第17回ゴヤ賞授与式
(2003.2.1)
日本での公開状況に応じた内容になっています。
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今年のゴヤ賞授与式は、まず最初にスペイン映画アカデミー会長の女優マリサ・パレデスが挨拶をしました。そして、客席後方から楽団が演奏をしながら入場。舞台上にもトラックに乗ったジプシー風の夫婦が現れ、少し遅れて今回の進行を務めるギリェルモ・トレドとアルベルト・サン・フアンが登場します。二人は作品賞にノミネートされている"El otro lado de la cama"で共演をしています。どうやら、ジプシーたちがこのガラを乗っ取ったという趣向のようです。 最初にプレゼンターとして登場したのは主演男優賞にノミネートされているハビエル・バルデムと俳優フアン・カルロス・ベジードで、二人は胸に「No a la guerra(戦争反対)」のカードをつけていました。最初のマリサ・パレデスの挨拶の中にもあったのですが、彼らも戦争反対を訴え、その後もほとんどの人がこのカードをつけて壇上に上がりました。さて、この二人によって最優秀新人女優賞が発表されます。受賞したのは"Rencor"のドロレス・ゴンサレス・フロレス”ロリータ”でした。歌手として有名な彼女は今回はじめてゴヤ賞にノミネートされての受賞です。涙を流しながら喜びを語っていました。 そしてテレビ番組"7 vidas"に出演しているゴンサロ・デ・カストロと「みんなのしあわせ」に出ていたキティ・マンベルが服飾デザイン賞とメイクアップ賞を発表します。最優秀服飾デザイン賞は"El
embrujo de Shanghai"のララ・ウエテが、メイクアップ賞は同じく"El
embrujo de Shanghai"のグレゴリオ・ロスとペピート・フエスが受賞しました。 マリアッチの一団がにぎやかに登場。その中の一人、「どつかれてアンダルシア(仮)」「獣の日」などに出ていたサンティアゴ・セグーラが最優秀新人男優賞を発表します。受賞したのは"Los lunes al sol"のホセ・アンヘル・エヒドでした。ベテランの俳優だと思うのですが、これまで映画で目立った活躍がなかったようで、今回は新人としての受賞だったようです。 俳優マヌエル・マンキーニャが最優秀短編ドキュメンタリー賞を発表し、ラモン・デ・フォンテチャの"Túnel número 20"が受賞しました。続いて発表された最優秀ドキュメンタリー映画賞は"El efecto Iguazú"が受賞しました。 続いて「ドン・ホセ・マリア・アスナール!」と紹介されて現れた人は、アスナール首相とは似ても似つかぬ人で、誰なのかよくわからないのですが、本人によると、同姓同名で近くに住んでいるお肉屋さんだそうです。なんだかわけがわかりませんが、この人が最優秀短編映画賞を発表し、"Nada
que perder"(ラファ・ルソ)が受賞しました。 メキシコ出身の歌手アラスカとバスク出身の力持ちイニャキ・ペルレナがカスティーリャ語とバスク語を話しながら登場します。二人が発表するのは最優秀助演男優賞。今回、進行を務めているアルベルト・サン・フアンは"El otro lado de la cama"でノミネートされていましたが、受賞したのは"Los lunes al sol"のルイス・トサルでした。 "El otro lado de la cama"で共演しているパス・ベガとナタリア・ベルベケが登場します。二人は以前「パズル」でも共演していました。パス・ベガは昨年、"Lucia y el sexo"で最優秀新人女優賞を受賞しています。二人が発表したのは最優秀助演女優賞で、受賞したのは"En la ciudad sin li'mites"のジェラルディン・チャプリンでした。 アルゼンチン出身で"El otro
lado de la cama"に出演しているエルネスト・アルテリオと今回主演男優賞にノミネートされているハビエル・カマラが最優秀オリジナル楽曲賞を発表します。受賞したのはカルロス・サウラ監督作品"Salome'"に使われていたロケ・バニョスの"Sevillana
para Carlos" でした。ロケ・バニョスは"800 balas"でオリジナル音楽賞にもノミネートされていました。 フランスの女優ジャンヌ・モローが登場しフランス語で挨拶をし、それをマリサ・パレデスがスペイン語で伝え、ヨーロッパ映画賞が発表されます。ノミネートされていたのは「マーサの幸せレシピ」「戦場のピアニスト」「ゴスフォード・パーク」「Italiano para principiantes(Italian for Beginners)」で、その中からロマン・ポランスキー監督の「戦場のピアニスト」が最優秀ヨーロッパ映画賞を受賞しました。 次に、打ち切りになった人気テレビ番組"Caiga quien caiga"に出演していたエル・グラン・ワイオミングとハビエル・マルティンとフアンホ・デ・ラ・イグレシアが登場します。エル・グラン・ワイオミングは「どつかれてアンダルシア(仮)」のブルーノ役だった人です。さて、3人が発表するのは最優秀音響賞で"El
