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精神病院に入っていたリッキー(アントニオ・バンデラス)は、退院の許可が出て、久しぶりに外の世界へ出る。そして真っ先に向かったのは、元ポルノ女優マリーナ(ビクトリア・アブリル)がいる映画の撮影所だった。撮影所に潜り込み、マリーナに近づくが、そっけなくあしらわれる。そして、マリーナが帰宅した後、家に押し入り、彼女を監禁しはじめる。リッキーの目的は「俺があんたを愛するように愛してほしい」それだけ。一方的で、強引な求愛にマリーナは応えられるはずがない。リッキーが求めるのはマリーナの身体ではなく、「心」。着替えのときには、ちゃんと後ろを向く生真面目さがあり、悪い人ではないのだけど、物は平気で盗むし、思い通りにならないと暴力をふるう。マリーナが歯が痛いと言えば、きちんと医者にも連れて行く。しかし、麻薬常習者のマリーナには普通の薬は効かない。リッキーはマリーナを家に縛り付け、闇薬が売られている広場へと向かうが、売人(ロッシ・デ・パルマ)からヤクを強奪してしまう。マリーナの姉ローラは連絡が取れないのを心配して、家を訪れるが、返事がないので留守だと思い、書置きを残す。その書置きを見たリッキーは、見つかるのを懸念して、マリーナと共に、旅行で留守にしている隣の家へと移動する。そして、歯痛が治まらないマリーナのために、リッキーはヘロインを求めて広場へ行くが、以前強奪した仕返しにボコボコにされてしまう。傷だらけのリッキーを見て、マリーナは心を開く。
タイトルの「アタメ」は訳すと副題の通り「私をしばって」となる。そのタイトルのイメージよりは、ソフトな内容と言えると思う。実際に映画の中で、「アタメ」とマリーナが言う台詞がある。車を盗むために出かけるリッキーの「逃げないで、ここで待ってて」という言葉に、「(逃げないかどうか)わからないから、縛って」というもの。マリーナの「逃げたい気持ち」と「逃げたくない気持ち」が入り混じった複雑な心境が感じられて、優しいBGMが流れる印象的なシーンとなっている。
どうみても、リッキーはストーカーだけれども、愛を信じていない女性(マリーナ)に、リッキーのように純粋に愛を信じる男が、全てをかけて「愛してくれて」、「愛を求めたら」、女ごころは揺らぐものだろうか...。でも、いくらバンデラスのようなハンサムでも、やっぱり、気持ち悪いかも。(笑)
真面目で不器用で一途な男の愛し方を見ると、同くアルモドバル監督作品『欲望の法則』を思い出す。リッキーの役は『欲望の法則』でバンデラスが演じるアントニオに似ているような気がする。
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