クエルダセカタイル
みなさんもご存じのとおり、スペインはイスラム統治の長い歴史を持った国です。 ヨーロッパの一国にもかかわらず、スペイン文化が他のヨーロッパ諸国と著しく異なるのは、この間にイスラム文化の影響を強く受けたことによります。タイルの世界も例外ではなく、イスラム人がタイル文化の発達に大きく貢献したことは間違いありません。
その代表がグラナダにあるアルハンブラ宮殿で、アラベスク模様のタイルで至る所を埋め尽くされたこの宮殿は、まさにスペインにおいて開化したイスラム文化の最高の芸術品といえます。
クエルダセカタイルも、イスラム人がスペインにもたらした技術のひとつであり、表面に軽い凸凹があるのが特徴です。 基本的には油とマンガンの混合物で縁どりをした中に、釉薬を太い筆の先、またはスポイトを使い流しこんでいきます。油を含んだ縁どりの線が境界線の役割を果たし、釉がまじりあうことを防ぐため、クエルダセカ技法によるアラベスク模様のタイルなどは、一見個々の幾何学タイルピースを組み合わせたモザイクタイルのように見えます。
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クエルダセカタイルの表面は、上の写真のように凸凹しています
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マヨルカタイル
マニセス、タラベラ、セビーリャを始め、スペイン各地で現在多く生産されているのがマヨルカタイルです。マヨルカタイルはマジョリカ焼き、マジョルカ、マヨリカ、など様々な呼ばれ方がありますが、スペインでは一般に「マヨルカ」と呼ばれています。
マヨルカタイルの歴史を遡れば、14世紀、青1色または緑と黒2色で絵付けされたものが始まりで、タイルに限らずお皿や壷の装飾にもよく使われていました。現在の様な黄、オレンジ、青、緑・・・と色とりどりで絵付けされるようになったのは18世紀になってからで、モチーフは宗教、生活の一部分、仕事、紋章などでした。お隣の国ポルトガルでは「アズレージョ」として良く知られている技法です。
マヨルカタイルに使われる技法は、筆遣いなど水彩画の要領とよく似ています。素焼きのタイルに白色の錫系釉薬をかけ、その釉が乾いた上に色顔料を使って絵付けしていきます。 |
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マヨルカタイルの表面は、釉薬に顔料が溶け込んでいるため
上の写真のように、印刷とは違うしっとりした感じがあります
(HP上で見やすくするため、白地の部分をグレーがかった色に加工しています)
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ソカラトタイル
ソカラトタイルはかつて、陶芸で有名なマニセスと並ぶバレンシア屈指の窯場であったパテルナにおいて、15世紀から16世紀に盛んに作られたタイルです。ソカラトとはバレンシア語で“焦げ”という意味で、つまり“焦がすだけで簡単に作れるタイル”ということを表わしています。
実際、制作過程はいたって簡単であり、焼成も一度だけ、絵付けも赤と黒2色、またはどちらか1色のみという素朴なタイルです。当時は芸術品としてのタイル画というよりも、天井の梁と梁を埋める、または軒下にはめ込む実用タイルとして生産されていました。
ソカラトタイルの一番の特徴はそのモチーフの愉快さにあります。絵の主体となるモチーフは、動物・鳥・人間・船あるいは空想上や伝説の生き物などバラエティに富んでおり、その主体となるモチーフを取り巻き装飾効果を出しているのが幾何学模様、植物からとったモチーフなどです。ソカラトタイルのこれらの愉快なモチーフは、5世紀という長い年月を経た現在にも受け継がれています。
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ラスター絵付け
主に銀や酸化銅をベースとした顔料で絵付け、焼成後はルビー色や茶色、黄色がかった金色になります。
イスラム諸国から伝わった技法でスペインでは15世紀に盛んに用いられました。 |
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| 他にも様々な技法があります
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