2000年10月
はじめに
ここのフォルクスの冬学期は、一応9月から始まり。でも9月の1週目はまだ窓口が閉まっているし、ドイツ語の講座が本格的にスタートするのは10月に入ってからになる。
9月中旬、さあて今回はどのクラスを取ろうかな〜、と、もらってきた講座要項に目を通す。基礎段階3から中級くらいのレベルで、平日昼間のコースがいいんだけどな...しかし。これはフォルクスの欠点の一つなのだが、レベルが上がるにつれて選択の幅は極端に狭くなる。同じレベルのクラスが複数用意されているのは基礎段階のみ。基礎段階なら1,2,3の3つのレベルに加えて「文法中心のクラス」や「試験(ZD)準備クラス」(2日間のみ)もあり、時間帯も平日昼間、平日夜、土曜と選べる。クラスの数は全部で14!それに較べて中級はというと、平日夜のみ、レベル違いの3クラス。上級となると週1回の1クラスしかない。
うーむむむ、基礎段階3昼間のクラスは、今年2月から取ってたのと同じ内容、あの先生とあのテキスト...あんまり面白くないんだよなあ。また「登校拒否」になりそうだ。平日夜の基礎段階3はどうかな...やや、B先生(お年を召したワイルダー先生)ではないか!即座に却下。
となると残りは中級しかない。でもこれ、「ゲーテの中級試験(ZMP)に向けた集中クラスです」「基礎段階1から3の予備知識が必要です」とか書いてあるよお!そんなあ、初級試験(ZD)受けたって受かるかどうかわかんないレベルなのに、ZMPなんてとんでもない話じゃ。基礎段階のテキストだって、まだまだ知らない単語だらけ。しかし他に選択の余地はない。街に私立の語学学校あるけど、月謝高いしなあ。
指定されたテキストを本屋でぱらぱらっと見てみた。うーん、とりあえずは何とかなるかも...毎回しっかり予習しておけばついていけるかな。よし、ええい!いいやい!取ってやろうじゃあないかい中級!テキストとワークブック購入。
かくして今回は中級にチャレンジ、ということに相成ったのであります。最後まで迷いに迷ったので、申し込みは授業が始まる前の日になってしまいました。
* * *
「初級のクラスが多く、上級が少ない。」というのは、フォルクスのドイツ語講座の性格を考えてみると、最もなことなのかもしれない。受講生は皆(あたりまえだけど)外国人。仕事やいろいろな事情でドイツに住むことになっちまった...ドイツに来た、ドイツ語できない、じゃあドイツ語習わなきゃ、できるだけ安く手軽に通えるとこはどこ?となると、フォルクスはまず第一に上がる候補だもんね。事実、基礎段階の1のコースは、開講日前に既に定員一杯となり申し込みを断られることもあるそう。去年パパさんが、私たちが日本にいた9月中にさっさと申し込みを済ませておいてくれたのは、大正解だったのだ。(結局2を取ることになったけど。1999年10月のフォルクスホッホシューレ日記参照)
しかしドイツの生活にも慣れ、日常会話がなんとかなるようになれば、お金を払ってまで「さらにドイツ語を上達させたい」と思う人が減るのもうなずける。ある程度意思疎通ができるなら、周りとのドイツ語での会話を通してうまくなる、ってこともできるだろうしね。仕事をしながら上達していく人、独学で伸びていく人もいるだろう。ゲーテの試験も、必要ない人にとっては全く必要ないものだろうし。
中級のクラスはどんな人たちが取るのかなあ、興味津々。迷惑かけないように、しっかり予習しよ。(あああ、いかにもまったく日本人なのである、私は。「迷惑かけない」って発想が最初に出てくるあたり。)
10月5日(木) 講座第1日目
晩ご飯を食べて一息ついてから、出かける準備を始める。6時に出ればいいかな。帰りは少し遅い時間になるから相棒に迎えに来てもらうけど、行きは歩いて行くつもり。「行ってきまーす」と元気よく家を出て、学校に向かう。
そう、「学校」なの。昼間のクラスはフォルクスの建物で講座があったんだけど、夜のクラスはそのお隣のギムナジウムの校舎で行われる。フォルクスのほうはいろんな講座で一杯なんだろう。
教室番号は知ってるし行けばわかるはず、と思って一人で来たものの、このギムナジウム、けっこう校舎が入り組んでて入口もたくさん!一体どこから入ったらいいものやらさっぱり見当つかず。ドイツ語講座に行きそうな人も辺りに見えないし...最初に試したドアは鍵が掛かっていた。2つめは押したら開いたので、とりあえず中に入る。うーん、校舎見取り図みたいなものはないなあ。しかもここは何だか裏口っぽいぞ。職員通用口、というべきか。お、廊下の向こうからドイツ人3人歩いて来た!
