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1999年夏。ダニは海辺の別荘で過ごしていた。両親は旅行に出かけてしまい、別荘には小学校時代からの親友ニコがやってきた。久しぶりの再会に変わらぬ友情を確かめ合う2人。家にくるのは家政婦のマリアンヌと家庭教師のソニアだけ。ダニは親のいないバケーションをニコと一緒に楽しもうと思っていた。勉強もそこそこに遊びに出かけ、お酒を飲んだり煙草を吸ったりしてちょっと背伸びしてみる。多感な年頃の2人は性への関心も強く、特にニコはそのことで頭がいっぱい。彼は17歳になる前に体験したいと思っていた。そして、夜になると2人は協力しあって「クランパック」をするのだった。
ダニはニコと2人で過ごすのを楽しみにしていたけれど、ニコの方は女の子と遊びたくて仕方がない。そして、彼らはエレナとベルタという同じ年頃の少女と親しくなる。ダニはニコに誘われては少女たちと一緒に遊びに行くものの、本当は女の子にそれほど興味がなかった。それよりも釣りや狩りに出かけたりして、とにかくニコと2人で遊びたかった。しかし、ニコはエレナに夢中になり、ベルタもダニに好意を寄せ始める。ダニは自分と過ごすよりもエレナを優先させようとするニコを見て、心中穏やかではない。それが態度に表れるようになり、2人はぎくしゃくし始める。ダニがニコに抱いている感情は友情なのか恋心なのか・・・。ダニはニコからエレナを遠ざけようとし、ダニの熱い視線に戸惑うニコ。しかし、ニコはエレナのもとへ。一方、ダニは大人の世界へと足を踏み入れる。
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この映画のタイトルにもなっている「クランパック」という言葉、ここではマスターベーションのこと示す。ダニとニコの関係は、普通の友だちという感覚とは大きく異なっている。この年頃の少年なら性に対して興味や欲望があるはもっともなことだけれど、その処理を互いに協力しあう。親友なのだから手伝うのは当然という感じで、同性愛者がするような行為に最初は何も疑問を感じていない。それ自体に特別な感情は存在せず、ただ処理をするだけだから、いやらしさは感じられない。
一方、ニコとエレナの関係にも特別な感情が存在するようには思えない。ニコは経験をしたいだけで、エレナを愛しているわけではない。それを知っているからこそ、ダニはこう思う。「性欲の処理なら、エレナじゃなくても僕がしてあげるよ」と。同性同士でもよくあるような、仲良しの友だちが別の人と仲良くなっていくのを嫉妬するように、友だちとしての独占欲なのか、それとも、自分が抱いている感情が同性への恋愛感情なのか・・・最初は彼自身にもわかっていない。
最初から最後までダニの言動は幼い。この夏の経験で2人とも確実に成長はしているのだろうけれど、子供と大人の境界線を越えきってはいない。2人はどうなってしまうのか、不安な気持ちで見守っていたのだけれど、最後はやっぱり子供っぽくもあり、見方によってはちょっと大人っぽくもあり。ダニはこの後、どうなっていくのだろう。2人の関係は?見てみたいような、見るのが恐いような気持ちにさせられた。
友情と恋愛という普遍的なテーマを、同性愛という少し変わった角度から描いている、ほろにが青春コメディ。
ジョルディ・サンチェスの同名演劇作品を映画化したのはカタルーニャ出身のセスク・ガイ。彼にとっては2本目の長編作品となる。「クイーン&ウォリアー」や「La
buena vida」のフェルナンド・ラマーリョが友情と同性愛の間で戸惑う繊細な少年ダニを演じている。すでにいろんな作品に出ているけれども、これからますます活躍しそうな感じ。
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