比屋定篤子・笹子重治 ライブレポート

2002年11月5日(月)
開場:18:00
開演:19:00
場所:今池TOKUZO


比屋定篤子さんの1stアルバム「のすたるじあ」は1997年12月のリリースで、僕は彼女の歌声に始めて触れたときのことをよく覚えている。今はなき横浜のヴァージンメガストア(イセザキモールのカレー博物館が入っているビルの2階で現在はパチンコ屋が入っている)で、店内でこの「のすたるじあ」が流れていたのだ。その艶やかな歌声に魅せられて一目惚れならぬ、一聴惚れしてすぐに買って帰り、以後現在まで愛聴盤となっている。比屋定さんはあまりライブをやらない方で、さらに沖縄に移住してしまったと聞き、このままライブは見れないままなのかなと思っていたところで、名古屋でのライブの情報が!仕事の調整をなんとかつけて見に行くことができました。

前座で「酒の肴」というバンドが演奏して、場も暖まった20時頃に登場。今回のライブは「比屋定篤子、笹子重治」のデュオ名義のライブだったのですが、それもそのはず、楽器は笹子さんのアコースティックギターのみ。どんなものになるかと不安な気持ちで見始めたのですが、そんな心配は杞憂に終わり、笹子さんの緩急硬軟陰陽自由自在で魔法のような表現力を見せるギター演奏を堪能しました。僕はギター演奏の細かいことはよくわからないのですが、とにかく1本のギターであそこまで表現できるとはと驚きました。

今回のライブでは比屋定さんが1曲ずつタイトルを述べ曲解説をしており、僕は律儀にメモをとっていましたので、まず以下にセットリストを書き、ライブの印象はその後で書こうと思います。タイトルの後にはCDとして発表されているものについてはそのアルバムタイトルを、またそれ以外の曲は注記を記しています。「ササヒヤコンビ」というのは、笹子さんが曲を書き、比屋定さんが詞を書いた曲だが、CDにはなっていないもの。


アルバムリスト(リンクは「亜熱帯日和」等のディスク紹介にとびます)
1.比屋定篤子「のすたるじあ」
2.比屋定篤子「ささやかれた夢の話」
3.比屋定篤子「ルア・ラランジャ」
4.Fin−Tong「Fin−Tong」
5.V.A.「Sala da Bossa」

SET LIST
1.「Love Me Tender」(友部正人が歌っているのに影響されてだそうです)
2.「七色神話」(ルア・ラランジャ)
3.「いつもの席で」(12月発売予定コンピレーションCDに収録予定)
4.「シャボン」(Fin-Tong)
5.「乾いた空」(Fin-Tong)
6.「乙女ノックアウトナイト」(ササヒヤコンビ)
7.「風のまつり」(ササヒヤコンビ)
8.「ティンサグの花」(沖縄民謡)
9.「昨日と違う今日」(のすたるじあ)
10.「さら さら」(Sala da Bossa)
11.「月の宝石」(Sala da Bossa)
12.「眠り」(ささやかれた夢の話)
13.「ウクレレラブ」(比屋定さんが作詞作曲でウクレレを弾く曲)
14.「夕日のうた」(比屋定さんが作詞作曲だそうです)
15.「まわれ まわれ」(ささやかれた夢の話)

アンコール
16.「ALLELUJAH」(FAIRGROUND ATTRACTIONの曲)
17.「君の住む街にとんで行きたい」(のすたるじあ)


印象的だったのは曲が終わるときの表情で、歌をうたう世界に「キュー」っと入り込んでいて、演奏が終わるとすっと現実世界に引き戻されるかのように表情が変わる。その変化が印象深い。

また彼女の声はCDで聴いていたとき以上に、その声の艶やかさを感じることができた。低い音から高い音まで高音域をとびまわるようなヴォーカルではなく、口から発せられた声それ自身の肌触り感触のようなものがとても心地よい。特にそれを感じられたのが16でこの曲では「ハーーレルヤ」と言った感じで「ハー」とか「アー」とか文節で区切られる言葉ではない音を発する部分があるわけですが、そういったところで声の艶やかさみたいなものが強く感じられた。

彼女のことをボサノヴァシンガーだと思っている人もいるかもしれないが、そうではなくて大文字で「歌手」というのが正しいように思う。彼女は根っからの「唄うたい」であり、どのような曲を取り上げようとも彼女のカラーに染め上げてしまう。今回のセットで言えば、1・8・16なども他の曲と違和感なく場に馴染んでいた。また芸人感覚といったことも感じた。僕は以前にフェア−グランドアトラクションのヴォーカルであったエディ・リーダーのライブを見たことがあるのですが、その場にいる人々を楽しませようとする心意気みたいなものを強く感じたのですが、今回も同じような感触を持った。言葉を替えて言えば、自作自演のロックシンガーなんかにありがちな自己表出による暑苦しさと無縁でそこが好ましい。

以上のような感想を持ち大変に満足したライブでした。バンドでの演奏だとどのようになるかも興味深く、機会があればぜひ見てみたいところです。終演後に比屋定さんから「Sala da Bossa」のブックレットにサインをして頂きました。ミーハーなものですからこれもとても嬉しかったです。(2002年11月24日記す)


関連リンクは以下に
亜熱帯日和〜比屋定篤子のファンサイト
Fin-Tong
CHORO CLUB HOMEPAGE ←笹子重治さんが所属している




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