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USB DACについて追加説明もあります。

リンク:オーディオ用高級USBケーブルの意義を考える

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パソコンでオーディオ、機器構成の概要

−初心者なんで個人的に整理してみた 2010.5.23−

1.はじめに

少し前にPCで音楽を聴いていた私はよりよく聴こうと思いたち、ネットを調べたことがあった。昔はカセットデッキやCDプレイヤーのLINE出力からアンプに入力していたので光デジタル音声端子(S/PDIF規格。TOS-LINKなど)のことはわからないまま今日まで来た。そのうちラジカセになり、ウォークマンがiPodになり、PCからヘッドフォンで聴いたり、PCからアンプに繋いだりして聴くようになった。それで充分だけれど、あるときもっと良い音で聴くことの可能性に気づいた。

ネットを見るとPCを音源として音楽を聴くための機器がずいぶん増えているようだ。しかし、どういう仕組みでどんな機器が必要なのか、その理由は何かを説明する情報にあたれず、DACやDDCって何?USBと光ケーブルの違いは何?とか、まとめて説明してくれるサイトがなかなか見つけられなかった。そこで、個人的に納得できるところまで調べ、PCで音楽を聴くときのハードウェアが何をしているか、なぜそれが必要なのか、をメモしたのがこの稿である。素人なんでおおよそのところがわかれば充分と。


2.音楽が出るまでの機能

音楽が録音されたファイルをPCで再生してスピーカーから音が出てくるまでに登場するソフトや機能、および、それらの機能が何をしているかについて整理した結果は次のとおり。

a.音が出てくるまで起きていることの流れ

曲の入ったファイルをiTunesなどのプレイヤーソフトで再生して音になって出てくるまでに次のような処理が行われている。
  1. プレイヤーソフトは音楽ファイルを読み出して、音声データを作る
  2. OSのオーディオをコントロールする機能は音声データを取り入れて、機器へ出す
  3. 機器は音声データからアナログ音声信号を作る
  4. アンプはアナログ音声信号を増幅してスピーカへ流す
  5. スピーカは音を出す

b.音を出すまでに必要な機能

この処理の流れを実現するために必要なのは次の機能をもつソフトやハードである。 2-bイメージ図

※後述のクロックのことがあるので音声データとデジタル音声信号を区別してます。

3.機能と機器

a.機能と機器の種類

PCで音楽を聴くときに必要なハードやソフトとその機能について整理した表を次に示す。
#. 機能 機器 処理の概要
a. 音楽ファイル→音声データ プレイヤーソフトウェア(WindowsMediaPlayer,iTunes,OSのサウンドコントロールやデバイスドライバなど) 音楽ファイルから音声データを作成する。例:mp3ファイル,AACファイルを読み込んで音声データを作成する
b. 音声データ→デジタル音声信号 DDC(digital-degital-converter,DD変換装置) 音声データをデジタル音声信号に変換する。例:PCMデータをUSBで取り込んでS/PDIF規格のデジタル音声信号に変換する。
c. デジタル音声信号→アナログ音声信号
,音声データ→アナログ音声信号
DAC(digital-analogue-converter,DA変換装置) デジタルからアナログ音声信号に変換する機能。例:音声データやS/PDIF規格の音声信号を取り込んで、アナログ音声信号に変換する。
d. 音声出力 アンプ・スピーカ アナログ音声信号を増幅してヘッドフォンやスピーカに出力する。例:アナログ音声信号を取り込んでスピーカへ出力できるように増幅してスピーカを鳴らす

ソフトウェアとして必要なのはa.である。ソフトウェアの機能には音声データを処理したりハードウェアをコントロールする役割も含む。必要なハードウェアとして必要なのはb.c.d.である。

b.複数の機能を持つ機器

複数の機能をひとつの機器にまとめた製品もある。

c.接続ケーブル

(3)機器と機器をつなぐ接続ケーブルの種類については次の通り。
ケーブル種類(端子) 伝送されるデータ
光ファイバーケーブル,オプティカル(光デジタル音声端子、TOSLINK) S/PDIF規格のデジタル音声信号が流れる。
同軸ケーブル,コアキシャル(RCA端子) S/PDIF規格のデジタル音声信号が流れる。
USBケーブル(USB端子) USBオーディオデータが流れる。


