嫁物語

嫁物語


私とじいさんの、真の親子への道のり・・・(?)
***まさおさんの妹さんが、描いて下さいました。***

欠点と弱点 ハム


欠点と弱点

同居していると、どうしても相手(義理の親)の欠点に目がいってしまうってこと、あると思う。
私の場合もそうだ。
じいさんが、ムキになるっていうか、どうでもいいことなのに、
怒ったような顔で、声が大きくなるので、
ついつい「じじい!そんなことでムキになるなよっ!」
って・・・結局こっちの方がムキになってしまう。

物はいいよう。
もっとやわらかくお話できれば、こんなことにはならないのに・・・
普段は物静かで優しいじいさんが、ムキになり始めると「またかよ。」と思いながら、ムッとする。
過去に大喧嘩した時も、このじいさんの欠点(その時はそう思ってた)について、思い切り抗議してやった。
すると意外にも、じいさんは神妙は面持ちで、
「これは、おとうさんの欠点なんや。若い時からそうやった。
それでまわりの人にも誤解されたこともあると思う。でも、治らんのや。」とつぶやいた。
なるほどぉ〜そういうことか。これは、じいさんの欠点か・・・
そう思ってから、前ほど気にならなくなったが、それでもたまには、
ムッとするような瞬間がある。

けれど、最近になって、よぉ〜く考えてみると、
これは「欠点」ではないなぁ、と思い始めた。
欠点とは、欠けてるもの。
人間として持つべきものを、ある点において欠いてるわけではない。
ただ、弱いだけ。
その点に関して、ちょこっと弱いだけ。そう、弱点なんだ。

少し前に流行った、動物占いで、嫌いな上司を占ってみる。
あるある!そういうとこ、絶対あの人にはあるよねぇ〜!
なんて、女子社員で盛り上がる。
この場合、当たるか当たらないか、ましてや生年月日なんかで何がわかるのか、
じゃあ、生まれが同じ人は、皆同じ性格か?
なんてことは一切関係ない。
ただ、その人にそういう弱い面があると分かれば、
もう弱点を見つけても、腹を立てたり、反撃したりせず、
それに気づかない振りをして、
たいていの人は、他人に弱点を見せたとき、必ず後でフォローを入れてくるから、
そのときこそ、その点にきちんと気づく、ってことの方が大切なんじゃないかなって思う。
同居してからというもの、じいさんは私にいろんなことを考えさせてくれる。

ハム

うちのじいさんが賞味期限にうるさいことは、
ずっと「嫁物語」を読んでいる人には周知の事実だと思いますが、
先日、またそのことを確認させられることが起こりました。

それは休日のことで、いつものように、じいさんはリビングで過ごし、
私たち夫婦と息子は、息子の遊び部屋でくつろいでいました。
そして、主人がふと、何でもないことのように言ったのです。

「ハムになんか書かれとるぞ。」

「え?」

私はことの次第がつかめず、聞き返しました。

「何か、期限がどうとかこうとか・・・」

「うっ。。。???!!!」

ことのあらましがぼんやりと見えてきて、
驚きが怒りに変るにはさほど時間 を要しませんでした。
更に詰め寄る私に、いらんことゆうてもたー
とでも思ったのか、「よう知らんけど、まあ、あとで見とけや。」
と主人はお茶を濁しました。
あとで見とけ、っていわれたって、今すぐにでも見たい!
真相を明らかにしたい!と思うのが人情ってものでしょう。
けれどリビングにはじいさんがいるので、
それとつながっている台所で事態 を確かめることは出来ません。
私はそれから20分、もんもんとし、
じいさんが散歩に出かけたすきに、台所に走っていったのでした。

結果はこうでした。
ハムのパックの上に、マジックで「期限切れ」と書かれていたのです。
賞味期限を見てみると、確かに3日過ぎていました。
字が震えているところを見ると、じいさんも怒りに震えていたのかもしれませ ん。
が、いつもじいさんの字は震えているような感じなので、
それは考えすぎかもしれません。
ただ、はっきりと言えることは、じいさんはたった1日たりとも
期限の切れたものを、食したくないのです。
それがジュースなどであれば、彼が飲まなければいいだけ ですが、
食材の場合は、いつどの料理に使われるか分からないのです。

さて、私はどうしたでしょうか?
どうもしません。

じいさんに悪気はない、と判断しましたので、
「こんなやり方やめてくれ」と直訴する必要もありません。> じいさんを説得する気はありませんので、
「ハムなんて3日くらい大丈夫ですよー」と言う気もありません。

なんてことはありません。
もう2度とこんな不愉快な思いをしないために、
期限が1日でも過ぎたものは、冷蔵庫には残しておかないことです。
それからは私は主人にも協力願って、
つい私が忘れているものでも、期限が切れていたら捨ててくれ、
と頼んでいます。

考え方、習慣の違う人間が同じ屋根の下に暮らしても、
ほとんどの場合、 何も問題はありません。
どちらが正しいかを考えればいいだけです。
期限の切れたハムを食べて、じいさんがおなかを壊す 可能性はあっても、
期限を切れたハムを捨てたことで、私の具合が悪くなることは ないのです。
きわめてシンプルで簡単なことです。
もう、同居なんてやめてやるぅー!
ダブルキッチンにしてくれぇ〜!
冷蔵庫だけでも、別々にすればよかったーーー!!
と大騒ぎすることはありません。

もっとも、これほど冷静にこの件を処理するのに、
数時間はかかってしまいましたけどね。(笑)



「嫁物語1」へ

「嫁物語2」へ

「嫁物語3」へ

Home