あんこの語学学習歴 英語の巻


中学校で

英語は好きだったけど、田んぼに囲まれたいなかの中学じゃあまわりに「インターナショナルな環境」なんて何一つなかった。

手元にある英語の教材は、教科書とそのカセットテープだけ。
そうそう、毎月買っていた雑誌「中一時代」もあったなあ。

でも、情報が少ないからその分かえって集中できたのかもしれない。
教科書の新出単語は残らず覚えられたし、文法の理解も苦もなくできた。

発音。1,2年の時の英語の先生はあまり発音が得意でなく、こりゃあ真似しないほうがいいぞと思い自分でやってた。

中学生用辞書の、「発音」の説明事項を読む。

F、V・・・・・. なになに、上の歯と舌の唇をくっつける?
R・・・・唇を丸くし、舌は口の内側のどこにもつけない?

その通りやってみる。なんと、カセットテープで教科書読んでるアメリカ人(たぶん)のお姉さんみたいな音が、この私の口から出るではないか!おもしろくなって次々やっていった。

英語の発音は日本語とまったく違う。子音だけの音には母音を発音しないこと。
日本語の「ア」は一つだけ、しかし英語の「ア」は、cat, cut, hot, park に bird 、何種類もある・・・

ふむふむなるほどね、口を大きく開けたり開けなかったり、あごを下げたり喉の奥の方で音出したりと。

どの母音も子音もひとつひとつ、辞書や雑誌の説明通り丁寧にやっていった。イントネーションやアクセントは、カセットテープをそのまま真似した。クラブ(部活動)もやっていなかったし、きっとものすごく暇だったんだろうと思う。

生まれて初めて「外国の人」と接したのは中学3年生のとき。
参加した郡の英語暗唱大会で、審査員の一人がアメリカからの交換留学生だった。
審査を待つ間、急きょ彼女への「質問コーナー」が設定されることに。思いきって「Do you like Japanese food?」と尋ねた。答えは「yes」。
ああ、私の英語で通じるんだ、という思いで、胸がいっぱいになった。

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高校で

めちゃくちゃ挫折する。

リーダーの各課での、新出単語の多さ!
知らない単語が多すぎて、何を読んでもわからない。

前置詞、熟語、仮定法に分詞構文、不定詞と動名詞の使い分け・・・・・。

英作文も文法も理解が追いつかず、教科書はまるで私を嫌っているみたいによそよそしかった。

テストは毎回50点前後。一度、教科書のテスト範囲を丸暗記してみたことがあった。このときだけは80点以上だったが、それも一回きりという根性なし。

同級生の中には英検2級に挑戦する人たちもいたけど、2級なんて、雲の上の上のはるかかなたの話、と思っていた。(この感覚は以後大学でもずっと続く。)

今ならわかる。
なんだかんだ言ったって、結局学習時間が全然足りてなかったのだ。ろくに勉強もしないで「難しくてわかんなーい」なんて、ふざけた話だ。

十数年後、英検準1級に受かった頃に、高校の教科書を引っ張り出してパラパラとめくってみた。ああ、なんだ、わかるじゃないか。あんなに私を嫌っていたはずの教科書が、今はにっこり笑って話しかけてくるようだ。出てくる単語だって、たいして難しいものじゃない。arrogant, improve, contribute, absolutely...........それなりに英語を使っていこうと思うなら、欠かせない単語ばっかり。リーダーの教科書3年分、このとき初めてきちんと読み通した。つまらない話もあれば、興味深いエッセイもある。そうか、こういう教科書を使っていたのか。昔手が届かずあきらめていたものが、ひょいひょいとこの手にとびこんできたような気がした。

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大学で

よっしゃ、大学生になったことだし、いっちょがんばってやってみっか、とばかりに、副専攻で英語の免状をとろうと決意する。新学期独特の雰囲気、「私だってやればできる!」、夢と希望に満ちあふれ〜の勢いでもって決めてしまった。しかし・・・。

講義が始まりいきなり挫折。

「英文法概説」、分厚いイギリスの英文法の本。
今から見れば十分「これくらい当然でしょ」レベルなんだけど、助動詞、不定詞、現在完了、仮定法・・・、用語も説明も当然ながら全部英語(だってイギリスの本だし)。もうそれだけでめげてしまった。講義には毎回ただ出席するだけ、テストも散々。お情けでなんとか「可」をもらう。

他の講義も似たりよったり、結局あと一つ単位が足りず免許は取れない、という状態で卒業。当然だなあ、あの程度の英語力で免許が取れてしまっちゃあやっぱり問題だ。

ただ一つ、「英語発音学」は楽しかった。英語のpの発音と日本のパ行との違い、zとdsの違い、日本人の「water」がなぜ通じないか・・・・・。それまでうやむやだったことが、講義が進むにつれすっきりと解決していった。よーし、発音なら人に教えることもできるかな、とちょっと自信がついた。

