住人が南の時計の場所にいるとします。 また、隣人は、住人の傍らの時計と全く同じ造りの時計を持っているとします。 図9では、斜めのブルーラインは、住人のかたわらの時計が示す時刻を表し、 黒の縦軸は、隣人の時計が示す時刻を表しています。 原点Oで、2つの時計の時刻は合っているとします。

上図では、住人と隣人の同時刻線が描かれているので、 ローレンツ収縮のページを理解されたなら、 お互いに相手のかたわらの時計が自分の時計に比べて遅れていることは見て取れると思いますが、 一応説明しておきます。 お互いに相手の時計は速さ v で移動しているので、 特殊相対性原理(物理法則の同等性)により、 互いに相手の時計が遅れるか、 あるいは、 互いに相手の時計は遅れない(同じ速さで時計が進む、 互いに相手の時計が早く進む)のどちらかであるはずです。 要は、隣人から見た住人の時計の進む速さと、 住人から見た隣人の時計の進む速さを区別できる要因はないということです。
図9で、点Aは、住人の時計がある時刻(X 時とします)を指したというでき事です。 隣人にとっては、点Dと点Aは同時刻です。住人の時計が X 時を指したでき事(点A)は、 住人にとっては、点Eと同時刻です。もし、互いに相手の時計は遅れないとすると、
となり、
となります。
よく、「互いに相手の時計が遅く進むことは変だ。 片方から見てもう片方の時計が遅く進めば、もう片方から相手の時計を見た場合は速く進むはずだ。」 との表現をネット上で見ますが、同時刻の相対性を理解していれば、 そのような疑問はでてこないのです。もし、 同時刻の世界(空間)が万人にとって共通ならば、正しい主張ではありますが。
隣人の同時刻の進み方を図10に、住人の同時刻の進み方を図11に示しておきます。 時空の中の同時刻の空間が相対的なものであることが、見てとれるでしょう。