オンダリビア 
オンダリビア行きのバス停探し
朝、目覚めたら雨だった。サンセバスチャンの友達の家。友達が言うには「ずっと天気が悪い」らしい。 天気が悪いと出掛ける気分にならない。オスタル泊まりならともかく、友達の家は居心地も良くて、 ますます腰が重くなる。やっとの思いで12時ころになって出掛ける決心する。行き先はオンダリビア。 これはバスク名で、スペイン名はフエンテラビアだ。オンダリビアはフランス国境の近くにある漁村で 色鮮やかな木組で縁取られた家々が立ち並ぶ町並み(写真)が美しい(らしい)。サン・セバスチャンの友達の家からバスで市街地に出て、そこからオンダリビア行きのバスに乗ろうと思った。 持って行ったガイドブック『地球の歩き方』にはOquendo通りの16番地からバスが出ている、と書かれており、 その通りへ行ってみた。しかし、バス停の気配が無い。
仕方がないので、観光案内所へ聞きに行った。が、観光案内所のお姉さんも、ガイドブックと同じ場所を 指し示す。自分が見落としたのではないかと思い、再び、その場所へ行ってみたが、やはりどこにも バス停は無い。頭の中は???だ。サン・セバスチャンは大雨。すでにずぶ濡れの状態。観光案内所まで は遠くはないが、ちょっと歩いただけでもずぶ濡れになってしまうほどの雨。それでも、仕方がないので 再び、観光案内所へ行ってみる。自分でも「何やってんだろ・・・わたし」と思いつつ。今度は別の人が対応してくれた。わたしの地図を見て、「ここじゃないわよ。」と別の場所にマーキング してくれた。「なぁんだ、やっぱり違うんじゃん」。お姉さんは丁寧に、「ここよ。あ、もうちょっと こっちかな。この通りの角にバス停があるから・・・」と。今度は信用できそうだ。
しかし、実際はちょっと違った。通りの角には何もなかったが、付近にバスを待っている人の群れがあった。 そこへ行ってみると、INTERBUSの標識。そして、バス停にはHondarribiaの文字が。ようやく、 オンダリビアへ行けそうだ。まさか、バス停にたどり着くまでにこんなに苦労するとは思いもしなかった。 観光案内所のお姉さんたち、しっかりしてよね。
ちなみにバスは Legazpi通りから出ていた。
嵐のオンダリビア
バスがやって来た。バスの表示は「San Sebastian - Fuenterrabia」。バス停の表示はバスク名Hondarribiaなのに バスの表示はスペイン名Fuenterrabia。見ていると他にもSan Sebastianがバスク名Donostiaだったりして、 スペイン名とバスク名が混在していて、実にややこしい。知らないとかなり混乱しそうだ。この地方では標識や表示などバスク語とスペイン語が併記されていることが多い。何か情報を得たい時、2倍の 文字が目に飛び込んでくるので、頭が疲れる・・・。慣れればそれほどでも無いのかな。
さて、バスに乗り込み、運転手さんに行き先を告げると切符をくれる。オンダリビアまでは200pts、4、50分ほどで 着くはずだ。車窓から外を見るが 相変わらずの雨で、外気はかなり低いようだ。あっという間に窓ガラスが曇ってしまう。どこをどう走っているのか、 よくわからないままバスに揺られる。やがて、イルンの街に入り、オンダリビアへと向かったようだ。でも、いったい どこでバスを降りればいいんだろう。どうやらバスはオンダリビアに入ったらしい。どんどん客は降りて行く。 「ここで降りた方がいいのかな」「オンダリビアが終点なんだよな?」「終点ってどの辺りなんだろう」と 不安がつのる。オンダリビアらしき街に入って二つ目のバス停で、運転手サンに聞いてみた。「ここがオンダリビア なの?」と。そしたら、「オンダリビアには三つバス停があって、次が終点だよ」と教えてくれた。なるほど。 それじゃ、終点まで乗ってみましょ。
バスを降りてまずは昼食。バスは街を抜けて来たので、だいたいの様子はわかった。来た道を少し戻ってみると レストランがたくさんある。でも、たくさんありすぎてどのお店に入ったらいいのか迷ってしまう。赤い木組が かわいいレストラン(写真)に入ってみた。外からお店の中の様子が見えずちょっと不安だったけど、入ってみると思ったより 狭くて小じんまりとした感じで雰囲気がいい。テーブルは7席ほどしかなく、半分はお客さんで埋まっている。 が、しばらくするとすぐに満席になってしまった。常連の人が多いようだ。
寒かったので、温かいスープにしようかとも思ったけど、サラダが食べたかったので、サラダを注文。二皿目は バスク風メルルーサ(写真)にした。身体はワインで暖めよう。サラダは野菜などの種類が豊富でボリュームも満点。 メルルーサはあっさりとした味付けで日本人の口にもあいそうだ。ゆっくりと食事をし、食後にコーヒーをいただいて、 これでちょっと心も身体も暖まった。
さぁて、オンダリビア観光だが、この暴風雨。レストランの外に出たくないな・・・。まず、観光案内所へ向かう。この悪天候のおかげで、他に観光客らしき人は見当たらない。なにもこんな日に観光しなく ても・・・と我ながらに思う。観光案内所で地図をもらい、街を散策。確かに、町並みはかわいい。天気が良ければ どんなに素敵なことか。寒さに負け、一通り街をふらついた後、サン・セバスチャンへと帰ることにした。
来た時に降りたバス停へと戻った。このバス停は海沿いにあるので、ふきつける風と雨がものすごい。でも、 すぐにバスが来た。急いでバスに乗り込む。バスは出発する気配がない。終点だから時間を待っているんだろう。 「何時に出発するの?」と聞くと「あと10分くらいで」ということだった。「オンダリビアに住んでいるの?」 「ううん。旅行してんの」「何日くらいスペインにいるの?」「一週間」「どこから来たの?」「日本」 「スペイン語はどこで勉強したの?」などと、ひたすら運転手さんに質問をされる。そうこうしているうちに バスは出発の時間になった。来た道を戻り、サン・セバスチャンへ到着。さらにバスに乗り、寒さに震えて たどりついた友達の家は天国のように暖かかった。こうしてわたしの雨に祟られたワンデイトリップが終わった のであった。