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父親の暴力から逃れるために都会で暮らすマリアは35歳。掃除婦として働き、アルコール依存症で、スラムのような都会の片隅で生きている。
そんなマリアの元に母親のローサがやってきた。病に倒れ、町の病院に入院した父親の看病をするためだった。マリアのアパートに身を寄せるローサ。娘の荒んだ生活ぶりを見て戸惑いを隠せない。ローサにできること、それは暖かい料理を作り、部屋を花で飾り、編物をし、マリアを待つことだった。
ローサはある日、スーパーで一人の老人と出会う。彼はマリアのアパートの階下で犬と暮らしていた。身寄りもなくただひっそりと死を待つだけの老人。ローサの優しさに触れ、恋心を抱くようになる。まさか、この歳になって恋をするとは思いもしなかったであろうに。
マリアは父親に嫌悪感を抱き、そんな男とは結婚しない、母親のようにはなりたくないと思っていた。しかし、そんな思いとは裏腹に、父親と同じように暴力を振るう男の子供を身ごもってしまう。マリアの心はますます荒んでいくが、決してローサを頼ろうとしない。そんなマリアの姿に心を痛めながらもローサはじっと見守っている。
そして、そんな母親の姿に、母になろうとしているマリアは心を開いていく。そしてローサが田舎に帰った後もそのぬくもりはマリアと老人の心を癒しつづけるのだった。
同じ年に製作された『オール・アバウト・マイ・マザー』と何かと比較されるこの作品。同じ母親の愛情をテーマにしているが『オール・アバウト...』のようなキャストの華やかさもなければ、息子の死というような劇的な事件も生じない。ただ、人間として母親としてごく自然に振る舞う母親の姿を描いているだけ。ストーリーだけ聞いても、あまりに地味で、とても一般受けする内容ではない。実際、監督のベニート・サンブラノもなかなか製作者にこの内容は受け入れてもらえなかった、と話している。そんな地味な映画がこれだけのヒットをするとは監督本人も想像もしていなかったらしい。どんなに素敵な話なのかは是非、作品を観て知ってもらいたいと思う。
第12回(1999年)東京国際映画祭(上映時タイトル『アローン〜ひとり〜』):最優秀男優賞(カルロス・アルバレス=ノボア)、最優秀女優賞(マリア・ガリアナ)
2001年3月日本劇場公開
2002年2月6日 ビデオ、DVD発売(キングレコード)
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スペインでは、ポスターに寒色を使い、タイトルも「孤独な(女性/複数)」という寂しげなものですが、日本では全く逆で、ポスターは暖色を使い、タイトルは「ぬくもり」と温かさを前面に出したものになっています。
これだけ正反対なのも珍しいですよね。 |
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