放射能除去装置を受け取った兄は、 同じく光の速さに近いスピードでロケットを航行させて、 地球に帰ってきました。この間に兄は、また数歳年をとりました。 兄が見たものは、とっくの昔に歳をとって亡くなった弟のお墓でした。
これらのことは、特殊相対性理論によると全て真実です。 イスカンダルまでの14万8千光年の旅の間に14万8千年以上歳をとったのは、 地球に残った弟の方だったのです。 そして、兄の時間はゆっくり進み、 イスカンダル到着までにわずか数年しか経過しなかったのです。
特殊相対性理論は、 1905年に、スイス連邦特許局職員、アルバート・アインシュタイン(後、ベルリン大学教授、 その後ナチスを逃れてアメリカに亡命、プリンストン高等研究所で研究)が発表した物理学理論です。 アインシュタインは、後に特殊相対性理論を発展させた一般相対性理論を発表していますが、 この二つの理論をまとめて相対性理論、あるいは相対論といいます。
特殊相対性理論は、常識では考えられないような仮定に基づいて、
驚くべき結論を明らかにしました。
その仮定とは、光の速さはどんな速さで運動している観測者にとっても一定であるというものです。
この仮定は、現在、高い精度の実験で確かめられています。
驚くべき結論とは、まず、運動している物体は、運動方向に縮むというものです。
列車Aと列車Bがすれ違ったものとします。
列車Aの観測者にとっては、列車Bの長さは、互いに静止しているときの列車Bの長さより縮むというのです。
列車Bの観測者にとっても全く同じ割合で列車Aが縮むというのです。
互いに縮むなんて全く奇妙な話です。
この様子を以下の図に示します。


本文では、物体の収縮(短くなること)の理由、時計の遅れの理由、 「どんな速さで運動をする人から見ても、光の速さが一定であること」が可能であること、 「双子のパラドックスが矛盾ではないこと」などをわかりやすく解説しています。 特殊相対性理論のこの不思議な世界を一緒に理解しませんか。