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人類初の有人探査船が火星に墜落する。その衝撃によって船長が死亡、5人の乗組員が生き残る。探査艇の損傷が激しく5人は身動きがとれない。地球から救助が来るまで生き延びるための酸素と電力が足りないことを知った乗組員たちは、なんとか生き残ろうと議論をするがよい方法が見つからない。
乗組員は操縦士のスザナ、エンジニアのルカ、医師のジェニー、宇宙生物学者のフィデル、地質学者のハーバート。それぞれが知恵を出し合い、どうしたら全員生き延びることができるかを模索する。絶望的な状況の中、当然のことながら意見も食い違う。最後まで全員が生き残る方法を考え、できる限りのことをしてみようという者、そして、計算上無理なのだからなにをしても無駄だと諦める者・・・。結局、2人だけなら救助が来るまで持ちこたえることができると判断し、2人が探査艇に残り、3人が船外に出ることになる。3人はわずかな酸素ボンベを携えて、死に場所を求め、火星を彷徨う。船外に出た3人はとりあえず渓谷の底を目指すことにする。
これから数時間後には酸素不足によって死んでいくはずの3人。彼らは自分たちの彷徨の映像を探査艇に送り、残った2人はそれを見守る。3人は死が待ち受けているのを知りながらひたすら歩き、いろいろな話をする。会話をすれば酸素が減り、死が早まるのにもかかわらず・・・。その話の内容もとても興味深い。
誰が生き、誰が死ぬのか決めるとき、3人は意外と素直に死を受け入れる。人類初の火星探査の宇宙飛行士ともなれば人間的にも選ばれた人たちであることを感じさせられるけれど、ルカだけは違う。最後の最後まで嫌なヤツで人間らしいと言えば人間らしい。対象的なのがスザナで考えられないほど冷静で立派すぎる。そのスザナ役のマリア・リドンがルナという名前でこの映画の監督をしている。
スペイン映画でなければ見なかったかもしれないこの作品。絶望的な雰囲気が漂う中、回想を思わせるナレーションに安心感を与えられた。宇宙船があれでいいのか、火星があれでいいのか、とかよくわからないけれど、思いがけない結末はとっても夢と浪漫が感じられてけっこう好きかも。全体的によくできていて、思っていたよりずっと面白かった。ハリウッド映画に比べれば地味で安っぽい感じがするだろうけれど、味わい深さはあると思う。
全て英語だけど、スペイン映画。出演者もインターナショナルな感じ。火星のシーンはカナリア諸島のランサロテ島で撮影されたらしい。
2002年10月2日ビデオ、DVD発売 (日本未公開)
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