クエンカ
クエンカ日帰り旅行
クエンカという街を知っている人なら、クエンカと聞いてまず、宙づりの家が思い浮かぶであろう。断崖の上にひっかかる ようにのっかっている一軒の家。バランスを崩せば谷底へ落っこちてしまいそうである。この家を写した一枚の写真によって クエンカという町への興味は十分にそそられる。
マドリッドから電車で片道二時間半。決して近くはないけれど、日程に余裕がないのでマドリッドからクエンカ日帰り旅行を 決行することにした。朝9時35分にアトーチャ駅を出発。こんなこともあるだろうとアトーチャ駅の近くのオスタルに泊ま っていた。クエンカには12時7分に着いた。帰りの列車の時刻を確認して、駅舎を出る。まずはインフォメーションへ・・・ と思い、ガイドブックに書かれていた場所へ行ってみるがそれらしきオフィスはない。そこらを探してみても見つからない。 「まあ、わたしは方向音痴だしね・・・」なんて変に納得して探すのを諦めた。(最近知ったのだけど、この時すでにインフォメーションは 他の場所に移転していたらしい。)目指すは宙づりの家。所々に案内板があるので地図がなくても迷わずに行けそうだ。 ガイドブックに雑な地図も載っているし・・・。でも心細いよー。
新市街を抜けて川に出会った。この先が旧市街だ。立ち止まってガイドブックを覗き込む。すると、一人の老人がやってきて 「あっちだ。あっちだ。」となにも聞いていないのに教えてくれた。言われた通りに歩いてみる。いまいち不安で、いったい どこを歩いているかも把握していなかったけれどもなんとか宙づりの家までたどり着くことができた。宙づりの家の内部は抽象美術館になっている。抽象絵画やオブジェが工夫を凝らして展示されていて興味深い。内部の構造も 複雑で自分がどの位置にいるのかも時々わからなくなる。ふと、絵だと思って見てみたら、実は外の風景だったり。谷の反対側の 奇妙な形の岩々は抽象芸術とマッチしていて、そとの風景までもが窓枠という額縁のなかに芸術として収まってしまう。館内は実に 不思議な空間が広がっていた。
抽象美術館の脇から坂を下っていくと橋があり、その橋を渡るとこの宙づりの家が断崖の上にひっかかっている様子を眺めること ができる。" Casas Colgadas " 確かに宙づりの家と訳せるが、別に宙にぶらさがっているわけではないので、ガイドブックにあるように 「不安定な家」と呼ぶ方が適切なのかもしれない。宙づりの家、そしてカテドラル周辺を見て、駅のある新市街に戻った。帰りの列車は15時30分ころ(正確な時刻は忘れてしまった)。 駅の近くの中華料理店でお昼ご飯を食べ帰りの列車に乗った。
クエンカ滞在、わずかに3時間半。どれでもとりあえず、見たいところは見た。日帰りでも来て良かったと思った。来なければ また心残りが増えるだけだっただろう。翌々日の日本帰国を前に最後の仕事が終わったような気がした。