「すいませーん、ドイツ語講座受けるんですけど、教室の103ってどこですか?」「103なら、そこの入口から入って、階段登って2階。ほら、あそこに明かりのついてる窓が見えるでしょ、あそこ。」
お礼を言ってその場を離れようとしたら、3人のうち一人が「すみません、あなたは日本人ですか?」と、なんと日本語で!「はい、そうです。」と答える。30代くらいの男性だったけど、日本語習ってるのかな〜。
教えてもらった入口は無事に開いた。2階の教室に向かう。入ってみると、すでに5,6人ほどが着席していた。アジア系の人はいないなあ。先生が来て名前の確認などをしている間にもどんどん人数が増え、最終的には女性6人、男性7人の計13人のクラスとなった。
テキストを持っていたのは私を含め2名だけだったが、先生が用意していたコピーを使って早速授業に入る。(このコピーも実は足りなかったので2人で1枚。「クラスの人数、6人て聞いていたんだけど...。」と先生。私みたいにぎりぎりで申し込んだ人多かったのかな。)
Fragenbogen(アンケート用紙)と題して、最初のページは10の質問で始まっている。
Ihr lieblingsfilm?
Was essen Sie gern?
Was fasziniert Sie?
Was macht Sie wuetend?
Wo moechten Sie leben? .......
などなど。この中から質問を3つ選び、ノートに書いたあとペアで互いにたずね合う。
私の隣はイタリア人の男性、「Was essen Sie
gern?」と聞くと、「はっはー、イタリア人のボクにどんな食べ物が好きかとは、いい質問だね!」ふーむ、そうだよな、ドイツ人相手だったら全然盛り上がらない質問かも。「もちろんパスタが好きなんだけど、なかでも魚介類のパスタが好き。」くぅぅ、いいねー、私も好きだよ!アサリのスパゲッティなんてここじゃあ夢の夢。普段は「魚介食べたい思い」は封印してあるので全然恋しくないけど、ちょろっと封がほころんじゃった。
ペアで質問する時間を少しとった後、全体で交流。フランス、ブルガリア、ルーマニアなど、ちょっとみんなの出身地が見えてきた。イタリア人が多いみたい。
質問に出てきた単語を、同義語を確認しながら先生が説明。
faszinieren = beeindrucken, sehr gefallen
wuetend = sauer, boese
「激怒する」のwuetend、なつかしいなあ。去年の暮れに覚えた単語だ。sauerは「酸っぱい」だけかと思ってたら「怒った」の意味もあるんだ、へええ。こういう語彙の広がり、やっぱり講座受けたほうがぐんと伸びる。
Worueber koennen Sie (Traenen) lachen?
という質問があり、私は勝手に「どんなことで笑うか、又は泣くか?」と解釈していた。ところが先生の説明を聞くと、Traenen
lachenとは「涙が出るほど大笑いする」のことだそうな。そういやTraenenは大文字で始まってる名詞だから、lachenと並列にはならないもんね。
次に質問から発展して、 「machen + 形容詞」の表現をいくつか。
wuetend machen (かんかんに怒らせる)
sich schoen machen (きれいにする・身づくろいをする)
sich frisch machen (気分を一新する)
sich lustig machen ueber + ...(Akk.) (...をからかう・バカにする)
sich wichtig machen (もったいぶる・威勢をはる)
sich verstaendlich machen (わからせる)
先生が「例を挙げて」というと、あっちからもこっちからもつるつると出てくる。さすが中級だね〜。(と感心してる場合ではないってば!)でも「sich
wichtig machen」あたりは皆見当がつかず、先生が例文を示したら「ああ、そういう意味か。」と納得していた。
次にテキスト、「ネイティブアメリカンらしき年老いた人の下にKoennen
Sie......の見出し」という広告の写真を見て、......に来る言葉は何かを考える。
Koennen Sie laenger leben als ich?
Koennen Sie uns helfen?
Koennen Sie ihn lieben?
Koennen Sie diese Kultur schuetzen?
などが出た。ページをめくると広告の本文があり、見出しの続きは「Koennen
Sie mit 65 noch neue Freunde kennen lernen?」でした。国債の広告らしい。投資しておけば老後も若いとき夢だった旅行(たとえばネイティブアメリカンに会いに行くとか)に出かけられますよ、という大意だと思う。(ひょっっっとしたら私がすごい勘違いして理解してるかもしれないけど。)
最後に20分間くらい、簡単なテスト。普通の語学学校だったら、どのレベルのクラスに入るかを決めるときに受けるようなの。先生は受講生が「何ができて何ができないか」を見極めたいんだと思う、それはよく理解できる。
接続法第1式と、前置詞がお手上げ。あと、「すっごく簡単な単語で必須語彙なんだけど普段使わないから性に自信がない」単語にも参った。der
Passとか。この種のテストで日本人がよくできすぎて上のクラスに入れられちゃうのは、文法ができるのもあるだろうけど、テストの形式に慣れている、ってのもあるだろうな。なんだか四択の問題見てると妙にワクワクしちゃう。若かりし頃を思い出してね...ははは。
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