日本からマドリード入りして今回の最初の目的地はカンポ・デ・クリプターナだった。以前訪れたコンスエグラの風車の風景がとても印象的で、もう一度風車をみたいと思い、交通の便などを考えて、カンポに行くことにした。
マドリードのアトーチャ駅からアルバセーテ行きの列車でカンポへ向う。アルカサル・デ・サン・フアンを過ぎると左手に風車が見えてくる。もうすぐカンポだ。カンポの駅では20人くらいが下車した。その中で日本人らしき人物がわたしたち以外に一人いた。駅舎はこぢんまりとしてかわいらしい建物。内部には風車の絵がいくつか飾られている。翌日の列車の時刻を確認して、駅舎を出る頃にはもう同じ列車に乗ってきた人達の姿はなかった。
駅から町までは少し離れている。駅舎を出て左手に歩きはじめる。とりあえず、教会の前にあるオスタルを目指すことにした。丘の斜面に町はある。そして丘の上が風車だ。中腹にある教会の塔見つけるのは容易で、難なくオスタルも見つかった。教会前の広場を横切って、オスタルに向おうとしたとき、オスタルのからさっき同じ列車に乗ってきた日本人が出てきた。冬期はもう一つのオスタルは休業でこのオスタルしか営業していないらしい。そのおじさんは一足早くチェックインしていたので、オスタルのおばさんのところへわたしたちを連れて行き、紹介してくれた。建物の一階がバル、二階がフロント
(住居)、三階が客室だった。おじさんの部屋とはお隣同士。その後、このおじさんにはお世話になりっぱなしだった。
まず、早速、鍵の開け方を教えてもらった。スペインの鍵は日本人のわたしたちには慣れないので開けるのが難しい。コツをつかむまでに時間がかかる。ここだけでなく、頻繁に鍵には悩まされることになる。
おじさんと一緒に丘の上の風車を見に行くことにした。おじさんは一人旅が長いらしく、人恋しかったのか話がしたくてたまらない様子。旅の要領を得ないわたしたちの面倒を本当によく見てくれた。部屋のヒーターを入れてくれたり、バス停を一緒に探してくれたり、一階のバルで奢ってくれたり、水まで買って持たせてくれた。さらに、パンやハムまで分けてくれる。
そして、おじさんの話はとても興味深かった。後におじさんのお勧めの街カセレスには行ったけど、いまでも心残りなのはおじさん絶賛の街、テルエルに行ってないこと。おじさんはよっぽどテルエルが気に入ったらしく、自ら描いた地図を見せて、私たちに行くようにと勧めてくれた。
翌朝、早い時間にオスタルを出てしまい、ろくにお礼も言えなかった。それに一緒に撮った写真の一枚もなければ、名前や住所も聞いていない。なんて恩知らずなんだろう・・と、我ながら悔やまれる。もう一度、会ってお礼を言いたいけれど・・・。
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