「九州映画」全国へ
映画は空を自由に飛びたいという若者
たちを軸に、九州の自然や街を背景に
繰り広げられる=松本廣事務所提供
地方発 再挑戦
九州を拠点にした映画づくりを進めている映画プロデューサー松本廣さんが、その第一弾として一九九四年に製作総指揮した「スーパー・ハイスクール・ギャング」(佐藤雅道監督)を年末から全国で再上映する。95年封切り直前に阪神・淡路大震災と地下鉄サリン事件が起こり、「地方発の映画なんて吹き飛ばされてしまった」ため、改めて挑戦することになった。
「人も金も」集め95年完成 公開、震災などでとん挫
映画は、小説家を目指す落ちこぼれの高校3年生が、「鳥のように自由に飛びたい」という幼なじみの少女とともに夢を追うというストーリー。
スタッフや出演者のほとんどを九州出身者、九州ゆかりの人で固め、福岡市から、筑豊、阿蘇、鹿児島まで九州縦断ロケを敢行。「九州発映画第1弾」として一時、大きな注目を集めた。
ところが、九五年四月の封切り直前に、阪神・淡路大震災やオウム真理教による地下鉄サリン事件など未曾有の災害、大事件が起こり、「日本中が暗い雰囲気に包まれ、地方の映画のことなど話題にすらならなくなった」(松本さん)。
福岡、北九州両市と九州各県の県庁所在地など計九ヶ所で上映したが、観客動員は五千人余りにとどまり、予定していた全国展開はとん挫してしまった。
この間、松本さんは趣旨に賛同する会社員、窯元、医師らで「筑豊千人会」を組織、映画以外の活動で筑豊、九州内外とのネットワークづくりを進めた。
転機が訪れたのは今年七月。事務所を兼ねる自宅に備え付けたパソコンでホームページを作り、東京や北海道など全国各地の仲間とネット上で通信できる態勢を整えた。
「そろそろ再上映の機会と感じた。九州は筑豊からスタートして、今度こそ全国展開をめざしたい」
松本さんが「九州発」にこだわるのは理由がある。飯塚市に生まれ、地元の県立嘉穂東高校を卒業後、上京。映画界に入り、俳優にマネージャーなどを経て、つかこうへい原作『熱海殺人事件』をはじめ十三本を製作した。帰郷したのは七年前。
「バブル経済崩壊以降、東京の魅力は急速に薄れた。まさに地方の時代だ。ロケ地を地方にして、東京から遠隔操作する映画はいくらでもある。だが、人も金も九州で集めて映画を作りたい」
「スーパー・ハイスクール・ギャング」では、オーディションに約三千五百人が応募。主役級の七人の高校生役に、すべて九州・山口の若者を起用。わき役として九州出身の藤田弓子さん、鳥越マリさんらが出演している。
来月、飯塚から上映開始
再上映の一回目は十二月二十二日、飯塚市の文化施設「コスモスコモン」で午後七時十五分開演。入場料は九百九十五円。問い合わせは上映委員会(0948・21・3255)。福岡市など九州各地と、東京、大阪などの上映は来年一月以降の予定。
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