薬の説明の中で、商品名を用いる場合がありますが、理解のためあくまで代表的なものとして示すのみであり、効能、効果などその薬を評価するものではありません。また当ホームページと何ら関係はありません。




お薬については、下のバナーからのHPも参考にしてください。

市販のお薬などわかりやすく説明しています。


【薬の一般的な注意事項について】

薬は、目的があって服用するものです。その目的には大きく分けて二種類あります。一つは、今ある症状を取り除きたい場合、つまり即効性を期待して服用する場合と、もう一つは、これからならないように予防を期待して服用する場合です。こんな人はいないと思いますが、風邪をひきたくないので、風邪薬を先に服用する、などと言うことは普通はしません。

お薬は、何らかの作用を持っています。その作用を期待して服用するのですが、期待していない作用が出る場合これを、副作用と言っています。副作用については別の項目でお話しするとして、目的である作用(つまりどう言った症状を改善して欲しいのか)をしっかりと決め、かつ服用するお薬がその作用にあっているものかどうかを確認して下さい。例えば、痛み止めとして渡された薬は一般的には鎮痛解熱剤です。これは胃にはよくありません。しかし胃が荒れてお腹が痛いから痛み止めを飲もうと考えられる方が案外多くみえます。結果として痛みの原因を悪化させたりもします。

多くの薬は医師の処方や薬局の先生の指示で出されます。もちろん常備薬として訪問販売しているものや通信販売もあるでしょうが、それでも使用上の注意は付いています。必ずよく読んで下さい。特に服用時間、服用方法を守るようにしましょう。自己判断で多くの量を服用したり減らしたりしないようにしましょう。よく減らして服用される方がみえます。処方する方も個人の体重や体質を考えて処方しますから、量が少ないと結局は効果がでないものもあります。また一日三回の薬を二回にしたりもよくされます。三回服用する理由として、持続時間が6時間くらいだから三回としてあるものが多いのです。逆に一日一回のものをよく効くからと言って多く服用する必要はありません。

【市販の薬と処方薬の違い】

薬局で買ってくるお薬と、医師の処方箋の元に出されるお薬と何が違うのでしょう?市販の薬は効かないと言って、処方を求められる方もみえます。含まれる成分が違うのでしょうか?それは、成分も異なる場合がありますし、そこに含まれる量も異なるからです。一般に医薬品の中には医師の処方箋なしには投与してはいけない成分の薬があります。その理由は、作用が強いこと(逆に言えば危険性が高い)、副作用に気をつけなければいけない、そして飲みあわせに注意が必要の三つがあげられます。ですからある意味で強いお薬を用いる医師の処方の方が、切れ味が良いのです。少し前から胃のお薬で、これまでは医師の処方したものにしか含まれなかった成分が市販のお薬に含まれるようになり、よく効いたという声も聞かれました。市販の薬に採用された理由は、医療市場で十分に出回り、ある程度の安全性が確認され、しかも効果があったからと考えて良いでしょう。この様に、市販の薬は、医療会で使われているものの中から安全なものを、容量を減らして用いると言えます。

しかし、だからと言って市販の薬の方が効かないわけではありません。逆に市販の薬の良いところとして、単一薬剤でなく既に総合処方の形を取っているものがある。例えば、鼻水、咳、喉の痛みに効く成分をそれぞれ含んでいる。また副作用が少ないというのもメリットでしょう。そして何よりも手軽に入手できるというのも魅力です。

【頭痛薬について】

頭痛薬と言う項目ですが、一般に市販されている物も、医師が処方する物もいわゆる痛み止めです。特殊な物もありますが、頭痛や生理痛に代表される痛み止めと言うのは、一般に消炎鎮痛剤と言われています。多くの種類がありますが、どれもよく効きます。頭痛が持病の方や、生理痛で苦しまれる方は内服経験もありよくご存知でしょう。しかし、この種の薬は注意すべきことがたくさんあります。主に副作用としてのことですが、不必要に服用しないことや、服用時を守ることなのです。簡単に言えば使用上の注意を守ることです。特に年輩の方で腰痛などで痛み止めを服用されている方で、長期となってくると注意が必要です。よく聞く話として胃腸機能障害や腎臓障害があります。

