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夜のタラゴナ散策
- 謎の壁画現る |
悪魔の橋に行った日の夜、捻挫をした子をホテルに残して、もう1人の女の子と2人で、街を散策しに出掛けた。地中海のバルコニーと呼ばれる高台から眺める海は漆黒の闇。どこまでが海で、どこからが空なのか全く見分けがつかない。闇に吸い込まれそうなほど無気味だ。
円形劇場にも足を運ぶ。闇に浮かぶ円形劇場もこれまた無気味。次はカテドラルを目指す。考古学博物館の脇を通り、市庁舎のある広場へ。この辺りはオスタルが多い。広場からカテドラルに向かう坂道を歩いると、奇妙なモノが視界に入った。左手の路地の奥の建物にいくつかの人形が浮かび上がっている。それを見た途端、2人ともギョッとして、一瞬声を失い、思わず立ち止まった。
「あれ、何?」
「本物の人形?」
あまりの無気味さに慄きながらも、恐る恐る近付いてよく見てみると、建物の壁一面に書かれた絵だった。壁には、窓やテラスの絵が描かれ、そこにこの地方のお祭りで使われる人形とおぼしき人物の絵が描かれていた。「本当にすごいよね!」という言葉しか出ないほど、暗闇に浮かぶ人形の絵は衝撃的で、2人とも感動しまくった。
「(ホテルで待ってる)Eちゃんにも見せてあげたいね」
「でも、明るいときに見たら、なんてことなかったりしてね」
などと話ながらカテドラルにたどり着いた。直前に見た絵のインパクトが強すぎて、ふーん、と眺めただけでホテルに戻った。
次の日、あの感動をEちゃんにも!ということで、Eちゃんの捻挫は全くよくなっていないのに、強引に連れて行った。そうしたら、嫌な予感は的中。昼間に見たら、ただの薄汚い絵だった。Eちゃん、ごめん。
おそらく、この壁画を見たことがある人は「どうして、アレに感動するわけ?」と思うだろう。でも、夜見てごらん。本当にすごいんだから。
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| 1998.2.26 |
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