LA CELESTINA
情熱の処女(おとめ)〜スペインの宝石〜
情熱の処女1996年 スペイン映画
監督:ヘラルド・ベラ
脚本:ラファエル・アスコナ 撮影:ホセ・ルイス・ロペス-リナレス 編集:ペドロ・デル・レイ 美術:アナ・アルバルゴンサレス 衣装:ソニア・グランデ、ヘラルド・ベラ 製作:アンドレス・ビセンテ・ゴメス
出演:ペネロペ・クルス(メリベア)、フアン・ディエゴ・ボット(カリスト)、テレレ・パベス(セレスティーナ)、マリベル・ベルドゥ(アレウーサ)、ジョルディ・モリャ(パルメノ)、ナンチョ・ノボ(センプロニオ)、ナタリー・セセーニャ(ルクレシア)、カルロス・フエンテス(ソシア)、カンデラ・ペニャ(エリシア)
実らぬ恋なら死も同然
* sinopsis + comentarios *


 若き騎士カリストは教会で大富豪の娘メリベアに一目惚れをし、声を掛けてみたけれど、相手にされなかった。しかし、彼はメリベアに夢中になり、その様子を見た従者のセンプロニオはセレスティーナの力を借りることを提案する。セレスティーナというのは売春の仲介をしたり、処女膜の再生をしたり、魔術を扱う老婆。なにがなんでもメリベアとの恋を実らせたいカリストはセンプロニオの提案にのって、セレスティーナに恋の取り持ちを依頼する。一方、センプロニオはセレスティーナと組んで、カリストから財産を踏んだくろうと思っていた。セレスティーナの悪行やセンプロニオの企みを知っているもう一人の従者パルメノは、主人のカリストに忠告をするが聞き入れてもらえない。セレスティーナはさっそくメリベアに接触をして、魔術と巧みな話術で、メリベアの心を動かす。そしてメリベアはセレスティーナの術中にはまり、カリストへの思いを募らせるようになる。パルメノもうまく丸め込まれ、従者たちの協力もあって、メリベアとカリストは密会をすることになる。セレスティーナはカリストから謝礼として金の鎖を与えられるが、それを独り占めしようとする。センプロニオとパルメノは分け前を要求するが受け入れられず、口論の末、セレスティーナを殺してしまう。そして犯罪者として捕らえられたセンプロニオとパルメノは処刑される。その後も密会を続けるカリストとメリベア。一方、パルメノの恋人アレウーサとセンプロニオの恋人エリシアはカリストとメリベアと恨み、復讐を企てる。

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 原作は「カリストとメリベアの悲喜劇」。この映画の原題となっている「ラ・セレスティーナ」と呼ばれる文学作品で、フェルナンド・デ・ロハスによって1499年に発表された。(※発表当時は作者の名前は公表されていなかったけれど)日本では「スペイン版ロミオとジュリエット」と紹介されているけれども、実際はシェークスピアの「ロミオとジュリエット」よりも前の作品。「悲喜劇」とあるように、結果として悲劇を招くけれど、欲望がうずまく人間模様は喜劇的。
 大筋は、出会いの部分を除いては結構、原作に忠実な印象。古典なので、歯の浮くような台詞が多いけれど、現代風にアレンジされている。性描写が必要以上に多いと思うのだけど、これも現代風?

 もともとが文学作品なだけに書きにくいのだけれど、話の展開は、人間の欲と陰謀が渦巻いていて見ごたえがある。セレスティーナの巧みな話術とずる賢さは思わず感心してしまうほど。カリストとメリベアの悲劇は、直接セレスティーナによってもたらされるものではない。それよりも、2人は恋が成就したことを感謝し、幸せを感じているのだから、彼らにとってはセレスティーナは決して悪人ではないことになる。カリストとメリベアよりも、大金を得るために2人を利用しようとした人たちの方が重要な役割を演じるているように感じられた。若く美しく純粋な2人はそれに巻き込まれただけ・・・。もちろん、それが悲劇的なのだけれども。
 人間ってなんて欲深いのだろう、と思うのと同時に、昔も今も、欲というのは悲劇を招く重要な要素であることをあらためて考えさせられた。

 ペネロペ・クルスの人気によって日本でもビデオ&DVD化されたこの作品。この映画のペネロペはファンでなくてもうなってしまうほど美しい。その映像美は間違いなく彼女の美しさを引き立てていると思う。カリスト役のフアン・ディエゴ・ボットも美しいから、目の保養になるかも。そんな美男美女カップルよりも存在感を発揮しているのが、セレスティーナ役のテレレ・パベス。意地悪なおばさんという印象の彼女はこの役にはぴったりで、その迫力に圧倒される。そして、ジョルディ・モリャやナンチョ・ノボ、マリベル・ベルドゥなど人気俳優も脇に据えていて、商業的な印象は拭えないけれど、豪華キャストに中世の美しい町並み、衣装を見ているだけでも飽きない。ちなみに・・・R18指定だけれど、ペネロペ・クルスのヌードはありません。(笑)

* 日本劇場未公開
* 2003年1月24日 ビデオ&DVD発売


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