対称な双子のパラドックス


 双子のパラドックスについては、数式あり版にて解説しました。 頂いたメールや掲示板などを見ていて面白かったのは、対称な双子のパラドックスの矛盾を解かない限り、 これを解決したことにはならないとの主張でした。つまり、兄がUターンしている設定では、兄の方が加速度運動をしているので対称ではなく、再会時に片方の時計が遅れているのは納得できるが、ある慣性系の原点からみて、兄弟が左右対称に運動している場合は、同じく互いに相手の時計が遅れ、再び出会った時には、互いに相手の方が若々しく、矛盾であるというものです。
 この誤解に答えるには、互いに相手の時計が遅れるとは具体的にどういう比較での話であるのかという、問題設定自体を明確化しておくことが必要です。

 上の図を見てください。互いに相手の時計が遅れるとは、左に進んだ弟の同時刻における比較では、兄の時計の進みが遅いが、右に進んだ兄の同時刻における比較では、弟の時計の方が進みが遅いということに過ぎません。対称な双子のパラドックスの問題でこの比較をした場合、常に相手の時計の針の進みが遅いのでしょうか。

 そうではありませんね。対称な双子のパラドックスにおいては、たとえば、弟の方は加速度運動をしているので、原点に対する速度が変化し、刻一刻と同時刻線の傾きが変わっています。兄の時計の針の方が速く動く時も存在しています。 運動が対称に見える慣性系から見て兄の時計と弟の時計の遅れ方が同じであるという理由で、 再会したときには、両者とも同じ時間が経過しているというのが正しいです。 兄弟の同時刻線の傾きは光の世界線より浅く、 兄弟の世界線の傾きは光の世界線より深いことに着目すると、 たとえば、弟の視点で、再会までの弟の各時刻は常に再会までの兄の時計のある時刻と対応がとれています。したがって、 再会時に、弟の視点で、兄弟の年齢は同じです。
 これは、兄の視点でも同様です

インデックスに戻るトップページへ戻る