最初の章「歴史的背景」で、単に時間の進む速さが変わったり、ものさしが縮むだけでは、
光の速さが一定にならないことに触れました。
ところが、同時刻の相対性を考慮すればどうでしょうか。
実は、この同時刻の相対性こそが、
光速度不変が変でないことを理解する上での重大なからくりなのです。
この章では、「時計の遅れ、ものさしの収縮、同時刻の相対性の『程度』を調節する」という
表現を用いますが、これは、実際に人間が触って調節するという意味では決してありません。
この3つの程度は既に求まっており、ここでは、この3つの程度の度合いによっては、
光速度不変や互いに相手のものさしが縮むことが奇異でないこと(ありうること)を説明します。
以下の図を見て下さい。


上の図でわかるとおり、 2本の光が上側の2つの時計の間を駆け抜ける時間については、 上側の時計で測ると、 左右からの光のどちらについても、 上側のものさしを縮める以前と変化がなく、 その間の光の移動距離だけが変わっています。 その移動距離は、右からの光と左からの光で同じです。 つまり、上側のものさしにとって、左右からの光の速さが等しい状態は変わりません。 目盛りをつめることで、光の速さは、上側のものさしにとって、増大しています。 すなわち、上下のものさしにとっての左右からの光の速さをみんな同じにできます。
上側のものさしに張り付いている時計の進む速さも調節できますので、 それでも構いません。 ただし、時計の進む速さを k 倍にしたときは、 上側のものさしにとって左右からの光の速さを等しく保つには、 上側のものさしの左右の時計の時刻の差も k 倍しなければなりません。
前述の長さの調節と時間の調節を組み合わせても、
上側のものさしにとっての左右からの光の速さを等しく保ちながら、
上側のものさしにとっての光の速さを変化させることができます。
上記の方法で、まず長さを調節して、それから時間を調節すると、
どちらの操作でも左右からの光の速さは上のものさしにとって同じですから、
この2つの操作を組み合わせても光速度不変が実現できます。
上側のものさしから見ても、まったく同じ現象が起こらなければならないという条件を課すと、
同時刻の相対性の程度、時間の遅れの程度、ものさしが縮む程度を計算できますが、
本HPの説明とは、また、別の説明法でしょう。
