アニメーションで見る相対性理論


光時計の遅れ


本ページでは、インスタントコースとして、運動する光時計の遅れを説明します。 さらに、ぜんまい時計など、各種の時計が遅れることを説明し、 最後に、数式を使用して(といっても三平方の定理くらいですが)、 どの位、運動する光時計が遅れるかを計算します。

仮定として、「光の速さが観測者によって変わらないこと」を要請します。 これは、光速度不変の原理と呼ばれ、 特殊相対性理論の基本的仮定であり、実験事実でもあります。

今、右に向かって光の速さに近い速さで走る列車があり、 列車の中に光時計が置かれているものとします。 光時計は、以下の左の動画が示すように、 小さな鏡を列車の床と天井に貼り付け、 光をピンポン玉のように、上下動させるものです。 光が一往復した時、時間が1単位(1秒よりはるかに小さいでしょうが)経過したものとします。

この光時計を地上で静止して観測したものとします。 光は、上の右の動画のように斜めに運動します。 これは、光は、上下の小さな鏡を結ぶ直線上にあることに変わりないためです。 いくら相対性理論でも、 「列車の中の人から見て、光が鏡に当たっているのに、 地上の観測者からみて、鏡から外れていた。 光が鏡に当たったかどうかは、観測者によって異なる相対的なことである。」 なんてことは絶対にありません。 光が強力なレーザー光線だとして、もし鏡から外れていたなら、 天井(床)に焼け焦げがつきますね。 列車内の観測者にとっては焼け焦げは絶対つかないわけですから、 地上の観測者が実際に見れば、焼け焦げがついていないことを確認できるでしょう。

さて、光が斜めに運動した場合、 上の鏡に行き着くまでの光の移動距離が伸びます。 光の速さは一定(c)なので(光速度不変の原理)、距離が伸びると、光が上の鏡に到着するのが遅れます。 当然、光が下の鏡に戻ってくるまでの時間も長くかかります。 すなわち、光の上下動のリズムが遅れ、光時計が遅れます。 光時計のそばで、 光の上下動のリズムに合わせて「イッチニ、サンシ」と体操をしている人の動きも、 ゆっくりになります。 「光時計のリズムに合わせて体操をしていること」は観測者によらない事実です。 このように考えていくと、 光時計だけでなく、ぜんまい時計の針の進みも、砂時計も遅れることがわかります。 時計の進みもリズムですから体操と変わるところはありません。

最後に、どの程度、光時計が遅れるか計算します。 列車のスピードを v (< c) とします。 列車の床と天井の距離を L とします。 列車内の観測者にとって光の片道時間(t)は、L/c ですね。 地上の観測者にとっての光の片道時間を t' とし、 これを計算します。

上の図は、運動する列車の中の光の軌跡を地上からみたものです。 光は、片道 ct' の距離を移動し、天井の鏡に到着します。 その間に天井の鏡は、 vt' 移動します。 上の図において三平方の定理より、

 (1)

が成り立ち、これを t' について解くと、

 (2)

 (3)

 (4)

 (5)

 (6)

となるので、地上の観測者にとって光の往復時間は、

 (7)

となります。列車内の観測者にとっての光の往復時間(2t)は、

 (8)

ですので、地上の観測者にとって光の往復時間は、


長くなります。すなわち、地上から見て光時計は遅れます。





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