otro lado de la cama"が受賞しました。この作品で音響を担当した4人のうちの1人、ジレス・オルティオンは昨年亡くなったそうです。 昨年のゴヤ賞で司会を務めていたロサ・マリア・サルダが登場し、最優秀主演女優賞を発表します。ノミネートされていたのは、レオノール・ワトリング、アナ・フェルナンデス、アドリアナ・オソレス、メルセデス・サンピエトロで、この中から"Lugares comunes"のメルセデス・サンピエトロが受賞しました。彼女は2度目のノミネートでの受賞でした。 ここで、2002年に亡くなった映画関係者の写真が映し出されます。その中には昨年のゴヤ賞で名誉賞を受賞したフアン・アントニオ・バルデム、「ミラクル・ペティント」のおじいさんルイス・シヘスの写真もありました。 昨年"Intacto"で最優秀新人監督賞を受賞したフアン・カルロス・フレスナディージョが登場し、今年の最優秀新人監督賞を発表します。受賞したのは"Smoking room"のフリオ・ワロビッツとロジェル・グアルでした。 「死んでしまったら私のことなんか誰も話さない」に出演していたアルゼンチン出身の俳優フェデリコ・ルッピが登場し、外国(スペイン語圏)映画賞を発表します。受賞したのはウルグアイの"El ultimo tren"(ディエゴ・アルスアガ監督)でした。ウルグアイ作品としてノミネートされていますが、この作品はアルゼンチン、スペインとの合作です。 女優のロラ・ドゥエニャスとカンデラ・ペニャが双子のような格好で登場し、最優秀編集賞を発表します。受賞したのは"La caja 507"のアンヘル・エルナンデス・ソイドでした。 昨年"FAUSTO 5.0"で主演男優賞を受賞したエドゥアルド・フェルナンデスと一昨年、"El bola"で作品賞と新人監督賞を受賞したアチェロ・マニャスが日経新聞と思われる新聞を手にして登場します。二人はまず、最優秀脚色賞を発表し、受賞したのは"Lugares comunes"でした。続いて最優秀オリジナル脚本賞が発表され、"En la ciudad sin li'mites"のエンリケ・ブラソとアントニオ・エルナンデスが受賞しました。 続いて「オール・アバウト・マイ・マザー」のアグラド役だったアントニア・サン・フアンがセクシーな白いドレスで登場し、最優秀主演男優賞を発表します。ノミネートされていたのは、サンチョ・グラシア、フアン・ルイス・ガリアルド、ハビエル・カマラ、ハビエル・バルデムです。アントニア・サン・フアンは「ハビエルって書いてあるんだけど・・・」と繰り返し、発表をじらします。受賞したのは"Los lunes al sol"のハビエル・バルデムでした。彼は過去に「時間切れの愛」で助演男優賞を、「電話でアモーレ」で主演男優賞を受賞しています。 "La caja 507"に出演していて、過去に「エストレーリャ」で最優秀主演男優賞を受賞したことのあるアントニオ・レシネスとベテラン俳優のアルバロ・デ・ルナが登場します。そして、マリサ・パレデスとルイス・ガルシア・ベルランガがマヌエル・アレサンドレに名誉賞を授与します。舞台上には今回プレゼンターを務めた人たちが集合し、暖かい拍手の中、名誉賞が授与されました。マヌエル・アレサンドレは「全世界の辞書から戦争という言葉が消えることを願って止みません」とスピーチをしめくくりました。 「みんなのしあわせ」や「情熱の処女」に出演しているテレレ・パベスが登場し、最優秀撮影賞を発表します。受賞したのは"El caballero don Quijote"のホセ・ルイス・アルカイネでした。これまでに11回ノミネートされているゴヤ賞の常連ですが、今回で4回目の受賞となりました。 「裸のマハ」「電話でアモーレ」などに出演しているアイタナ・サンチェス・ヒホンが登場し、最優秀監督賞を発表します。ノミネートされていたのは"El otro lado de la cama"のエミリオ・マルティネス・ラサロ、"En la ciudad sin límites"のアントニオ・エルナンデス、「トーク・トゥ・ハー」のペドロ・アルモドバル、"Los lunes al sol"のフェルナンド・レオン・デ・アラノアで、フェルナンド・レオンが受賞しました。彼は「カット!」での新人監督賞、"Barrio"での監督賞、オリジナル脚本賞に次ぐ4度目のゴヤ賞受賞となりました。フェルナンド・レオンはまず、ポケットから例のカードを出し、「戦争反対」を訴えました。 「美しき虜」で主演女優賞を受賞したことのあるペネロペ・クルスと昨年「アザーズ」で作品賞、監督賞などを受賞したアレハンドロ・アメナバルが登場し、最優秀作品賞を発表します。ノミネートされている"El otro lado de la cama""En la ciudad sin li'mites""Hable con ella""Los lunes al sol"の中から"Los lunes al sol"が受賞しました。"Los lunes al sol"は作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、新人男優賞という主要5部門で最優秀賞に輝きました。 アメリカのイラク攻撃を支持する政府を批判するなど、政治批判が相次いだ今回のゴヤ賞。「戦争反対」のカードをつけるプレゼンターや受賞者、そして、コメントの中での批判など政治色の濃い異色のゴヤ賞授与式となりました。そして最後の最後に司会者が上着を脱いだとき、彼らのTシャツに書かれていたのはやっぱり「NO」「GUERRA」という文字でした。 2003.2.6 |