4.機器構成と接続のパターン

機器の構成と入出力を以下の表で示す。

a.PCもしくはPCに繋いだスピーカで聴く場合

4-aイメージ図

PCで再生して直にスピーカ(アクティブスピーカ)で聴く場合。
入力→ 機器 →出力
1. 音楽ファイル プレイヤーソフトウェア(iTunesなど)&OSのシステムソフトウェア 音声データ(おそらくPCMデータ)
2. 音声データ PC内蔵のオーディオデバイスと同じく内蔵のDAC アナログ音声信号
3. アナログ音声信号 スピーカ内蔵のアンプ アナログ音声信号(増幅後)
4. アナログ音声信号 PC内蔵のスピーカ

1.〜2.をPCで処理する。3.〜4.はアクティブスピーカで処理する。

b.PCの光デジタル音声端子とアンプを繋いで聴く場合

4-aイメージ図

PCに光デジタル音声端子が付いていてそれをアンプに繋いで聴く場合。
入力→ 機器 →出力
1. 音楽ファイル プレイヤーソフトウェア&OSシステムソフトウェア 音声データ
2. 音声データ PC内蔵のDDC(光デジタル音声端子出力) デジタル音声信号
3. デジタル音声信号 アンプ内蔵のDAC、アンプ(光デジタル音声端子入力,スピーカ端子出力) アナログ音声信号(増幅後)
4. アナログ音声信号(増幅後) スピーカ

PCとアンプに光デジタル音声端子が付いている場合か。PC内蔵のDDCによってデジタル−デジタル変換をして、その結果をアンプに送り込む。アンプは「DAC」と「増幅」の2機能を持ち、DACでデジタル−アナログ変換で音声信号に変換し、音声信号をスピーカを鳴らせるまで増幅する。

c.PCと光デジタル音声端子とDACを繋いでアンプで聴く場合

4-cイメージ図

PCに光デジタル音声端子が付いている場合。
入力→ 機器 →出力
1. 音楽ファイル プレイヤーソフトウェア&OSシステムソフトウェア 音声データ
2. 音声データ PC内蔵のDDC(光デジタル音声端子出力) デジタル音声信号
3. デジタル音声信号 DAC(光デジタル入力端子,RCA端子出力) アナログ音声信号
4. アナログ音声信号 アンプ(RCA端子入力,スピーカ端子出力) アナログ音声信号(増幅後)
5. アナログ音声信号(増幅後) スピーカ

PCとアンプに光デジタル音声端子が付いていてアンプがRCA端子の場合でDACを足した場合か。PCとDACの接続に光ケーブルを使用する。

d.PCとUSBオーディオデバイス(DAC)を繋いでアンプで聴く場合

4-dイメージ図

PCにUSBオーディオ装置を繋いでアンプをつなげて聴く場合。
入力→ 機器 →出力
1. 音楽ファイル プレイヤーソフトウェア&OSシステムソフトウェア(USB端子出力) 音声データ
2. 音声データ DAC(USB端子入力,RCA端子出力) アナログ音声信号
3. アナログ音声信号 アンプ(RCA端子入力,スピーカ端子出力) アナログ音声信号(増幅後)
4. アナログ音声信号(増幅後) スピーカ

アナログなアンプを持っている場合か。PCとDACの接続にUSBケーブルを使用する。私はこの構成で聴いている。

e.PCとUSBオーディオデバイス(DDC)とDACとアンプを繋いで聴く場合

4-eイメージ図

PCにUSB接続したDDCから光ケーブルを使用してDACとアンプを繋ぐ。
入力→ 機器 →出力
1. 音楽ファイル プレイヤーソフトウェア&OSシステムソフトウェア(USB端子出力) 音声データ
2. 音声データ DDC(USB端子入力,光デジタル音声端子出力) デジタル音声信号
3. デジタル音声信号 DAC(光デジタル音声端子入力,RCA端子出力) アナログ音声信号
4. アナログ音声信号 アンプ(RCA端子入力,スピーカ端子出力) アナログ音声信号(増幅後)
5. アナログ音声信号(増幅後) スピーカ

すでにDACを持っていて、パソコンに光デジタル音声端子出力がない場合のパターンか。PCとDDCはUSBで繋ぐ。DDCとDACは光ケーブルで繋ぐ。


5.クロックとUSBとS/PDIF規格について

DACとの接続にUSBケーブルと光ファイバーケーブル(同軸ケーブルも含む)が使える場合、両者の違いは何か?