ちなみにアスピリンと言う薬があります。バファリン(R)はアスピリンですが、この薬は少量用いることによって血栓予防の薬としても用いています。またアスピリンはピリンとは異なりますので参考までに覚えておいて下さい。

【薬の副作用について】

薬と言うのは、副作用があるものなのです。漢方薬は副作用がないと思っている人も多いですが、これも誤りです。問題は生じる頻度と目的とすべき効果の切れ味との比較なのです。つまり癌でこの薬しか効かないが副作用がある。と言われてもその方法しかないのなら服用します。しかし軽い頭痛で、よく効く薬でも副作用が強かったら誰も飲みません。

副作用の発現は、個人の体質、体調、服用時の状況、多剤との併用、薬剤の期限などが影響を与えます。ですからお薬を投与されるときは、他に服用している薬の有無は伝えるようにしましょう。一昔前までは、副作用に関して責任所在がはっきりしませんでしたが、今はPL法ができ、製薬会社は持っている情報を医師や薬剤師に提供し、あるいは市販の薬では使用上の注意として皆さんに提供する。これをふまえて処方したり、内服したりするわけです。ですから、よく副作用が心配だから薬は飲まないと言って、かなり重症になってもねばる方がみえますが、副作用を一番気にしているは、実は医師や薬剤師です。ですから皆さんは素直に、今他に服用している薬があれば伝え、投与された薬は服用方法を守って服用し、そしてもし服用後異常があれば中止して、医師や薬剤師の指示をあおげば良いのです。もちろん医師や薬剤師が管理すれば副作用が出ないと言うのではありません。しかし、少なくとも危ない薬や避けるべき薬は情報を入手していれば投与せずにすみます。

【風邪薬について】

かぜ薬で最も誤解されていることは、一般の風邪のウイルスそのものには効かないと言うことです。かぜの原因はウイルス感染症です。(詳細はこちら)近年インフルエンザウイルスに効く薬として出回り始めたものや、近々新しい薬も出るようですが、あくまでもインフルエンザウイルスであり一般の風邪に効く抗ウイルス薬はありません。したがって皆さんが風邪薬として飲んでいるのは、あくまでも対症療法であると言うことです。喉が痛いから痛み止め、咳が出て痰が絡むから鎮咳去痰剤、鼻水が出るから抗ヒスタミン薬・・と言った具合です。もちろんそれによって症状を抑え、炎症を鎮めることによって治癒を早めることはできますが、根本的にウイルスに対して体が免疫力を発揮して炎症を鎮めるまで基本的に大切なことは、安静と休養です。

ちなみに抗生物質は風邪そのものには全く無効です。二次感染やその予防のために用いているのです。

【下痢や腹痛の薬について】

下痢や腹痛の薬は、最も頻繁に利用されているのではないでしょうか。腹痛は、胃や腸の粘膜の炎症からくる場合が多く、一般に腸の動きを多少抑える作用によって痛みを軽減します。しかし炎症そのものを治すために胃では胃酸の分泌を抑えたり、粘膜を保護する薬を用い、また腸では整腸作用のある乳酸菌製剤が用いられます。また胃や腸を支配する神経そのものに作用して機能を改善させるものもあります。

但し気を付けないといけないのは、同じ腹痛でも尿管結石や腹膜炎となると痛みの機序が異なります。したがって治療はもちろんですが痛みを抑える薬も異なってきます。また普通の胃腸が原因の腹痛と考えてお薬を内服したために、虫垂炎などの症状が修飾されわかりにくいこともあります。最も頻繁に用いる胃腸の薬、腹痛の薬ですが、症状が改善しない場合は無理をせず早期に受診し、必ず医師に服用した薬を見せるようにしましょう。