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6年前

学校出て以来ずっと遠ざかっていたけど、そうだ、英語やってみよ、と思いつく。
きっかけはハワイ旅行。

「ハワイはどこでも日本語でOK!」そう聞いていた。しかし、実際行ってみたら、ちょっと違った。
「ハナウマ湾ピクニック」のリムジンの運転手さん、ちょっと郊外のお店の店員さん、「夜釣りクルーズ」世話してくれたお兄さん・・・下手な英語でも何とか話してみようとすると、みんなことのほか歓迎してくれた。

「ほとんどの日本人は英語を話さないから、コミュニケーションとれなくて残念。」と、リムジン運転手のおじさん。後部座席が一杯で助手席に乗り込んだ私に、「おみやげなら、ハワイのジャムがおいしいよ。グァバとか、パパイヤとか。」「日本は今、ホリデーなの?え、老人を敬う日?それじゃあ私の日だね、ハッハッハ!」・・・怪しげな私の英語を何とか「推理」しつつ、実に楽しげに話しかけてくれた。

そうか、英語できると、ずいぶんたくさんの人たちとコミュニケーションとれるんだなあ。これって面白いかも。よし、やってみよう!

まずNHK教育テレビの「やさしい英会話」「英会話」から始めた。ただ見るだけ、テキストは買ってもあまり読まず。
う〜ん、ぺらぺらと聞こえるだけで、何言ってるのか全然わかんないぞう!毎回のキーセンテンスも、長すぎて覚えられない。

でもがまんして見つづけた。内容の理解が今一つでも、3ヶ月も続けていると「あら、今日のリサ・ステグマイヤーのヘアスタイルすてきね。」とか、それなりにミーハー的興味も湧き、けっこう楽しんで見られるようになってくる。

1年後、「よーし、ラジオのほうも始めちゃおう!」と、ラジオ「英会話」のテキストとテープを年間予約購読する。
商店どころか一番近い自動販売機まででも約3km、という場所に住んでいたので、どこに行くにも何をするにもまず車。そこで、運転中は音楽やラジオを聴くのをすっぱりとやめ、英会話のテープをひたすらかけることにした。1ヶ月に軽く1500kmは走っていたから、ええと、時間にするとだいたい25時間?それだけの時間(たいして長くもないなあ)ひたすら英語を聞いていた。

そしてまた1年。自分ではできるようになった感じは全然なかったけど、ためしに英検2級を受けたら1次試験合格。前半の語彙問題はお手上げだったけど、リスニングはするすると単語が頭に入ってきて簡単だった。2次面接試験も合格。

(余談:この2次試験、面接官の発音がとっても悪かった。高校の先生のような感じの若い女性だったけど、RとLをまったく同じに発音する。ラジオとテレビでネイティブの発音に慣れていたので何を聞かれてもとっさにはわからず、「Pardon?」の連続でした。)

このころ、つまりテレビとラジオで英語を始めてから2年たったころ、ビデオやドラマの英語版を聞いていると単語が頭にどんどん飛び込んでくるようになった。相変わらず知らない単語も多く、それは聞いてもわからない。でも、知っている単語なら、ほぼ確実に聞き取れる。
ああ、リスニングができるというのは、こういうことなんだ。
以前は「文字で書かれた言葉」しか頭の中に積まれておらず、「音として発音される言葉」はほとんど在庫がなかった。それが、2年間分の「聞く」経験で、「音」そのものもたまっていったし、同時に「音と言葉の結びつき」もたっぷり蓄えられたんだな。

たとえば「put it on」は、「プディローン」と聞こえる。「about it」は、「ァバウリッ」。そういういろんな種類の英語の音(特に単語同志が連結してできる音)が自分の中にたくさんあり、耳から入ってきた音にすぐ反応できる。

当時はもうそろそろ「若い」って形容詞が気恥ずかしくなるような年齢にさしかかりつつあった。だからなおさら、「ああこの歳になっても人間は成長するもんだ。」って、自分の進歩がうれしかった。

以後4年間、ずっとラジオとテレビで英語を続けてきた。3年前からは、ラジオ「やさしいビジネス英語」も聴き始める。「英会話」の大杉先生と「やさビジ」の杉田先生は、紛れもなく私の「恩師」。もちろん、ラジオの上だけのおつきあいだけれど。イギリスの語学学校に8週間通ったときも、ラジオ講座のおかげでリスニングには困らず、いきなり上級クラスでもなんとかついていけた。
ドイツに来た今も、NHKの語学番組はすごく懐かしい。ここでも聞けたら(見られたら)いいのになと思う。


現在、相棒との会話は約9割が英語。でも、お互いそれほど流暢なわけではなく、辞書のお世話になることもしばしば。おまけに共に生活する時間が長くなるにつれ「言葉なしでも通じ合う」場面が多くなり、加えてドイツ語の割合も少しずつ増え・・・・・その結果、英語力は日々低下の一方です。先日は「不動産屋」という英単語がとっさに出てこず、がく然としました。ちょっと気合入れなきゃいけないなあ。日本から持ってきた「やさビジ」のテキストとテープ、そろそろ出番かも。イギリスの新聞や雑誌もすぐに手に入る環境だし、何よりインターネットが使える身で「読むものがなくて・・・。」なんて言い訳は通用しないしね。ドイツ語に疲れたときは、ネットの日本語に逃げないで英語で一休みすべし!と、自分に言い聞かせてます。

 

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