光ファイバーケーブル、同軸ケーブル

イメージ図 光ファイバーケーブルの場合は、S/PDIF規格で流れてくるデジタル音声信号に時間軸を表す情報(以下クロック)が含まれている。クロックはデジタル音声信号からアナログ音声信号を再生するときに必要な情報である。DACは入力したデジタル音声信号からクロックを取り出し音の再生に使用することができる。

クロックはデータではなく信号であり、信号の品質は音に影響する。DACにおいてはクロックは精確であることが望ましい。光ファイバーケーブルでDAC機器と繋ぐ場合は、クロックの品質は2種類の影響で現れる。

光ファイバーケーブル接続の場合は、信号の送り手のクロックに音が影響を受ける。また、製品によってはクロックを作り出すときに安定したクロックを取り出すように工夫したものもある。

USB接続

イメージ図USBケーブル接続の場合はS/PDIF規格と異なり音声データにクロックの信号は含まれていない。PCとUSB接続機器の間の伝送はデータの伝送であり音声の再生スピードと同期していない。USB接続のDACはデジタル−アナログ変換のためにDACの内部にクロックを持ちデータ送信側のクロック品質の影響を受けない(Isochronous転送のモードがAdaptive方式でもAsynchronous方式でも変わらないらしい。実際のデータ転送ではasync方式のフロー制御が無意味になってるみたい)。

PCとの間の伝送エラーについては、PCの処理の負荷によってデータ落ちが発生する場合はあるが、クロックの品質に起因する問題ではない。このようにUSBケーブル接続の場合は、データの送り手のクロックではなくDACのクロックの品質が音の品質に影響する。

クロック

イメージ図

このように光ファイバーケーブルとUSBではアナログ音声信号の再生に必要なクロックに違いがある。高級オーディオ機器には精度の良いクロックを使っていることをアピールする製品がある。また精確なクロックを得るのに外部クロック装置を使う方法がある。クロックを供給する製品があり、クロック信号を入力する端子を備えた製品がある。クロックの精度を高めるための工夫は、部品の品質と並び、オーディオ製品のトレンドになっているようだ。


おまけ。費用をかけるべき機器

正しいかどうか別として前提をおく。

PCでオーディオをしていい音で聴くには、PC内蔵の機器はコスト的に改善の余地があるので外部の機器を接続することで改善する。その優先順位は次の通り。ただし私の主観。

  1. スピーカ
  2. アンプ
  3. DAC,DDC

スピーカとアンプは音の出口に近い重要な部分なのでもっとも留意すべき機器と考える。DACも音を作り出す部分なので次に重要な部分であり、ノイズからの遮断やアナログ部分の品質、そして音声信号を再生するときのクロックがポイント。PCはオーディオ製品ではないが、DACはオーディオ製品であることを考えるとそれなりの品質のクロックを使っているのではないか? そう考えるとUSB接続のDACが面倒でなくて良いんじゃないかなぁと考える。DDCもポイントはクロック。PCに品質の良いクロックのついたサウンドカードがあれば光デジタル音声端子出力でも良いと思う。デジタル側はDACやDDC以外の機器へ費用をつぎ込むなら、曲データを入手したり、スピーカやセッティングに費用をつぎ込む方がましと考える。

たとえば。USBケーブルにはオーディオ用の高級なケーブルが存在するが、理屈で考えるとUSBケーブルで送信するビットが変化してしまう可能性はほぼゼロのはず、また、クロックも含んでいないので音への影響はほんの僅かと考える。また、オーディオ雑誌のUSBケーブルを比較するレビューでは、ある評価者は他の機器の差に比べてUSBケーブルの差による違いは僅かである、と記述してた。実際に音が変わるという記述を見ると「変わるんだろうなぁ」と思うけれど、その理由はノイズの遮断やアナログ回路への影響ではないか?そしてそれはケーブルの品質でカバーできるのものだろうか・・・謎。以上のことから「音の品質」のために高級オーディオ用USBケーブルの存在を選ぶことについて、私はデジタルの理屈や目的に合わないので否定する。否定するけれど、いにしえの「CDがデジタルにもかかわらず機器によってなぜ音が変わるのか?」という論争を思い出すに、まだ断定できなかったり。

以上。


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