【抗生物質のお話】

抗生物質、俗に化膿止めのお薬などと言って処方されることが多いです。風邪でも発熱が強い場合や化膿性扁桃腺炎を併発していたり、中耳炎をおこしていたりすれば抗生物質のお世話になります。抗生物質は細菌に効き、ウイルスには効果はありません。しかし抗生物質は、万能ではありません。ウイルスほどではないにしても一般に感染症を生じる細菌にも多くの種類があります。医師は年齢、症状、所見から最も考えられる細菌を想定して抗生物質を選びます。あたってくれれば良いのですが、実際には予想すらしないような細菌が悪さをしていることもあります。こういった場合には、当然抗生物質が効果ありません。一般的に一週間くらい服用しても効果がない場合その抗生物質は無効と判断し別の抗生物質を投与したり、細菌検査を行い細菌を同定してから再選択する場合もあります。

また抗生物質は、不必要に使用する物ではありません。北欧の国などでは抗生物質の投与そのものを規制しているところもあります。と言うのは、ある細菌に効果がある抗生物質を使い続けることによって、体の中でその抗生物質が効かない細菌が逆に増えてくるからです。時には以前はその抗生物質が効いていた細菌が変化して、徐々に効かなくなってきます。こういった状態を耐性を持つといい、皆さんもご存知のMRSAというのは以前はほとんどの抗生物質が有効だった黄色ブドウ球菌が、今ではほとんどの抗生物質に効かなくなったのです。

この様に抗生物質には注意すべき点がたくさんあります。皆さんも投与される場合は、どう言った種類の抗生物質で、どう言った感染症を疑って処方されたかぐらいは知っておくようにしましょう。

【薬の間違った考え】

薬に関して、間違った考え方をされている方が多く見受けられます。たくさん飲めばよく効くとか、副作用が恐いので量を減らして服用するなどは、これまでの項目でも記しましたが、その他にもあります。よく聞くそう言った話をまとめてみましょう。

1:服用は、食前も食後もどうせ胃の中に入れば同じだから関係ない・・・これは、大きな誤りです。特に食前としてあるのには訳があります。糖尿病の薬で食後過血糖改善剤としてグルコバイ(R)とベイスン(R)がありますが、これらはいずれも食事が入る前に腸管で作用して、吸収を遅らせるものですから、食後に服用したのでは意味がありません。

2:痛み止めの座薬は胃を荒らしにくい・・・これも間違いです。確かに内服の痛み止めと違って直接胃に入らないためそんな気がしますが、実はこれは成分の一部が胃の粘膜を障害するからなのです。ですから座薬でも同じように胃が荒れることがあります。

3:漢方薬は副作用がない・・・これは前の項目でも紹介しましたが、そう思っている人が多いのです。漢方薬は西洋医学とは処方の考え方などが異なり、また生薬を使うためそのように考えられがちですが、決してそんなことはありません。漢方薬でも副作用は生じ得ます。

4:血圧の薬は、血圧を下げるのみに働く・・・これは、他の薬にも言えることですが、薬の作用上の分類と便宜上の分類とは一致しないことがあります。例えば血圧を下げるために用いられるβ遮断薬と言う薬は、血圧も下げてくれますが、同時に脈拍も下げる作用を持ちます。ですから甲状腺機能が亢進して脈が速い人などに使いますが、これは降圧薬として使用しているわけではありません。またカルシウム拮抗剤と言う降圧剤がありますが、偏頭痛の人の予防に用いることもあります。

5:ビタミン剤大好きな人・・・ビタミン剤を多量に服用されている方がみえます。元気が出るからと言って、あらゆる種類のビタミン剤を服用し、その上食事は十分取り、健康のため果物も摂取し、元気の元と言ってドリンク剤も内服する。水溶性のビタミンは多く摂取しても体から尿中に排泄されてしまいます。また脂溶性のものでは過剰摂取は過剰症を生じることもあります。以前糖尿病の方で、突然血糖コントロールが悪化し、食事量は全く変わってないため悩んでいたら、疲れ気味だからと言ってドリンク剤を朝夕内服していたと言うケースがありました。

その他にも多くの間違ったお薬の考え方をされている方がみえます。疑問に思ったらメールで質問して下さい。返事すると共にここでも紹介させていただきます。