菜々のピアノレッスン topへ
ツェルニー50番はお好きですか?
ツェルニー50番なんて嫌いに決まってます。何年か前の私だったらためらいなくそう答えていたでしょう。そしてこんなの好きなヤツいるか!(ところが心から好きなヘンなヤツというのが、タマにはいるんですね〜。)と怒鳴ってました。ハイ、私もツェルニー50番が大嫌いです。
ところが!最近もしかして私はそういいつつもけっこうこのエチュードが好きになってしまっていたのではないか?というミョ〜な気持ちになって来たのです。演奏活動辞めて幾歳月、レッスンに通わなくなってこれまた幾歳月、こうなってくるとエチュードから始めるレッスンを受けて、また毎日スケールを弾いて、ハノンの練習曲を何曲か色んな調でさらって、ツェルニーのエチュードを片手づつさらう日々が懐かしくなってくる。いや懐かしいなんてモンじゃない熱望してしまう。
ところでツェルニー50番は全部あげましたか、私も全曲あげました。ということは、出来はとにかく50曲全部弾くには弾いた筈なんです。先生が鉛筆でつけた印が全部ついてますし、ざっとみてたしかにさらった覚えもあります。50曲全部に美しくも華やかな思い出がぎっしり詰まっている筈もないのですが、なぜか?また1番から50番までも1度レッスンしなおしてみたくなる。指先の鍵盤に当たるあたりがムズムズとして来るのです。
私思うに、エチュードのおさらいって嫌いだイヤだと言いながらも、始めるとムキになっちゃう部分てあるんですよね。調子でてる時は寝食忘れる感じで、次のレッスンまでに1回も間違えずに、つっかえずに弾いて見せるみてろ〜、みたいな感じで1日に5時間も6時間もエチュード弾いてとうとうエチュードで時間なくなっちゃうみたいなひどく効率の悪い練習して。
そして時々ツェルニー50番全部あげた私って、少なからずなからず自虐的傾向があるんじゃないかって、ひどく心配にもなります。また、こんなにも頑張ってる私って大好きみたいな、自分に淫している気持ち悪さまであるんです。
今手垢だらけでページの端が捩れているツェルニー50番みてると色々考えるんですが、これとクラマービューロー60番とクレメンティ グラドス アド パルナッスムまであげて、ツェルニー60番の途中で私はレッスンを受けるのを辞めました。演奏会では普通弾くことのないこの膨大なエチュード群をみると、ピアノのレッスンにはエチュードを力の限り1曲でも多く上げるという、エチュード道みたいのが確かに存在してるような気がします。(2001年1月23日)
ところでツェルニー50番て何ですか?
ツェルニー50番が何か知らない方は、大きな楽器屋さんに行った時にピアノの楽譜の棚をさがしましょう。エチュードもしくはツェルニーの分類の棚に必ず在る筈です。本屋さんでもおおきな書店ならおいてあります。運悪く品切れしてても取り寄せなんてする事ありません。今からピアノを習おうとしているなら、必要になるのはずっと後のことですし、習う気がないのならば、こんなCDがでてるって話なんて聞いた事在りませんから、持っていても仕方ありません。音楽之友社からと全音出版のがありますが、内容は一緒です。
少しでも音符の読める方なら同じ音型が始めから終わりまで出てくることが解ると思います。そもそもエチュードというのは、ピアノが弾ける様になる為に弾く曲のことで、コンサートで弾いたりはしやしませんん。勿論リサイタルで取り上げられるショパンやリストみたいに芸術的完成度の高いエチュードも世の中のは存在するのですが、残念ながらカール・ツェルニー先生のエチュードはそういった類いのものじゃありません。ひたすら同じ音型を反復練習することで、技術を習得しようというのが最大の目的です。
このツェルニー50番はツェルニーの作曲したエチュードの中でも難しい方で、1番最初にかの有名なバイエルとかメトードローズ、グローバーとかバスティーンみたいなアメリカの教材(これは私も使っています。)ヤマハで出しているみんなのオルガンピアノの本や、最近注目され始めたツィーグラー等が終わって、次のブルグミュラー25のやさしい練習曲の真中へんでツェルニー100番をはじめるか、もちょっと先でツェルニー30番をもらうかするのです。つまりホントの初歩の段階の次あたりで、皆様はツェルニー先生のエチュードと遭遇するのです。
そして、このへんから真の名曲を弾ける日を目指し、次はツェルニー40番に進みその次のこのツェルニー50番が弾けるあたりでピアノの為に作曲されたたいていの曲を弾けるようになるのです。簡単なようですが、なかなか長い道のりです。
カール・ツェルニーって誰?
ピアノのレッスンを受けたことが無い人や、受けてもツェルニーのエチュードをやらなかった人は、ベートーヴェンやモーツァルト、ショパンは知っていてもカール・ツェルニーなんておっさん知らなくても不思議はありません。この人は膨大なエチュードの作曲でピアノ学習者には恐れられても、現在は彼の作曲した他の曲(ピアノ曲や、レクイエム、コンチェルトその他たくさん)は陽の目をみてはいません。
カール・ツェルニーはかの超有名なベートーヴェンの生徒で、1791年ウィーン生まれです。ピアノは上手だったらしいのですが、あんまり演奏活動は好きじゃなかったみたいで、後進の指導に熱心な人だったようです。
一生独身で過ごしたのですが、これは師のベートヴェンを見習ったためか、単にモテなかっただけなのか、ゲイであったためなのかは私は知りません。
たいへんベートーヴェンを尊敬していて、ベートヴェンの作曲したピアノ曲をなんとか上手に弾きたい、そして生徒どもに弾かせたい一心でこんなにも熱心にエチュードを沢山製造し続けたというウワサもあるのです。実際ベートーヴェンのソナタなんかは、前期中期はとにかく(これだって大変だけど)後期ともなるととてつもなく長くてかつ難しく、ヒステリーが起きてくるようなシロモノです。私も100回くらいヒステリー起こしました。
そのヒステリー起爆剤みたいな曲を弾く為のエチュードなんですから、これが簡単な筈もなく、この人は1857年に亡くなっているのですが、没後150年近くたった今も、後世の人間をエンエンと苦しめ続けている点では、師のベートーヴェンといい勝負なのです。
(注:エチュードは練習曲)
(2001年1月26日)
↓これは全音出版のツェルニー50番です。
↓というか、ここ執筆したの2001年だったけれど、2009年の今ツェルニー50番のCDちゃんと出てます♪
興味のある方視聴出来る店舗もあるみたいですのでのぞいて見てください。
菜々のピアノレッスン topへ