LOS AMANTES DEL CÍRCULO POLAR
ANA+OTTO[アナとオットー]
アナとオットー1998年 スペイン映画
監督・脚本:フリオ・メデム、音楽:アルベルト・イグレシアス、撮影:カロ・F・ベリディ、編集:イバン・アレド
出演:ナイワ・ニムリ(青年期のアナ)、フェレ・マルティネス(青年期のオットー)、サラ・バリエンテ(少女期のアナ)、ペルー・メデム(少年期のオットー)、クリステル・ディエス(思春期のアナ)、ビクトル・ウーゴ・オリベイラ(思春期のオットー)、ナンチョ・ノーボ(オットーの父アルバロ)、マル・ベルディビエルソ(アナの母オルガ)
* sinopsis + comentarios *


 前から読んでも後ろから読んでも同じ読みになる(パリンドローム)名前をもっている、ANA(アナ)とOTTO(オットー)。二人は幼いときに出会った。父の死を認めたくないアナは母の言葉から逃げるために森へと走って逃げる。その直後、オットーはサッカーボールを追いかけて同じ森へと入り込む。オットーの目の前で転ぶアナ。二人の出会いはそうした偶然がもたらしたものだった。後に大人になったアナが「わたしの人生は偶然の連続だった」というようにこの映画は数しれない偶然によって構成されている。やがてアナの母親とオットーの父親が結婚し、二人は家族同然となる。オットーは初めて会ったときからアナに恋をしていたし、アナも最初は父の代わりだと思えたオットーに愛情を抱いていき、二人は親の目を偲んで愛し合うようになる。母親と二人で暮らしていたオットーはアナと一緒に住みたいがために、家を出て、父親の家へと住み着くようになる。しかし、母親は一人寂しく死んでいく。その姿を見たオットーの精神は壊れていき、そしてオットーはアナから去ってゆく。
 様々な偶然で結ばれた二人。映像は、アナの視線、そしてオットーの視線、二人の視線で描かれる。同じシーンをお互いの視線で交互に描く手法はとても新鮮で、それぞれの心境がよくわかるように仕上がっている。偶然と言っても、ただの偶然とは違う。「望んだ偶然」。それは必然のようにも思える。これだけの偶然が重なれば最後には二人は結ばれるのだ、と思わずにはいられないし、主人公二人もそう思っていたはず。
 この映画の中にはいろいろなキーワードが含まれている。もっとも重要なワードはもちろん「偶然」なのだけどそこまで偶然に拘るのは、フリオ・メデムらしいと感じる。映画を観ていくうちにいろんなキーワードがそれぞれ結びつき、サークルを描いているのがわかる。そのサークルという言葉自体もまた、北極圏という言葉に結びつきどこまでもぐるぐるとサークルを巡っているような映画だった。
よくぞここまで偶然を集めたものだ、と思うほど、偶然だらけの映画なので、それが気になる人もいるらしい。でも、わたしが気になったのは、最初のボールが転がるシーン。「あんなにボールって転がるのか?」と思わずにはいられなかった。でも、それも、望んだ偶然が成せる技なのかもしれない。

 青年期のアナを日本では『オープン・ユア・アイズ』でスクリーンを飾ったナイワ・ニムリが演じる。監督自身最初からアナには彼女を想定したという。『オープン・ユア・アイズ』とは全く違ったナイワの一面を見ることができる。青年期のオットー役は、『オープン・ユア・アイズ』でナイワ・ニムリとも共演していたフェレ・マルティネスが演じている。この配役は土壇場で決まったらしい。そして、少年期のオットー役、ペルー・メデムは名前から想像がつくように、監督、フリオ自身の息子が演じている。


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