての距離は、CC' であることを確認してください。 さらに、CC' は、時計間の固有の距離でもあり、運動する隣人にとっての時計間の距離は、 AC' であることを確認してください。 もし、対象に対して運動しても距離が縮まないとすると、

三角マーク間の固有の距離 ≦ 三角マーク間の住人にとっての距離
= 時計間の固有の距離 ≦ 時計間の隣人にとっての距離

が成り立ち、図8において、

A'C' ≦ CC' = CC' ≦ AC'

となりますが(各長さは画面における長さではありません)、図8により明らかに、

A'C' > AC'

ですので、矛盾です。 目盛りは決まっていなくても、 直線 A'C' は隣人における距離軸であり、 一通りしか目盛りを持っていないので、図の線分の長さで、 A'C'AC' の大小の判別ができます。 このように、矛盾が生じたので、あとは、三角マーク間の距離については、 住人にとっては固有の距離より縮み、時計間の距離についても、 隣人にとっては固有の距離より縮んでいるしかありません。

これまでの話で、ローレンツ収縮が起こることが示されました。


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