運動する時計の遅れ(光時計の遅れ)

図解入門 よくわかる相対性理論の基本 図解入門 よくわかる相対性理論の基本
水崎拓著 秀和システム(2005.07)


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以下の文章は、運動する時計の遅れについて、ある場所で書いたものです。
本書の第2章にも、ほぼ同様の説明が図解で載っています。
運動する時計の遅れの説明に光時計を使用するのは定番ですが、
ちょっと、独自の色を着けてあります。
前に、どこかの相対論のHPで、光時計は遅れても
他の時計は遅れないと主張しているものを見たので、
ちょっと、反論を書いておきます。

ご存知のように、特殊相対論では運動する時計が遅れます。
この説明でよく登場するのが光時計の遅れです。

光時計とは、列車の天井と床に鏡を貼り付け、
光のパルスを往復させて、時計にしようというものです。
光の往復をもって時間1とすればいいのです。

列車が線路に停止している場合と走行している場合を地上から見て比較してみましょう。

停止している場合は、光の往復距離は列車の高さの2倍に等しいです。 しかし、走行している場合はどうでしょうか。光のパルスの往復運動はジグザグになり、 光の往復距離が伸びます。光が斜めに進むと考えてもいいでしょう。

ここで、光速度不変の原理が登場します。
この原理は、特殊相対論の基本的仮定です。
列車が走行していようが、停車していようが、
地上から見て光の進む速さは変わらないのです。

この仮定によると、光が列車の天井と床を往復する時間は、走行する列車において光が往復する距離が伸びた分だけ長くかかります。そうです。運動する光時計は遅れるのです。

しかし、ここでそのHPはこう主張しています。
光時計が遅れるだけで、他の現象には何の影響も無いと・・・

しかし、これが見識違いなのは直ぐ判ります。
光のパルスの直撃を受けたら壊れるぜんまい時計を、
床の鏡の位置に置きます。
光のパルスが床から発射された瞬間に、
ぜんまい時計は時刻ゼロを指しているとします。
列車に乗っている観測者にとって、
ぜんまい時計の時刻1に光のパルスがもどってきて、
ぜんまい時計は、時刻1を指したまま壊れて止まったとします。

列車の観測者にとって、列車が止まっているのか、
走行しているのかは区別できないことは前提としておきます。

この前提によると、走行する列車のぜんまい時計は、列車の観測者にとって、時刻1で停止しています。

この事実が誰にとっても同じであることは、言うまでもないでしょう。

では、地上からこの走行する列車を観測した場合どう見えるでしょうか。

光の往復は遅く見えるのです。これに合わせてぜんまい時計も遅れなければ、絶対にぜんまい時計は時刻1で停止しません。もし、地上から見て、ぜんまい時計が遅れないのであれば、ぜんまい時計は、時刻1より後の時刻で停止していることになります。これがオカルトであることは言うまでも無いでしょう。

このようにして考えていくと、光時計が遅れるということは、
すべての現象の遅れを意味していることが判るのです。


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