迷光の間:シアターシステム
 スクリーン+ミラー
スプリングローラー式スクリーン:OS AM-TV100B-PP(4:3型100インチ)
上映時は引っかけ棒で引き下ろす。貼り込み式のパネルタイプの方が平面性に優れることは確かなのだが、6畳間に100インチのスクリーンが常に張ってあるのはあまりに暴力的だし、第一空間の切り替えを楽しむことができない。スクリーンを下ろせば、外の風景を映していた窓が仮想空間への窓に置き換わる。そんなSF映画のような瞬間が、結構楽しかったりする。電動の方がもっと良かったのだが、べらぼうに高い。
生地はビーズの明るさとマットの階調性・色再現を程良く兼ね備えたパール地を選択。スクリーン・ゲインは2.0で、明るさが欲しいゲームの時に好適。暗く沈めたいときはフィルターをかませばいくらでも落とせる。
壁は石膏ボードでもろいので、組立家具用のアングルにのせて床から支えている。アングルは少しでも迷光を防ごうと黒いものを選んだが、普段あまりに目立つので、白にしておけば良かったと、少し後悔している。
普段の状態

上は巻き上げた普段の状態。写真は部屋の外から広角で撮っているので、実際の視聴位置だとスクリーンや映像の印象はこれよりやや大きい。

引き下ろした状態(4:3)
上映時(4:3)
上映時(4:3)
引き下ろした状態(16:9)
上映時(16:9)

左上:「風と共に去りぬ」より
上:「アポロ13」より
左:「電脳戦機バーチャロン
  オラトリオ・タングラム」
  (ゲーム)より

スクリーン波打ち防止フック
 パネルタイプのスクリーンでないため、どうしても全体にかかる張力の不均一によってスクリーン面に微妙な波打ちが発生してしまう。パール地は特に、この種のたわみを強調する反射特性をもっており、フェードアウトするシーンなどは波が結構目についてしまう。
 これを少しでもやわらげようと、スクリーンはスプリング側のロックに依らず、スプリングの張力がかかった状態で下端の横材両端をフックにかけて固定している。これにより常にスプリングの張力がスクリーンにかかった状態になるため、波打ちが若干緩和される。

滑車部分


フック部分


機構図解

スクリーン・アスペクト比調整機構:(自作)
 映画等のスコープ・サイズ収録のソフトの場合、画面の上下は黒帯となる。ところがプロジェクターが液晶式であるため、どうしてもこの部分の黒浮きが避けられない。結果、特に暗いシーンで画面の境が曖昧になったり、全体的なコントラスト感が低下したりしてしまう。
 これを防止するため、黒帯にあたる部分のスクリーンに適宜マスクをかけられる機構を設けた。同様な工作をしている事例をインターネットでいくつか見かけ、それに触発されて設けたのだが、実際大きな効果がある。映像全体がものすごく引き締まってくれる。独自の工夫としては、滑車機構でマスクが上下するようにしたこと。
 画面の上方と下方に、黒いハイミロンの幕をたらしている。この幕は横架材の両端でワイヤーによって吊られており、滑車経由でワイヤーを引っ張ったりゆるめたりすることによって上下する。ワイヤーの端はターンバックルを介してフックに引っかけられ、これにより自重で幕は固定される。フックは作品によって微妙に異なるアスペクト比に対応すべく、6組ほど設けられている。作品ごとにフックをメモしておくことにより、観賞時には上映に先立って容易に作品に最適化されたスクリーンを実現できる仕組みである。またターンバックルを回転させることによってフックに引っかけた後も微調整が可能である。
 この機構は実用になる状態にもっていくまでかなりの試行錯誤を要した。最初は上下の幕が連動して開いたり閉じたりするようにしたが、画面の中心や字幕の位置がソフトによってかなり違い、またワイヤーが異様に重くなることが判明したため、結局独立して動かすようにした。


上映時


普段の状態


掛け鏡にもなる


表面反射鏡図解

可動式表面反射鏡:(鏡-特注、機構-自作)
 うちのプロジェクター(L10000)は液晶式プロジェクターの中では平均的といえる焦点距離で設計されており、一般的な6畳間だと長辺方向ギリギリを使っても4:3の80インチが精一杯である。しかし、より大きなスクリーンを張ることさえできれば、投射距離の空間的制約は鏡を使うことによって手軽に克服できてしまうのである。
 実は将来的な引っ越しなどを見越してスクリーンこそ100インチのものを購入したものの、当初は鏡による画質劣化を恐れて素直に80インチ投影にしていた。ところが思い切ってやってみると問題は何もないどころか20インチアップの迫力は大変なもので、最初からこうしていれば良かったと後悔したほど。考えてみれば、プロジェクターの内部でも光線は幾度も鏡やプリズムによって折り畳まれているわけだから、それがプロジェクターの外でもう一回追加されるだけのことなのである。
 表面反射鏡というのはガラス基盤の裏側ではなく表側に金属膜を蒸着させたり、あるいは単純に金属板の表面を磨き上げてつくられるタイプの鏡で、反射望遠鏡などに用いられる。プロジェクターの中の鏡もこのタイプ。普通の鏡だとどうしても金属膜だけでなくガラスの表面でも光が反射し、ガラスの厚さ分ずれた乱視状の反射像になってしまう。鏡の表面に指を突き立て、その指先の反射像をよく見るとこのブレがよくわかる。プロジェクターの映像では、当然この微妙なゴーストが拡大されてしまい、コントラストも若干低下する(ただし事前に実験してみたところ、映画ソースだと実はほとんどわからない。問題はカリカリにシャープなVGA信号のドリームキャストで、エッジが眼に見えて二重写しになってしまう)。
 こうした劣化を一掃するため、620mm×420mmのアルミ表面鏡を特注した。6畳で4:3の100インチ投影を可能にする大きさである。5万円以上するなら諦めようと思っていたが、10社ほどから見積もりをとったところ、反射率90%の比較的上質なものを3万5千円でつくってくれるところがあったため、発注※1(その後、3万円でつくってくれる業者も発見したのだが※2)。
 結果は絶大。劣化を全く感じさせないどころか、かえってコントラストが上がったのではないかと思うくらいの映像で80インチが100インチになったのだから、様々な工夫・工作の中でもこれがずば抜けてコストパフォーマンスが高かった。
 なお、上映時以外は邪魔で、何よりドアの開閉にぶちあたってしまうため、ヒンジ機構をフレームに設けて普段は壁面にたたむようにしている。インテリアとして、壁に掛けた普通の鏡のごとく鏡面を表側にしてたたむこともできるのだが、ヒカリモノがあまり好きではないので写真のように裏を向けている。
 ※1:ジャパンセル(042-756-4621)
 ※2:酒井硝子エンジニアリング(03-3647-7422)
 ただし後者は反射率を85%以上としている。

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